アイススレッジホッケー日本代表、パラリンピック出場権獲得 (1/2)
世界選手権で見せた成長とバンクーバーへの課題
■予選2連勝でパラ出場権を獲得
5月9日からチェコ・オストラバで開かれていたアイススレジホッケー世界選手権で、日本は昨年度と同じ4位に入った。参加した8カ国の上位6チームには、2010年のバンクーバーパラリンピックの出場権が与えられる重要な大会。日本は予選のドイツ、チェコに2連勝して、パラ行きの切符を射止めた。
一方で、準決勝で世界2位のノルウェーに、また3位決定戦では昨年王者のカナダに、先制点が決められず敗れた。優勝はアメリカ、2位ノルウェー、3位カナダ。トップ3の壁は今大会も厚く、日本は念願のメダルには手が届かなかった。
■チームづくりに苦しんだシーズン
中北浩仁監督率いる日本にとって、今シーズン(08−09年)は苦難の連続だった。例年にならえば、初夏からトライアウトや代表合宿を随時行うはずだった。しかし、今シーズンはアイスリンクの確保難などから、トライアウト実施が10月と出遅れた。さらに、選手のケガや仕事の関係など、さまざまな理由でフルメンバーが召集できないという事態にも陥った。
そのため、世界選手権に向けた調整どころか、走りこみすら十分に行えなかった。結局、バンクーバーを見越したカナダへの2度の遠征も、実力を試す絶好のチャンスでありながら、満足いく体制で臨むことができなかった。
ようやく中北監督が思い描く代表選手がすべてそろったのが、今大会の直前のこと。普段は弱音を吐かない中北監督の「ぎりぎり間に合って、本当にホッとした」という言葉からも、かつてない厳しい道のりだったことがわかる。
そんななかで迎えた、バンクーバーへの序章である今大会。日本は遅れを取り戻すかのように、4月に国内での3度の強化合宿を行い、持ち味である組織プレーに磨きをかけた。さらに、チェコ入り前にオスロへ飛び、ノルウェー代表と合同合宿を実施。体調を万全に整え、なんとか本番に焦点を合わせることができた。
■攻撃力のあるディフェンス陣が奮闘
その苦労の甲斐あってか、日本は予選で苦しみながらも白星を重ねた。
初戦のドイツは、毎試合接戦となるライバル国だけに、パラリンピック行きに弾みをつけるためにも絶対に負けられない相手。その意気込みが前面に出たのが第1ピリオド。試合開始5分間の間に、石田真彦(DF)と高橋和廣(FW)が得点。その後、ドイツに1点を返されるが、終盤に石田のアシストを受けた須藤悟(DF)が強烈な一発を決め、リードを広げた。
ところが、第2ピリオドに同点に追いつかれ、オーバータイムに突入。我慢の時間帯が続くが、残り時間が1分半に迫ったころに、パックをキープした須藤が躊躇(ちゅうちょ)せずにシュート。パックは相手ディフェンダーに当たり、ゴールキーパーのスレッジの下をするすると抜けてゴール。価値ある1勝を挙げた。
また、2戦目のチェコ戦も接戦に。日本は18本のシュートを放つが、座った状態とはいえ身長190センチを超えるチェコのGKヴァペンカの長い手足と瞬発力に、ゴールを阻まれ続けた。また、多々あったパワープレーを生かせず、無得点のままオーバータイム、さらにはシュートオフへ。日本のベテランGK永瀬充との「守護神対決」に注目が集まった。
シュートオフ先攻の日本の一人目は、遠藤隆行(DF)。これまでのうっぷんを晴らすかのように、ヴァペンカの後ろに突き刺さる意地の一発を決めて優勢に。二人目、三人目はセーブされたが、永瀬がここ一番でベテランらしい集中力と反応を発揮。相手シューターの3人全員をきっちりと抑え、勝利に貢献した。この時点で、上位4チームによる準決勝進出が確定。同時に、バンクーバーパラリンピックへの出場権獲得を決めた。




