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04年アテネ五輪 幻の長嶋監督ユニフォーム
オリンピックメモリー by コレクション第3回
04年アテネ五輪の幻となった長嶋監督の代表ユニフォーム、国旗の下には長嶋監督のサイン
04年アテネ五輪の幻となった長嶋監督の代表ユニフォーム、国旗の下には長嶋監督のサイン【K-Collections】

 五輪にまつわるグッズ、コレクションを見ながら、過去のオリンピックのヒーローや熱きドラマ、エピソードを振り返るコラム「オリンピックメモリーbyコレクション」。

 第3回目は04年アテネ五輪時に結成された野球日本代表チーム「長嶋ジャパン」の監督、長嶋茂雄氏のユニフォームを紹介したい。


 メダルを逃した00年シドニー五輪の屈辱を晴らすべく結成された、初のオールプロ代表。実力通りアジア選手権を全勝優勝し、アテネでの金メダル奪取へ幸先良いスタートを切った長嶋ジャパンだったが、その象徴である長嶋監督が病に倒れてしまった。


 アテネでは幻となってしまった長嶋監督の日本代表ユニフォーム。そこに秘められた工夫とは。

金メダル奪取へ、代表指揮官に長嶋氏

長嶋監督のキャップ
長嶋監督のキャップ【K-Collections】

 オリンピックに置ける野球は1984年のロサンゼルス大会に公開競技として初めて採用され、続く1988年、ソウル五輪も公開競技として続開、1992年のバルセロナ大会から正式競技として採用された。公開競技の時は参加しなかった“世界最強”のキューバが出場、予選、決勝トーナメントを全勝で金メダル。続く1996年アトランタ大会も全勝でオリンピック2連覇を達成した。


 この結果はプロリーグを擁する米国、日本にとって、屈辱といってもいい結果で、バスケットボールのドリームチームように「オリンピックには世界最高水準の選手が参加すべきである」の考えから2000年のシドニー大会からはプロ選手の参加が認められ、アメリカ、日本、韓国などがプロ選手を送り込んできた。

 バルセロナ五輪・銅メダル、そしてアトランタ五輪・銀メダルの日本にとって、シドニー五輪は、まさに頂点を目指すべく臨むべき大会。代表チームは西武・松坂大輔(当時)らプロ選手8人とアマチュア選手の混合チームを結成して臨んだ。しかし、結果は準決勝でキューバ、3位決定戦で韓国に敗れ、公開競技時代を含めて6回目にして初めてメダルを逃してしまった。ちなみに優勝したのはマイナーリーグ選手を中心に結成した米国代表でキューバの3連覇を阻止した。

つばの裏側には、向かって右上の長嶋監督のサインをはじめ、中畑氏らコーチ陣のサインもある
つばの裏側には、向かって右上の長嶋監督のサインをはじめ、中畑氏らコーチ陣のサインもある【K-Collections】

 こういった状況を踏まえて2004年アテネ大会の代表チームは、日本球界が一丸となって、全選手プロ選手のみで結成されることなり、その指揮官には巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄氏を起用。日本全国の熱い期待を背に、金メダル奪取を目指すことになった。


 オリンピック予選を兼ねた第22回アジア野球選手権は2003年10月31日から札幌で行われ、決勝リーグから出場した長嶋監督率いる代表チーム「長嶋ジャパン」は全勝で優勝、アネテ大会の出場権を獲得した。


 しかし、本大会を前にした2004年4月3日、長嶋監督が脳梗塞に倒れ入院。それでも日本全国の野球ファンからの熱い要望もあって、病状が早期回復した場合のアテネ行きも検討されたが、長嶋医師団の判断によって断念。アテネオリンピックでの日本代表・長嶋監督は幻となった。

長嶋ジャパンは最も結束力の強い日本代表チームと言われた

これはコーチ用ウオームアップユニフォーム、正面には全選手のサイン
これはコーチ用ウオームアップユニフォーム、正面には全選手のサイン【K-Collections】

 背番号3のこのユニフォームは注文されたものではなく、長嶋監督が回復してアテネに行った時用のためにユニフォームメーカーが自ら用意したもの。脳梗塞で右腕が不便になった長嶋監督がスムーズに着られるように左脇の部分をチャックとするなど工夫がなされている。長嶋監督が腕を通すことはなかったとは言え、チャックがついた長嶋監督のユニフォームは唯一のものといっていいだろう。

 また長嶋監督のキャップには長嶋監督、コーチの中畑清、高木豊、大野豊のサイン。

 コーチ用ウオームアップユニフォームには背面の日の丸の下に長嶋監督、正面には参加した全コーチ、全選手のサインが入っている。キャップも同様に監督以下全選手のサインが入っている。


 長嶋監督はアテネへ向かうチームへ、自ら記した背番号「3」が入った日の丸を託し、各選手へ激励の手紙を渡した。結果は銅メダルだったが、日本の野球のシンボルともいえる存在・長嶋監督の下、結成された長嶋ジャパンは最も結束力の強い日本代表チームと言われ、今でも一年に一度集合して野球教室を開くなどの活動を通じて親交を深め合っている。


(K―コレクション)

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