ジェフ千葉・ミラー監督が求める1−0の理想 (1/2)
犬の生活・特別編 ミラー監督インタビュー
ナビスコカップが始まりましたが、リーグ戦はちょっと中断。そこで、アレックス・ミラー監督のインタビューです。記者会見もそうなんですが、一気呵成(かせい)に話すんですね。特に試合の状況などを話すときに速くなります。例えが正しいかどうかアレなんですが、ちょっと競馬の実況に似ています。話し方が“サッカーしてる”感じ。
短時間でしたが、監督の考え方はけっこうはっきり出ていたかなと。僕の感想や補足も入れながらお届けします。
■イタリア人のように?
――固いディフェンスからカウンターアタックのチームを作ろうとしているようですが
ディフェンスについてはまだ満足できません。ボールより自陣側に人数がそろっているときでも、うまく守れていない場合があります。
――それはポジショニングの問題ですか?
最初のポジションが正しいかどうかは重要です。スタートするポジションが間違っていると最後に破たんをきたすこともありますし、反対にスタートポジションが良ければ守り切ることができます。また、正しく守備ができていれば、いい形でボールを奪うことができるので攻撃面でもプラスになる。攻守の連鎖ができてくると、選手たちも自信を深めることができます。また、自信があれば相手にかかわりなく良いポジションをとれるようになります。
――まだ選手は自信を持てていないと?
いいえ、全員ではなく1、2人ですね。選手間でも話し合っているし、わたしも改善していくつもりです。最も大事なのは、失点をしないことです。ゼロで抑えることが成功につながります。1−0の試合を続けられるかどうかです。
――まるでイタリア人みたいですね
そう、イタリア人だって守らないといけない。チャレンジとカバーをしっかりやることですが、DFもあるときはフラットに、あるときはラインの背後にと、状況に応じたポジションをとるべきです。あの、素晴らしかったミランのフランコ・バレージのようにね。
――千葉の“バレージ”は誰ですか?
まだ(ゾーンディフェンスを採り入れてから)1年ぐらいしか経過していないので、連係もこれから良くなってくると思います。
ミラー監督は守備を重視しています。ただ、誤解されがちなのですが、守備を重視するのと守備的なサッカーはイコールではありませんし、深く引いて守ることともイコールではありません。まあ、結果的に同じように見えるかもしれませんが、まずは守備をしっかりやっていこうと。千葉はまだ無失点の試合がないのですが、監督の理想はゼロで抑えること。1−0が理想的というのは、まるでイタリア人みたいですが、英国人も質実剛健ですからね。
攻撃重視で、多少の失点は仕方がないという考え方もあります。しかしミラー監督はゼロを目指す。一般的に攻撃よりも守備の方が計算しやすいとも言われていますから、堅実に守備から入るのは定石なのかもしれません。ただ、監督自身まだ現在の守備力には満足していない。「バレージは誰か」という質問に名前は挙がりませんでしたが、インテリジェントな守備を構築したいと言っていました。
■正しいボールの動かし方
――トランジション(切り替え)とカウンターアタックについては?
まずボールポゼッションを改善しなければなりません。ボールの動かし方ですね。それとスピードのある攻撃、ゴールへつながる動きを学ばなければいけない。
――巻(誠一郎)選手は1人で突破していくタイプのFWではありませんから、速いサポートが必要ではありませんか?
巻はクロスやゴール前でボールをもらうときに力を発揮するタイプですね。守備のときに引きすぎてしまうと、サポートの距離が長くなってしまいますから、どこで守るかがまず重要です。先ほど話したように、起点となるポジションが大事です。
――しかし、柏レイソルとの「ちばぎんカップ」(千葉は1−3で敗戦)のときは、高めのフラットラインの背後を突かれてしまいました
あれはダイアゴナルラン(斜めの走り)にやられてしまった。11番(ポポ)がスピードと突破力があった。これもポジショニングの問題で、ゲームの中で考えて修正していくべきことでした。
――もう少しボールをキープする必要がありますよね。味方が押し上げる時間を作れる、2、3秒ぐらいでいいですが、キープできる選手がいるといいのでは?
攻撃のゾーンでボールをキープできていない、正しいパスを使えていないということですね。
――外国人枠が余っているのですが、この夏に補強したいと思いますか?
もちろん。シーズン前から補強はしたかった。もう1人アタッカーがほしいとは思っています。しかし、慌てて補強して3週間でダメだったということにはしたくなかったので。クラブには予算がありますから、正しく使わなければいけません。ただ借金が増えるような補強は良くないですからね。
カウンターアタックのときに、ちょっとサポートが遅かったり足りなかったり。そのあたりが気になっていたので聞いてみると、やはり守備のときに下がりすぎるのが問題だということでした。もっと全体的に高い位置で守備ができれば、ボールを奪う位置も、サポートする選手の位置も相手ゴールに近くになる。
同時に、ボールの動かし方を改善点として挙げていました。スピードのある攻撃、ゴールを直撃するような動きが必要だと。「ゴール前にボールを入れないと何も起こらない」と言っていたことがありますが、速くゴールへ向かう、ダイレクトプレー重視は英国人の監督に多いように思います。半面、あまりにも前へ前へ、速く速くではミスばかり多くなってしまいますから、スピードを上げるのか抑えるのかなど、的確な状況判断が大事ではないでしょうか。そのために攻撃の中心になれるアタッカーがほしいのかな? と思ったので補強について質問したのですが、さすがに具体的な名前は出てきませんでしたね。
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