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島崎英純
スポーツナビ

浦和がG大阪に突きつけられた変革の必要性 (1/2)
ACL準決勝第2戦 浦和レッズ 1−3 ガンバ大阪

2008年10月23日(木)

■試合前から憔悴していた指揮官

決勝進出を逃し、サポーターへあいさつに向かうエンゲルス監督(中央)ら浦和イレブン=埼玉スタジアム
決勝進出を逃し、サポーターへあいさつに向かうエンゲルス監督(中央)ら浦和イレブン=埼玉スタジアム【共同】

 ゲルト・エンゲルス監督に覇気が感じられなかった。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦、ガンバ大阪(以下、G大阪)戦前日の公式記者会見。いつもは流ちょうな日本語で雄弁に語る指揮官だが、埼玉スタジアム内のインタビュールームでは言葉数が少なかった。
「明日は大切な試合。アウエーゴール(第1戦は1−1)はあるが、今回の第2戦を0−0で終えるのは難しいから勝ちにいきたい」
 そう抱負を述べたが、表情は曇りがちだった。浦和レッズ(以下、浦和)の選手を代表して同席した田中マルクス闘莉王が「このサポーターがあってレッズ。レッズがあってサポーター。それがこのチームを形作ってきた。このプレッシャーを楽しみにしている」と気合いをあらわにしても、監督は下を向いたままだった。

 22日に行われたACL準決勝第2戦の4日前。浦和はJリーグ第29節・ヴィッセル神戸戦で完敗を喫して首位の鹿島アントラーズに勝ち点6差をつけられた。停滞する試合内容と結果にサポーターは落胆。試合後のブーイングだけでなく、翌日の練習場でも監督批判とおぼしき横断幕を掲げた彼らは、現況のチームへの不満を噴出させていた。
 しかし、チームをおとしめるのはサポーターの本意ではない。練習場で闘莉王とサポーターによる“青空会談”が急きょ実施され、「おれたちは最後の最後まで精いっぱいやる。約束する。今はチーム、サポーターがひとつになるとき」という闘莉王の言葉を受けた彼らは、3日後の埼玉スタジアムで大音量のコールとビジュアルサポートを浴びせて選手を迎えた。監督の憔悴(しょうすい)ぶりは懸念材料としても、この時点では、チームは確かに一丸となっていたのだ。

■アグレッシブでタフな戦いぶりで前半をリード

 5万3287人もの大観衆が詰め掛けた埼玉スタジアム。G大阪は第1戦同様にボックス型の中盤を擁した4−4−2を採用した。2トップにはロニーとルーカスの外国籍コンビを据え、左サイドには負傷の癒えた安田理大を起用。かたや浦和も常とうシステムである3−4−1−2で対峙したが、累積警告で都築龍太、相馬崇人、細貝萌の3人が出場停止を科せられており、人選を再考する必要に迫られていた。
 この日、エンゲルス監督が決断したスターティングメンバーは以下の通り。
 GK山岸範宏、DFはリベロ・闘莉王、ストッパーに坪井慶介と堀之内聖。ダブルボランチは山田暢久と阿部勇樹で、両翼に右・平川忠亮、左・堤俊輔。そしてトップ下はロブソン・ポンテで、2トップは高原直泰とエジミウソンが務めた。不調の鈴木啓太をベンチに待機させ、左にはDFが本職の堤を抜てきしたところにエンゲルス監督の意向がうかがえる。

 前半の浦和はアグレッシブでタフな戦いぶりを披露した。2トップが前線から激しくボールを追ってプレスを仕掛ける。中盤は適切なポジショニングでスペースを埋めて、攻撃に転じた際には素早く縦へ進出して攻撃に厚みを加えた。また3バックは相手2トップに激しくチャージしただけでなく、中盤との距離を開けずにバックラインを高く保ってチーム全体のバランス取りに気を配った。
 もともと、昨今の浦和はG大阪との相性が悪くはない。試合前日、堀之内はこんなことを言っていた。
「最近のウチは、サイドで攻撃を組み立てるチームと、攻守転換の速いチームに苦戦している。でもガンバは正直、その印象はないですよね。彼らは遅攻で、中盤でじっくりつないで攻略しようとする。そういう相手に対してはある程度構えてディフェンスできるから戦いやすい」

 31分に象徴的なシーンがあった。G大阪がバックラインでボールを保持するが、パスの出しどころがなく安易なフィードを繰り出してボールを失った。この時、浦和の選手はそれぞれが各ポジションの定位置についており、微動だにしていなかった。浦和は適切な隊形が保たれた上で相手ボールを奪う理想的な試合運びで主導権を握ったのだった。
 36分、CKを経てエジミウソンから高原とつなぎ、それを加地亮がいったんクリアするが、そのこぼれ球に反応した高原が右足を一閃して先制点を奪取する。その後も中盤でボールをつなげずに苦慮するガンバを尻目に、浦和は40分にカウンターからエジミウソンがシュート。42分には高原が振り向きざまに左足を振り抜いてボールをバーに直撃させるなど、次々に好機を生んだ。

 <続く>


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