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フェンシングの太田、銀メダル獲得を「率直に喜んでいい」
日本フェンシング史上、初の銀メダル

2008年8月14日(木)
8月13日、北京五輪男子フェンシングのフルーレ個人決勝が行われ、日本代表の太田雄貴が銀メダルを獲得した
8月13日、北京五輪男子フェンシングのフルーレ個人決勝が行われ、日本代表の太田雄貴が銀メダルを獲得した【Photo:ロイター】

 北京五輪のフェンシング男子フルーレ個人は13日、太田雄貴(京都ク)が決勝でベンヤミン・クライブリンク(ドイツ)に9−15で敗れたが、日本フェンシング史上初となる銀メダルを獲得した。
 以下は、決勝後の太田のコメント。

■太田雄貴「下に向いていた調子を一気に上げられた」

 率直に喜んでいいんじゃないでしょうか。ただ、何度も負けている相手なので、そこが男として悔しいですけど。でも本当に今日はタフなゲームが多かったので、準決勝、準々決勝、3回戦も本当に厳しい試合だったんで、その中で自分のパフォーマンスはできたんじゃないかと思います。

 (決勝はどういう作戦だったか?)オレグ(代表コーチ)には失礼かもしれませんが、本当にもう疲れていて、なかなか(作戦が)頭に入ってこなくて……。またクライブリンクの調子が異常に良かった。ポイントの突き、スピード、緩急、正確さ――本当に素晴らしかったので、なかなか厳しいところでしたね。

 正直疲れましたね。けっこうJISS(国立スポーツ科学センター)でそれ相応の練習をしてきたつもりだったんですけど、試合と練習では違いますし、こういうのって場数を踏まないことにはなかなかできないんで。今年に限っては、ワールドカップで1回もベスト4にも立ってないですし。それでオリンピック2位だったら、非常に自分としては立て直せたかなと。だいぶ下に向いていた調子を、一気に上げられたかなという気はします。

 (表彰台に上って)率直に言って金メダルにいきたかったですけど、今僕ができることを最大限できたんじゃないかと思います。クライブリンクにはまた負けちゃいましたけど、(準々決勝で対戦した)ペーター(ヨピッヒ=ドイツ)に5連敗している中で、オリンピックという舞台で勝てたというのは、負けていた試合分の5勝分に値するんじゃないかなという気もします。(3回戦で対戦した)崔(秉哲)にしても、高円宮杯や東京のワールドカップで負けている相手に勝てたということは、勝負どころでしっかり勝負できたということだと思います。

 (調子が悪いとこからどう立て直した?)アジア選手権が終わった4月の後半から、7月頭のワールドカップまで、ベスト8が限界ってくらいで、プレッシャーがありました。いろんな意味で「何とかメダル」「何とかメダル」って言われるし、自分でも思ったし、それが本当にしんどくて……。それを1回ゼロにしようと思って、オリンピックまで1カ月を切る少し手前位から、とりあえずしんどいことをしようと全くフェンシングをやらない3週間を作って、ひたすらフィジカル(トレーニング)だけしていました。本当にその2週間、3週間は死ぬような思いでした。
 その分、フィジカルを鍛え直してからフェンシングができました。ワールドカップで勝てなかった僕がオリンピックで表彰台に立てたということは、調整がかなりうまくいったってことと、周りのバックアップがしっかりいったというのが要因だと思います。

 7月以降は、ほとんどメディア(対応)も(フェンシング)協会としてやらないというようにしてくれました。メディア好きの僕ですが、知らず知らずのうちにそれがどこかプレッシャーになっていたと思いますし。それが取り払われたことで練習にも集中できましたし、今日という8月13日に照準が合わせられたと思います。

 金メダルだけがメダルではないと思いますし、本当に自分の中では頑張ったと思いますから。もちろん金がいいですけど、フェンシング界は今まで、自分の(同志社大学の)OBでもある田淵(和彦)名誉監督らが取られた東京オリンピックの(男子フルーレ)団体の4位が最高だったので、何とかそれを塗り替えてきますという話はしていたんですけど、塗り替えられたので自慢したいです。


 本当にオリンピック、今メダルを獲って初めてオリンピックだという感じがしますね。開会式もテレビで見ていましたし、日曜日に(北京に)着いて、中2日での試合だったんですけど、変な緊張がありませんでした。メンタルトレーニングをやっていた部分もあって、トレーナーさんが言っていたんですけど、「太田雄貴らしくあれと。頭を使うな、感覚と神経だけでやれ」という後押しがあったのが、(メダルを)決める要因になった気もします。

 (次の目標は?)いきなりロンドン(五輪)とはなかなか言えませんが、世界選手権ではメダルを獲ったことがないので、2010年にパリで世界選手権があるので、本場のパリでやれたら面白いなとは思います。ただ自分自身が目標を見失わないように、これからもいろんな人の助けを得て、競技をしっかり続けていきたいと思います。

 いろんなマイナー競技が今、頑張っていると思います。フェンシングもメダルを獲れば少しは(状況が)変わるんじゃないかとみんなが期待していて、僕に期待してくれていたのがしんどい時期もありました。それでも、最後にはそれが僕の先輩やチームメートが応援してくれる「頑張れ」とか「あきらめるな」とかいう言葉が力になったので、今日は本当に素晴らしい日だと思います。

<以下、メダリスト会見でのコメント>

 オリンピックという夢舞台で、今日は多くの試合ができたことが、まず幸せでした。小さいときからこの舞台で勝負するというのが、またメダルを獲ることを目標にしていたで、もちろん金メダルが良かったですが、今は銀メダルということで非常に満足しています。

 (メダル獲得を誰に伝えたいか?)誰にと限定するのは非常に難しいんですけど、フェンシングを始めるきっかけをくれた両親に、本当にありがとうございますと、普段はなかなか恥ずかしくて言えないですけど、この場を借りて伝えたいと思います。

 (今一番何をしたい?)友だちと遊びにいったりということをオリンピックまで控えていたので、オリンピックが終わってみんなではしゃぎたいですね。

<了>

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