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◆監督会見
日本代表予備登録メンバー発表 オシム監督会見(1/2)
AFCアジアカップ 2007
2007年06月18日
アジアカップの予備登録メンバー発表会見に臨んだオシム監督【 スポーツナビ 】
登壇者
田嶋幸三(財団法人日本サッカー協会 専務理事)
イビチャ・オシム(日本代表チーム 監督)
田嶋
いよいよベトナム、インドネシア、マレーシア、タイで行われるアジアカップが始まります。それに向けたメンバーの発表を今日はさせていただきますが、まずはみなさんに報告があります。当初23名を登録して、補欠リスト7名というルールでしたが、先週の金曜日、6月15日にAFC(アジアサッカー連盟)の方からトータル30名を出してほしいと言ってきました。ですから今日は30名を発表することになります。
GK:
川口能活(磐田)、楢崎正剛(名古屋)、西部洋平(清水)、川島永嗣(川崎)
DF:
中澤佑二(横浜FM)、坪井慶介(浦和)、加地亮(G大阪)、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野友一(広島)、水本裕貴(千葉)
MF:
中村俊輔(セルティック/スコットランド)、橋本英郎(G大阪)、羽生直剛(千葉)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、鈴木啓太(浦和)、阿部勇樹(浦和)、今野泰幸(FC東京)、山岸智(千葉)、太田吉彰(磐田)、伊野波雅彦(FC東京)、水野晃樹(千葉)、本田圭佑(名古屋)、家長昭博(G大阪)
FW:
高原直泰(フランクフルト/ドイツ)、播戸竜二(G大阪)、巻誠一郎(千葉)、前田遼一(磐田)、佐藤寿人(広島)、矢野貴章(新潟)
■メンバーを決めるのが一番難しいこと
――最終的に23人に絞るわけだが、どの時点で選考を行うのか
オシム
新しいAFCのルールでは、7月5日まで期間があるということ。しかし、ハノイ(ベトナム)に何人かを連れていって、そこで帰すことはしない。それよりも前に(選考を)行う。選考は、今行われているJリーグの試合などにもよる。まだ出発前に3試合、Jリーグの試合がある。つまり、そこで負傷する選手が出る可能性もある。それ以外の理由でも当然、30人の中で外れたり、追加されたりするかもしれない。つまり、30人プラスアルファの関係者がいるのが現状だ。
(直前の合宿で選手を絞るのか?)30人のうち誰かが必ず行く、行かないと、2つに分かれているのはよくない。その30人のリストの全員が100パーセント、Jリーグの試合で力を出してほしいと思っている。
――今回の30名を選ぶに当たって、最も悩んだ、難しかった点は?
オシム
一番悩んだのは、まだ時間があるということ。つまり、まだ23人に絞ることができないということがある。時間の猶予を与えられたことがいいのかどうか。サッカーというのはプレーだけのクオリティーだけで決まるものではない。私のように長くサッカーにかかわっていると、プロの選手というのはどういう考え方かと理解することができる。プレーのクオリティー以外の、人間的な要素が関係してくることが分かってくる。そこで一番悩む問題は、どんな名簿を作成しても必ずそこには満足しない、不満を持つ選手、クラブがあるということ。そういうことは付きものだから、この場で謝るつもりはない。名簿に入った、入らないという違いはニュアンスの壁があるから分からない。落ちた選手が気持ちが良くないというのは分かる。名簿に入っているか、入っていないかは大きな違いだ。しかし、それを決めなければいけないのが、私の仕事なのだ。落ちた選手には、「この大会が人生の最後ではない」と言いたい。サッカーのキャリアはまだ続く。来年にはワールドカップ(W杯)の予選が始まる。それまでにアピールするチャンスはある。そうすれば、私の方が間違っていることを証明するかもしれない。いずれにせよ、メンバーを決めるのが一番難しいことだ。
――ポリバレントな(多様性のある)選手がディフェンスをやるとしても、中盤の選手が非常に多い気がするが、その理由は?
オシム
この名簿を見てバランスが取れていると感じていただければうれしいのだが、この中で、スペシャリストとしての選手、そしていくつかのポジションができるポリバレントな選手が混じっている。もちろん、誰がどういうポジションになるか、誰を選ぶかはディスカッションのテーマになる。しかし、ここで全員に納得してもらうにはホワイトボードで説明したり、ビデオでどんなプレーができるか見せなければいけないが、それには時間がない。言えるのは、日本だけで決まったことではない。対戦相手がどんなチームか、どんな場所、グラウンドでプレーするのかを考慮に入れた上でのことだ。
■結果を重視するが、それを保証はできない
――アジア杯での具体的な目標設定は? アジアカップを通じて、W杯予選、W杯本大会に向けてトライしてみたいことがあるか
オシム
今、あなたがお聞きになったようなことを私も考えている。私にも思想の自由がある。現実問題としては、その2つをどうするか。いずれにせよ、ここにいる皆さんの99.99%が、日本がタイトルを取らなければいけないと感じているかもしれない。しかし、そうであったとしても、なぜ日本が勝つべきなのか、どういう理由があるのか。私の方でも用意がある。つまり、日本がタイトルを取れないであろう1000の理由をここで挙げることもできる。説得力のある客観的な理由を。しかし、ここにいる皆さんは分かっているはずだが、ネガティブな材料はあまり記事にはお書きにならない。ここで客観的な目標設定を挙げても、皆さんに納得してもらうことはできない。監督としての私の考えと、ジャーナリストとしての皆さんの考えは必ずしも一致しないということだ。ただし、力のバランスでは皆さん方の方が優勢だ。私がここでドンキホーテのように言っても仕方ない。しかし、風車を相手に必ず勝つという約束もできない。客観的な条件とはどういうものなのか。ここで客観的な条件を皆さんにこちらから質問しても構わない。つまりどんな条件で戦うか、有利な点、不利な点、何があるか。答えはこんなところでいいですか。それとも皆さんが知っているアジア杯を勝つ条件を説明してくれる人がいますか。
――監督就任直後の会見で、無責任に(W杯での日本代表を)盛り上げていたメディアを批判していたが、今回のアジアカップについては、内容と結果、どちらを重視しているのか?
オシム
W杯直後の発言については、今でもそう思っている。日本は身の丈にあった戦いをするべきであって、メディアが作り上げた雰囲気は、対戦国のモチベーションを上げる結果になってしまった。一つの例だが、日本はアジアカップで対戦する(グループリーグ)3カ国(カタール、UAE、ベトナム)の中で、現在もリーグ戦を戦っている唯一の国だ。つまり直前までだ。十分な準備ができない。それが大きなハンディキャップだとは思わないだろうか。あるいは、ほかの対戦国に失礼だとは思わないか。皆さん、いかがだろうか? 内容か結果かで言えば、私は結果を重視する。ただし、それがどんな結果か、ここで保証することはできない。個人的には、もちろん日本サッカー協会にとっても、結果より内容の方が重要で、しかも将来、長く戦えるかどうかを重視しているのだろうと思う。もちろん両方が伴われているのがよりいいのだろう。サッカー協会として、今のアジアカップに何を期待しているのか。残念ながら、そういうことを理解しているジャーナリストが多いとは言えないのが現状ではないだろうか。
<続く>
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