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インタビュー
INTERVIEW
Jリーグと協会の関係について話す川淵三郎キャプテン
Jリーグと協会の関係について話す川淵三郎キャプテン【 photo by 宇都宮徹壱 】


川淵三郎キャプテンが語るジーコ・ジャパンの2004年
第2回 Jリーグとの理想的な関係(1/2)

2004年12月15日


●●2004年の日本サッカー界を、川淵三郎キャプテンに総括していただく、連載の第2回。今回は、日本代表とJリーグについて――とりわけ、不可避なスケジュール問題について、川淵キャプテンに、お話いただこうと思う。
 今さら言うまでもなく、国内リーグと代表チームとは、その国のサッカーの両輪である。だが、今年のサッカーカレンダーを見る限り、その両輪が微妙にバランスを欠いていたように思えてならない。また、11月のシンガポール戦における「功労者招集問題」についても、Jのクラブは軒並み協会に対して異議申し立てしたことが報じられている。そのあたりの事情について、元Jリーグ・チェアマンでもある川淵キャプテンは、どのように考えているのであろうか。さっそくお話を伺うことにしたい●●


(取材日:11月30日 インタビュアー:宇都宮徹壱、中濱千尋)


■ますます過密化するカレンダーをめぐって

――話題を変えて、今年のJリーグとの関係について、いろいろお話を伺いたいと思います。そういえば日本サッカー協会が、このJFAハウスに移転してJリーグと一緒になって、早いもので1年が過ぎましたね。渋谷(協会)と虎ノ門(Jリーグ)に分かれていた以前と比べて、Jリーグとの関係はいかがでしょうか?

 全然違うよ。ちょっと何かあったら、僕が行ったり(鈴木昌)チェアマンが来たりで、すごく簡単に話ができちゃうし、コミュニケーションを取る上では全然違うね。やはり、Jリーグあっての日本サッカー協会であり、代表チームであるわけだし、Jリーグもサッカー協会の方向に従って進めていかなければいけない。だからこそ、お互いにコミュニケーションを十分にとってやっていかなくちゃ。その意味で、同じビルに入ったというのは大きな意味があるね。

――今年はワールドカップ一次予選もあって、さらにはアテネ五輪、アジアカップと、強化日程のバッティングがかなりあったと思いますが

 Jリーグとサッカー協会の責任者が入った、マッチメーク委員会というものを作って、代表の試合についてすり合わせている。そういう話し合いができていないと、やっぱりスケジュールなんてなかなか決まらないよね。来年は特に大変だし。スケジューリングについては、僕がチェアマンだった時代と何ら変わらない。むしろ、AFCチャンピオンズリーグが入ったりして、今の方がもっとシビアだね。Jリーグには、平日にやってもらったりして、かなりの部分で犠牲になってもらってる。本当にありがたいことだと思うよ。

――しかも来年はJ1が18チームに増えて、試合も4節増えますからね

 そうそう。チャンピオンシップがなくなったことで、リーグ日程が1、2週間増えるから、今までよりは日程的に余裕があるという見方もできるけど、一方で東アジア選手権もあるし、チャンピオンズリーグもあるでしょ。コンフェデレーションズカップもあるし、新たに世界クラブ選手権と、もう大変だね。さらに(ワールドカップ)最終予選が6試合あって、それには全面的に協力してもらわないといけないし。

 ワールドカップ予選は、日本のサッカーにとって一番大事な試合なんだから、やっぱりリーグ戦があるからといって、3日前に集まってというわけにいかないよ。そうなると、Jリーグのオールスター戦の日程調整が必要になる。でも、もう持っていきようがないんだよね。かなり無理なスケジュールを組んでるけど、お互いに納得しながらやっている。ここの話し合いがスムースに行われないと、やっぱり日本のサッカーはうまく機能していかない。もちろんJリーグのクラブにも、いろいろと不満はあると思うよ。でも、それはある程度理解してもらわないと。こういうスケジュールになってしまうのは、止むを得ないとしか言いようがないね。


■シンガポール戦にカズが招集されていたら…

「功労者」として名前が挙がった三浦知良。シンガポール戦に招集されるプランもあったが…… 「功労者」として名前が挙がった三浦知良。シンガポール戦に招集されるプランもあったが……【 スポーツナビ 】 _
――そこで私たちが知りたいのが、先日のシンガポール戦(11月17日)における例の「功労者」招集問題です。なぜ、あそこまで協会とJリーグとの意見が対立してしまったのでしょう?

 いや対立って、別にそんなに深刻な話ではないんだから。新聞の報道では、みんなが反対したかのように書いていたけど。あれは、ジーコが「こうしたい」、われわれも「それでいいよ」って言ったら、Jリーグだって「まぁ、仕方ないな」と認めたんじゃないの? Jリーグが反対したから、止めたという話でもないんだから。

 今回の件では、僕もジーコに話を全部聞いたわけじゃなかったし、(ブラジルに帰国していた)ジーコが日本にいたら、もっと真意が伝わっていたと思う。それでもだめだったかどうかというのは、ちょっと分からないけど。とにかく、ジーコが帰ってきた時に、われわれの考え方を聞いた上で、彼自身が最終的にあの判断をしたんだ。だから、別にJリーグのクラブが全部反対したから止めた、というような話ではなかった。もちろん、それもゼロじゃなかったけど、でもそれがすべてじゃないよ。

――そうだったんですか

 僕は最後まで「大体、これくらいの人数なら功労者を呼んでもいいんじゃないのか」という話もしていたんだ。ああしろ、こうしろという命令はしなかったけど、メンバーが出てきた時に「いくらなんでも、これじゃおかしいんじゃないの?」ということにならないように、田嶋(幸三 技術)委員長とジーコで、よく話し合うように言っておいた。田嶋委員長には、僕の考えを伝えてあったのでね。最後は、ジーコが自分で決断して、最終的には「功労者を呼ばない」という結果になったんだ。

――では、質問を変えましょう。キャプテンは試合後に「カズ(三浦知良)がいたらもっと気合が入っていたはず」とおっしゃっていたそうでしたが、あの試合はやはり、カズのような「功労者」が出場していた方がよかったと、今でもお考えでしょうか?

 カズがいたら、やっぱり違ってたんじゃないの? 若手を入れて、そこにカズも加わっていたら、もっと緊張感があったよ。(すでに最終予選進出を決めていたので)あの試合は全然、緊張感がなかったもの。だから、カズぐらいの選手がいた方が、緊張感があって良かったなと思ったよ。
 確かに、元日本代表のJリーガーをたくさん入れるというのは、多少問題があったかもしれないし、今でも現役バリバリというわけではない。けれども、カズみたいなスーパースターが、若い選手に与える影響は大きいからね。それと「カズが出るなら見たい」っていうファンが、ものすごく多かったんだよね。驚くほど多かった。だから、ああいう内容の悪い試合を見せてしまって、多くのファンに申し訳なかったなと僕は思ったんだよ。

<続く>

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