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宇都宮徹壱
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スポーツナビ
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Jの付く場所を目指して(1/2)
全国地域リーグ決勝大会・1次ラウンドリポート
2007年11月28日
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■新たなJクラブ(候補)が生まれる場所
広島スタジアムで開催された地域決勝の光景。今年も日本で最も過酷で難しい大会が開幕した【 photo by 宇都宮徹壱 】
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11月最後の3連休を私は広島で過ごしていた。ただし目的地は、サンフレッチェ広島のホームゲームが行われる広島ビッグアーチではなく、まったく逆方向の広島スタジアムである。当地では23日から25日にかけて、JFLの登竜門である全国地域リーグ決勝大会(以下、地域決勝)の1次ラウンドが開催されていた。
この地域決勝、現地で取材するのは今年で3回目である。折しも11月下旬から12月初旬にかけては、優勝争い、そして降格・昇格争いと、Jリーグが1年で最も盛り上がる時期。ここ数年は地域決勝とバッティングしてしまうため、現場であれテレビであれ、Jのクライマックスをリアルタイムで見られなくなってしまった。大変残念ではあるが、私はJと同じくらい、この大会にすっかり夢中になっている。
地域決勝は、全国に9ある地域リーグ(北から、北海道、東北、関東、東海、北信越、関西、中国、四国、九州)の強豪が集い、JFL昇格を懸けた熱戦が繰り広げられる。といっても、当事者とそのファン、そして地域リーグマニア以外には、はっきりいって「どうでもよい大会」であろうし、メディアにとっても、同時期のJリーグの方がはるかにニュースとしてのバリュー(価値)が高い。そのこと自体、私は何ら否定するつもりはないのだが、少なくともこれだけは主張しておきたい。それは、日本のサッカー界の現状と将来を考えたとき、この地域決勝は実に示唆に富んでいる、ということだ。
確かに、ピッチ上で行われるプレーの質も、スタンドのサポーターの数も、Jと比べて見劣りするのは誰もが認めるところだ。だが、何事も「上から目線」だけでは物事の本質は見えてこない。「4部から3部へ」という真剣勝負に臨むクラブ、プレーヤー、そしてそれを支えるフロントやサポーターをつぶさに観察していると、Jリーグがかねてより掲げている「百年構想」の光と影が、おぼろげながら見えてくる。そう、この大会はJFLへの登竜門であると同時に、はるか先にはJリーグとも地続きになっているのである。
試みに、これまでこの地域決勝に出場し、見事、JFL昇格を果たしたクラブ名をいくつか挙げてみよう。2003年、ザスパ草津。1997年アルビレックス新潟。96年プリマハムFC(現水戸ホーリーホック)。95年、大分FC(現大分トリニータ)。94年、ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)。93年、NEC山形(現モンテディオ山形)――。 そう、現在のJクラブの多くが、この地域決勝を経てJリーグに到達しているのである。換言するなら、地域決勝は「新たなJクラブ(候補)が誕生する場所」でもあるのだ。地域リーグから、アマチュア最高峰の全国リーグであるJFLへの巣立ちの瞬間。そしてそのさらに向こう側には、まばゆいばかりに輝くJリーグという夢の舞台が見えてくる。そんなわけで、かつては純然たるアマチュアの大会だった地域決勝も、ここ数年は、J参入を目指す地域のクラブ同士がしのぎを削る大会へと完全にシフトしている。
■日本で最も過酷で難しい大会
本題に入る前に、この大会のフォーマットとルールについて、簡単に説明しておく必要があるだろう。というのも、この大会は普段サッカーをよく見ている人でも「?」と思うようなローカルルールが少なからず存在するからだ。
まず出場チーム数だが、年によって微妙に変わる。今大会は14チームで、その内訳は、北海道1、東北2、関東1、東海2、北信越1、関西1、中国2、四国1、九州2、そして全社枠1。なぜ東北、東海、中国、九州に2枠あるのかというと、前回大会でベスト4に進出したチームを輩出しているからだ。そして全社枠というのは、今年10月に大分で行われた全国社会人サッカー選手権大会の優勝チームのことで、今大会では関西リーグ所属のFC Mi−OびわこKusatsuが出場権を獲得している。
参加14チームは以下のようにグループ分けされ、1次ラウンドを戦う。
Aグループ(広島):グルージャ盛岡(東北)、ファジアーノ岡山FC(中国)、ホンダロックサッカー部(九州) Bグループ(広島):矢崎バレンテFC(東海)、ニューウェーブ北九州(九州)、NECトーキンサッカー部(東北) Cグループ(刈谷):FC町田ゼルビア(関東)、バンディオンセ神戸(関西)、静岡FC(東海)、ノルブリッツ北海道FC(北海道) Dグループ(松本):FCセントラル中国(中国)、FC Mi−OびわこKusatsu(全社枠/関西)、松本山雅FC(北信越)、徳島ヴォルティス・アマチュア(四国)
グループAとBは3チーム、CとDは4チーム。チーム数は異なるものの、いずれのグループも上位1チームしか決勝ラウンドに進出できない。つまり連日3試合戦うチームもあれば、2試合のみの中1日休みというチームもあって、決して公平であるとはいえない。ちなみに、この大会では引き分けの場合、延長戦なしのPK戦が行われ、勝者には勝ち点2、敗者には勝ち点1が与えられる。なぜリーグ戦なのにPK戦が行われるのかというと、おそらく3チームのグループの場合、勝ち点、得失点で複数チームが同率に並ぶ可能性があるためと思われる。
それならいっそのこと、すべて4チームの合計16チームにすればよいのに、と誰もが思うはずだ。私も最初はそう思った。ところが大会要綱によれば「JFL入りを希望する大学(04年の流通経済大学サッカー部がこれに該当)」そして「JFA優遇措置を承認されたチーム(03年のザスパがこれに該当)」も大会に参加できることになっており、この2枠分はどうしても空けておく必要がある。そのため、現行では14チームによる変則的なリーグ戦を続けざるを得ないのである。いずれにせよ、4チームのグループは日程的に厳しく、3チームのグループは実質的に1試合も落とせないため、どちらに組み込まれても難しい戦いを強いられることに変わりはない。この地域決勝が「日本で最も過酷で難しい大会」といわれる所以(ゆえん)である。
<続く>
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