若さを武器に4強を目指す台湾 (2/2)
北京五輪野球 直前リポート
■“台湾のイチロー”に期待
台湾のファンの期待を膨らませるのは、世界最終予選で大活躍した林哲シュエンと羅國輝の2人。1988年9月21日生まれの林哲シュエンは、ことしのフューチャーズゲームで五輪代表候補で編成された米国選抜チームと対戦。2点本塁打を放ち、MVPを獲得。期待はさらに大きくなっている。打撃はまだ未熟だが、“台湾のイチロー”の呼び名にふさわしい守備と走力に注目だ。
羅國輝は、現役時代の秋山幸二(現福岡ソフトバンクコーチ)をほうふつとさせる三拍子そろった選手。憧れの陳金鋒のように、世界最終予選でファンを魅了した力強くて勝負強い打撃の再現を多くのファンは待ち望んでいるはずだ。
79試合終了時点で打率3割台を維持するチャン智賢は、2004年9月4日に行われたAAA世界選手権の日本戦に台湾の4番打者として出場。先発したダルビッシュ有(東北高・現北海道日本ハム)と対戦し、結果は3打数1安打2三振だった。この約4年ぶりの対決が実現したら、ぜひ見逃さないでほしい。
外野手3名は俊足で守備範囲が広く、強肩も自慢。その反面、内野は一塁手の彭政閔以外に不安がつきまとう。エラーが多く、二塁手のチャン智賢は79試合で16、遊撃手の林智勝は45試合で19、三塁手の張泰山は昨季79試合で23。西岡剛(千葉ロッテ)、川崎宗則(福岡ソフトバンク)、青木宣親(東京ヤクルト)といった俊足の選手にバントなどで揺さぶられたら、内野の守備が破綻する恐れがある。この不安は、年初に行われたプエルトリコ合宿で守備の評価を上げた19歳の郭嚴文(レッズ・ルーキーリーグ)を守備固めで起用するなどして解決したい。
5月にある代表選手を訪問したとき、「オレたち、日本に勝てるのかな…」と話していた。現地での分析報道も「中国、オランダ、カナダ、韓国に勝って、4強入りを目指す」と日本やキューバ、米国といった強豪に対しては消極的だ。こうした報道や先入観を打破するのは、大舞台での経験が少ない若者たちから生まれる無限大の力だろう。「歴代最弱の代表」と呼ばれながらも3位に入った世界最終予選のような戦いができれば、今大会の台風の目になるはずだ。
■台湾五輪代表24名メンバー
投手10名:
潘威倫(統一)
陽建福(興農)
陳偉殷(中日)
曹錦輝(元米大リーグ・ロイヤルズ)
張誌家(La new)
許文雄(La new)
李振昌(台北体育学院)
倪福徳(中信)
羅嘉仁(中國文化大学)
鄭凱文(中國文化大学)
捕手3名:
陳峰民(La new)
高志綱(統一)
葉君璋(興農)
内野手6人:
張泰山(興農)
彭政閔(兄弟)
林智勝(La new)
チャン智賢(レッドソックス1A)
石志偉(La new)
郭嚴文(レッズ・ルーキーリーグ)
外野手5人:
潘武雄(統一)
羅國輝(マリナーズR)
林哲シュエン(レッドソックス1A)
張建銘(興農)
陳金鋒(La new)
・大物いないが脅威のポテンシャル秘める米国 (2008/8/6)
・最強メンバーでメダルに挑む韓国 (2008/8/5)
・星野ジャパン最大のライバル・キューバの現状 (2008/7/16)
小川聖市
台湾の旅行ガイドブックの取材活動がきっかけで、台湾だけでなく「野球」にのめり込み、現在に至る。台湾では、少年野球大会の日本チームの接待係兼通訳を担当したこともあり、取材以外の方法でも「台湾野球」の理解に努めている。野球以外にも高校バスケのHBLなど、バスケットボールの会場にも足を運んで、その面白さを現在ブログで紹介中。
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