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コラム

目標は4年後のバンクーバー五輪 日本女子アイスホッケーのいま

2006年03月03日
NPO法人:ジュースJWS 三和香
女子アイスホッケー、4年後の歓喜を目指して
女子アイスホッケー、4年後の歓喜を目指して【 (C)Getty Images/AFLO 】

得失点差「1」の差で逃したトリノ五輪

 女子アイスホッケーの日本代表は、トリノ五輪への出場を得失点差わずか「1」の差で逃した。
 2004年11月にロシアで行われた最終予選グループAは、日本とチェコ、それにロシアが最終枠「1」を争い、最終戦で引き分けても1位だった日本は、ロシアに2−3で破れた。しかし、世界のトップまでは本当にあと1歩に迫っている。

 初めて女子アイスホッケーが五輪の正式種目となったのは1998年の長野五輪。日本は開催国として出場したが、どの試合も防戦一方で、打たれたシュートが3けたに上る試合もあった。それから8年、日本は世界選手権などで長年勝てなかった中国を03年の冬季アジア大会で破り、アジア最強のチームになった。05年の国際アイスホッケー連盟による世界ランキングでは10位にランクしている。

 そんな日本女子の目標は、とにもかくにも4年後のバンクーバー五輪への出場だ。外国選手は女性とは思えぬパワーを持ち、体のサイズも日本選手と比べると大人と子どものようだ。だから、日本はスピードと組織力で対抗する。無駄のない攻守システムで、パワフルな相手に対して速攻性を持つのがポイントになる。


恵まれない環境の中で

 しかし、選手の置かれた環境は恵まれてはいない。女子のホッケーチームはクラブチームで、選手は皆、社会人や主婦、それに学生。普段の練習は夜7時や8時を過ぎ、10時ごろからという日も少なくない。日本代表を見ても、世界選手権や五輪予選の時でさえ、満足な強化合宿が行われていない。また、大会参加をするにも金銭面で選手の自己負担がネックとなっていることも無視できない。日本代表というチームとして過ごす時間がもっと増えれば、日の丸を背負う責任感が生まれる。精神的なステップアップにつながり、それがプレーにも表れるのではないかと思う。

 4年後のバンクーバーを本格的に目指すための良い“環境”とは、代表選手の練習環境の改善だけではない。女子アイスホッケーを「見る」「支える」環境が整うことも必要なのだ。日本ではまだメジャースポーツとは言えない女子アイスホッケーだが、もっと多くの人に面白さを知ってもらい、「する」方、「見る」方、双方から、競技を盛り上げていくことが、4年後、ないしは今後の代表強化につながるのだ。


それでも五輪に出場したい

 わたしが男の子に交じってホッケーを始めたのは6歳のころだった。とにかくアイスホッケーが好きで、自分を表現する舞台が氷の上だった。うれしいことも悲しいことも、楽しいことも悔しいことも、つらいことも悩むことも、自分のプレーに集約されている。

 闘争心がなければ、この競技はできない。しかし、闘争心ばかりでは、周りは見えてこない。常に視線を上げて、自分以外の動きと流れを読み、そのタイミングに見合った素早い状況判断をする。そして、メリハリのある全力疾走。選手個々が全力を出し、チームが一つになったとき、試合が成り立つ。それがアイスホッケーのプレーの魅力であり、強靭(きょうじん)かつ人の和を大切にする姿勢をも育ててくれるのだ。

 わたしは今、大学3年生。今後、社会人となったとき、競技と本業を両立できるのか、危機感も抱いている。しかし、やはり自分はこの競技で国を代表し、五輪に出場したいと強く思う。そのためにわたし自身が今できることは、氷の上で今日もパックを追い掛けゴールネットを揺らすことに集中することのみ。その競技がメジャーであろうがマイナーであろうが。

<了>

三和 香/Kaori Miwa
6歳から兄2人とともにアイスホッケーを始める。中学、高校時代は女子社会人チーム札幌バッカーズ、早稲田大入学後はコクドレディースクラブに所属。2月にカナダで行われる国際交流事業に日本女子メンバーとして参加

NPO法人:ジュースJWS(Japanese Association for Women in Sport)
スポーツという手段や分野によって、男女共同参画社会を築き上げることを目的として設立された。登山に例えるならば、「男女共同参画社会」というとてつもなく高い山の頂上に登るために「スポーツ」というコースを選ぶ、といったところ。この場合のスポーツは競技スポーツ、生涯スポーツ、学校体育、高齢者スポーツ、障害者スポーツなど広範囲に及ぶ。また、スポーツにおける女性の参加を促すと同時に、女性がリーダー的立場に就く機会を増やすことを目指し、さらにスポーツ界における女性の地位を向上させることによって、女性全体の資質と社会的地位を向上させることもターゲットに入れている。国内および国際的な組織と連携し、日本や世界のあらゆる場、あらゆる機会、あらゆる人たちに啓発や支援活動を行っている。
■NPO法人:ジュースJWS http://www.jws.or.jp/jpn/
■2006世界女性スポーツ会議くまもと http://www.sekaijosei.jp/home01.html

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