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◆トピックス&コラム
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オシム「今度は私が『頑張れ』と言う番だ」 (1/3)
イビチャ・オシム氏アドバイザー就任会見
■向こう側の世界まで行って戻ってきた
何を言ったらいいのでしょうか。向こう側の世界まで行って戻ってきました。私の復帰に激励を寄せて頂いた皆さんにあらためて感謝申し上げます。私も努力してこの場に戻ってきました。それはプロとしてやらなければならないと思う努力をしてきたからです。新聞記者の皆さんもプロとして努力してもらいたいと思います。こんなにたくさんフラッシュをたかれると知っていれば、サングラスを持って来たのですが。こんなに多くの方が来るとは誰も言ってくれませんでした。もう少し顔の化粧でもしてくれば良かったですね。
それはともかく、人間誰でも人生の中で一つ、あるいはそれ以上何かこれだけはしたいという希望があるものです。それがあったからこそ私は向こう側から戻ってこられました。私がやり始めたことを完成できなかった。その思いが私を復帰へと後押ししたということです。
私だけでなく、生きている人間であれば、何かやり遂げたいという希望や目標があって当然です。私が代表監督の要請を引き受けたとき、日本をワールドカップ(W杯)に導くことが最低限の仕事であると思っていました。もちろん、それだけでは十分ではありませんが。
もっと大きな希望もありました。それについていつも夢を見ていました。しかし、その夢の中身は教えません。あまりにたくさんの夢を見過ぎましたので、この場で言うには時間が足りません。
そのうちの1つは、日本のサッカーは、自分たち自身の力でもっと良くなることができるということです。それをうまく生かすことができれば、世界チャンピオンになることも夢ではありません。それは大き過ぎる夢かもしれませんが、夢を見るのはいいことです。少々時間がかかるかもしれませんが、その夢が本当のものになればいいと思っています。
■今度は私が皆さんに「頑張れ」という番
先に言わなければならないことを忘れていました。田嶋さんに対しても、日本サッカー協会の皆さんに対しても、私をアドバイザーとして要請して下さったことにまず感謝を申し上げます。日本語はあまりできないですが、覚えた日本語の1つに「頑張れ」という言葉があります。「戦え」という意味ですね。今度は、私が皆さんに「頑張れ」と申し上げる番です。頑張らなければ前進はしません。
その際に忘れてならないのは、サッカーはただ戦えばいいというものではありません。ある種の技術、知識を身に付けなければなりません。美しいサッカーをしたければ特にそうです。世界中にたくさんの紛争や戦争があります。だから、サッカーだけは戦えば済むというものにしたくないのです。
ただし、アドバイザーを引き受けましたけど、ここにこんなに新聞記者やカメラマンの方がたくさん来ているのを見ると、私には少し荷が重いかなという気持ちもしてきました。というのは、皆さん全員にアドバイスを送るには、私一人では足りないと思うからです。ジャーナリストの皆さん一人一人が日本サッカー界にとってのアドバイザーです。でも、その数が少し多過ぎるかもしれませんが……。
いずれにしろ、私は自分ができる限りのことをしたいと思っています。約束できるのは、私ができる範囲でということです。もうすぐユーロ(欧州選手権)があるため(自宅があるオーストリアに)帰りますけど、できるだけ多くの試合を見て、そこで起こっているサッカーの新しい発見を見逃さないようにしたいと思います。
ジャーナリストの皆さんの中からも、私が闘病中に激励を頂きました。あらためて御礼申し上げます。
私は日本サッカーの日本化を掲げて仕事を始めたわけですが、今その望みは後任の方に引き継いでもらうことになりました。これからは日本のチョコレートの日本化にでも取り組もうかと思っています(笑)。というのは、ユーロの開催国の1つがチョコレートで有名なスイスだからです。だから、お土産はチョコレートにしようかと思います。ちょっとしゃべりすぎましたね。皆さんありがとうございました。


