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◆監督会見

オーストラリア戦後 オシム監督会見
AFCアジアカップ 2007

2007年07月21日



■心臓に悪いのでPK戦を見なかった


日本―オーストラリア 前半、競り合う中沢(左)とオーストラリアのビドゥカ=ハノイ 日本―オーストラリア 前半、競り合う中沢(左)とオーストラリアのビドゥカ=ハノイ【 共同 】
――PK戦を見ていなかったのか。心臓は大丈夫か?

 病気でなくても、心臓に悪いので見なかった。私はここでは死にたくない。故郷のサラエボで死にたいので、発作を起こしたくない。だから見なかった。それに、私が(PK戦を)見ていると勝てないというジンクスがある。

――オーストラリアの選手が1人退場し、日本にアドバンテージがあったのに、なぜ120分でも勝てなかったのか?

 なぜなら、私たちのサッカーが完成の域に達していないからだ。ハンドボールや水球では、退場者がいる間に点が入るが、サッカーはそうでない。サッカーは足でやるスポーツなので、よりボール扱いが難しい。それほど正確なパスを出せるなら、もっと楽に勝てるのだが。またサッカーはビリヤードとも違って、狭いスペースにボールがうまく転がるわけでもない。それよりも、われわれの内容がよかったことを、もっと見てほしい。いつも心掛けているサイド攻撃は機能していた。オーストラリアに優秀なGKと優秀な4〜5人のDFがいたことは、われわれの責任ではない。それに疲れもある。

 1人退場で少なくなるのも、サッカーにはつきものの事件であるから、われわれの側に責任があったわけではない。それに少ない方のチームが、モチベーションを強めて、しっかりしたプレーをすることもある。むしろそれが普通だ。人数が1人少ない方が勝つことだって、世界中のサッカーではよくあることだ。アンリ(※フランス代表FW、バルセロナ所属)という選手がもし日本にいたとすれば、10人になったとしてもカウンターによって勝つ可能性がある。それにオーストラリアにはキューウェルが途中から入ってきたし、1対1で勝負する選手もいた。個人的には、日本がこの試合でしたこと以上に何ができたか、ということを教えてほしい。退場者が出る前も、出た後も、日本の方がいいプレーをしていたことは事実だと思う。ひょっとすると、別の見方ができるのかもしれないが。

――守備が非常によかったが、中澤と阿部が非常によい仕事をしたのでは?

 専門のジャーナリストがそうおっしゃるのなら、信用するしかない。ありがとう。

――次のゲームはさらに難しくなるのではないか

 その通りだ。


■「日本化」するところまでは、まだできていない


――PK戦の模様を控え室で見ていたようだが、ベンチを引き上げる前にどのようなことを考えたか? そして勝利が決まった後は?

 ロッカールームでは見ていない。情報も入ってこなかった。特に感想はない。私が見たくないというのに、生中継を見ていたというのはおかしな話ではないか。
(勝利を知った後は)喜んでジャンプして天井に頭をぶつけそうになったが、このとおり元気で生きている。

――オーストラリアは後半の最後は疲れていたし、日本の選手も疲れがあった。もう少し早く選手交代してチャンスを増やすことは考えなかったか

 PKの前に(勝負が)決まればよかったが、そうしたくても相手がそうさせてくれなかった。それが答えでよいだろうか。

――フィジカルで上回る相手に勝利したことで、就任以来のテーマである「日本化」の手ごたえは感じたか?

 勝ちはしたが「日本化」するというところまでは、まだできていない。怒らないでほしいのだが、よく日本人のジャーナリストからそういう質問を受けるが、意図が分かりかねることがある。オシムが監督で勝った方がいいのか、それともオシムのせいで負けた方がいいのか。つまり、日本を応援する立場で記事を書いているかどうか、はっきりしてほしい。結論を急がないでほしい。まだ時間はある。私としては、結論をできるだけ先に引き延ばそうと思っている。つまり、皆さん(ジャーナリスト)と反対のことをしようとしているのだ。

――いつも「満足してはいけない」と言っているが?

 私が「満足してはいけない」と言っているのは、それ以上進歩しないことになってしまうから、監督として満足してはいけないと申し上げた。しかし、本心とは別に、ここで「満足した」と申し上げようか? この会見を終わらせるためにはそうした方がいいかな(笑)。あるいは、私が(「満足した」と)言ったと記事を書いても構わない。

<了>



【関連リンク】
オーストラリア戦後 選手コメント 07/07/21