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伝説を築く「ブルー」の真価(7) 〜パリのポルトガル人、涙の解放記念日〜 後編
ポルトガル人の大サポーターを前にしたフランスの圧勝劇
ポルトガル代表は、ワールドカップ予選で現在しのぎを削っているオランダと、1999年2月10日にパルク・デ・プランスで対戦している。この日は同時刻にロンドンのウェンブリーでイングランド対フランスの試合が行われ、フランスではこの年の最高視聴率を記録するテレビ中継が行われたのだが、パルク・デ・プランスには実に3万5000人を超える観衆が押し寄せたのである。ちなみにこの試合は、ワールドカップ以降にパルク・デ・プランスで行われた唯一の国際Aマッチである。
またポルトガルでは、リーグチャンピオンとカップの勝者の間でポルトガル・スーパーカップが81年以来ホーム・アンド・アウエー方式で争われている。得失点差が同じ場合はプレーオフが中立地で行われ、95年と96年はこのプレーオフが国外のパリで行われている。これらの試合では多くの観客を集めた。それはリスボンとポルト以外大都市を持たず、フランスに多くの移民を流出しているポルトガルならではの現象であろう。
さて、「無冠の帝王」ポルトガルは「グラン・ブルー」フランスに過去26年間勝ったことがないが、「第2のホームタウン」パリで4万5000人のサポートを受ける。一方のフランスは、93年秋のワールドカップ予選のイスラエル戦、ブルガリア戦以来、国際試合で連敗したことはなく、スタッド・ド・フランスで負けるわけにはいかない。(編集部注:3月28日の対スペイン戦でフランスは1−2で敗れていた)
「ポルトガル、ポルトガル」の大歓声に勢いを得たポルトガルは、立ち上がりから攻勢をかけチャンスをつかむが、ファビアン・バルテスの守備に阻まれる。10分過ぎからフランスがリズムをつかみ、16分にシルバン・ビルトールが先制点を挙げると、その後はゴールラッシュとなり、勝負はあっけなくついてしまった。32分にミカエル・シルベストルが追加点、34分にはティエリー・アンリが3点目を奪い、4万5000人のポルトガルサポーターは意気消沈する。
後半は、ジネディーヌ・ジダンに代わって出場したユーリ・ジョルカエフがゲームメーカーを務める。80分には、ポルトガル人の親を持つロベール・ピレスとアンリのワンツーパスから展開してきたボールをエマニュエル・プチがジョルカエフにつなぐ。そして前回の連載での「注目選手」ジョルカエフが4点目を挙げ、4−0という大差でフランスが王者の誇りを守ったのである。
サッカー好きのパリのポルトガル人にとって、解放記念日に行われたフランス戦は、またとないプレゼントであった。しかし0−4という結果に終わり、過去のフランス戦では例のない大敗を喫した。パリのポルトガル人は涙の解放記念日を迎えたのである。
(了)
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<著者プロフィール>
■J・P・モアン/J・P・MOINS 1961年生まれ。かつてのフランス代表の合宿所であったHEC(Ecole des Hautes Etudes Commerciales:高等商業学校)で青春時代を過ごす。フランス・サッカーを中心に執筆活動を展開。『サッカークリック』の「フランス・サッカー実存主義」で日本語の執筆活動にデビューして3年。日本サッカーについても造詣が深くなる。サッカー以外のスポーツについても関心を持つと共に、商業系グランゼコール(高等教育機関・修士課程)のHEC出身らしく、経済・経営についての著作・論文も多数 |
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