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フィンランドの首都で行われたこの大会には、69の国と地域から4955人が参加、ソビエト連邦や中国が五輪に初登場し、前回大会に招待されなかった日本も16年振りに参加した。
開会式では、地元フィンランドの伝説のランナー、パーボ・ヌルミが聖火を手にスタジアムを走り、バトンタッチされたもう一人の国民的英雄、ハンネス・コーレマイネンが聖火台に点火した。この大会で最も話題になる活躍をしたのは、チェコスロバキアのエミール・ザトペック。5000メートル、1万メートルとマラソンの長距離3冠は前人未踏の歴史に残る偉業として記憶されている。
初参加のソ連は、専用の宿舎(選手村)を要求するなど自国の選手と他国の選手の交流を制限しながらも、いきなり米国の40個に次ぐ22個の金メダルを獲得、スポーツ大国として強烈な存在感を示すデビューであった。五輪復帰を果たした日本は、レスリング・フリースタイルの石井庄八が日本レスリング界初となる金メダル。水泳では3種目で銀メダルを獲得したが、体調が万全でなかった古橋広之進も金メダルは獲得できなかった。
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【EPISODE エピソード】
心臓にナイフを刺して走る男
「人間機関車」の異名を持つチェコスロバキアのエミール・ザトペックは5000メートル、1万メートル、マラソンの3種目に優勝する超人ぶりを発揮した。あまりにも苦しげな表情で走ることから「心臓にナイフを刺して走る男」とも形容され、マラソンの優勝記録は2時間23分3秒2と当時としては驚異的。長距離にスピードを持ち込んだ先駆者でもあった。彼が5000メートルで優勝した約一時間後に、なんと彼の妻、ダナ・ザトペコワがやり投げで優勝。夫婦にとって、この日は記念の日であり、ヘルシンキ大会は"最高の五輪"だったであろう。
日本の古橋、悔やみきれない前大会の不出場
前大会に出場できなかった為、今大会での活躍が期待されていた水泳の古橋広之進と橋爪四郎。橋爪は1500メートル自由形で2位になったが、古橋は400メートル自由形で8位。古橋は南米遠征で赤痢にかかり、本調子でないままの結果だった。リレーを含めて33回も世界記録を更新してきた古橋だが、無念にも五輪には縁がなかった。実況中継をしていたNHKアナウンサーは「日本の皆様、古橋を責めないでください」と涙声で訴え、その放送を聞きながら、同じ思いになった日本人も多かったと言われる。
| ■メダル獲得ランキング |
| 順位 |
国名 |
金 |
銀 |
銅 |
合計 |
| 1 |
アメリカ |
40 |
19 |
17 |
76 |
| 2 |
ソ連 |
22 |
30 |
19 |
71 |
| 3 |
ハンガリー |
16 |
10 |
16 |
42 |
| 4 |
スウェーデン |
12 |
13 |
10 |
35 |
| 5 |
イタリア |
8 |
9 |
4 |
21 |
| 6 |
チェコスロバキア |
7 |
3 |
3 |
13 |
| 7 |
フランス |
6 |
6 |
6 |
18 |
| 8 |
フィンランド |
6 |
3 |
13 |
22 |
| 9 |
オーストラリア |
6 |
2 |
3 |
11 |
| 10 |
ノルウェー |
3 |
2 |
0 |
5 |
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