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◆トピックス&コラム
真のエリート教育を目指して 日本のスポーツと教育に一石を投じる「JFAアカデミー」
2005年11月27日
(文=
NPO法人:ジュースJWS
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■究極の目標は、将来の日本を担う人材を育てること
「JFAアカデミー福島」の概要を発表する日本サッカー協会の田嶋幸三技術委員長【 スポーツナビ 】
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2006年度から日本のサッカー界で新たな試みが始まる。その名も「JFAアカデミー」。サッカーを介したエリート教育機関だ。トップレベルのジュニアを一同に介して、一貫教育を施し、将来の日本代表を育てて行こうというプロジェクトである。 このプロジェクトは、男子と女子がともに対象となる。ここに、日本サッカー協会が行うプロジェクトの格別な意味があるといえる。ヨーロッパのビッグクラブでは、クラブと学校が協力して、何年も前からこのような形の制度を取り入れているが、それは男子に限った話。サッカーの女子選手が、このような形のエリート教育を受けられる国は、中国などの一部を除いて例がない。
JFAアカデミーは、福島県にあるナショナルトレーニングセンター、Jヴィレッジを本拠地とする。ここに、毎年男女各15名程度を選抜。そして、全員が寮生活を行い、近隣の中学と高校の協力を得て6年間の一貫教育を行うという制度だ。日本サッカー協会が福島県の教育委員会とタイアップし、数年間かけて練り上げてきたプランなのである。 8月末には第一次選考が行われ、11月に最終の三次選考が終了した。先日、最終結果が発表され、男子は455名応募で17名、女子は202名から23名が選ばれた。男子は新中学1年生、女子は新中学1年生から高校1年生までが対象となっている。
サッカー協会の目的は、この中から、将来の日本代表を育てていくことだが、それがすべてではない。川淵キャプテンの言葉を借りれば、究極の目標は「長期的な視野に立った育成を行うことで、良い環境と良い指導を与える機会を作り、サッカーにおけるリーダーのみならず、将来の日本を担う人材を育てていく」ということ。従って、選考ではサッカーのレベルだけではなく、学力や人間性も重要な要素となった。
■長期的な展望と方針で指導する中高一貫カリキュラム
JFAの資料を基に、簡単な内容を紹介してみよう。選手たちは、Jヴィレッジ内の専用寮に寄宿し、近隣の公立中学校・高校に通学している。寮は2〜4人部屋。共同生活も教育の一環となっている。
中学は義務教育なので、学校の授業が終わってからトレーニングするのが基本だが、高校ではトレーニングのしやすいカリキュラム構成となる。福島県の協力により、将来は国際人として、またリーダーとなる人材を育てる特別のカリキュラムも盛り込まれており、真の意味での「エリート」を育成しようという意気込みが感じられる。 アカデミーは基本的に中高一貫。選手育成の壁となっていた「受験」を挟むことなく、長期的な展望と方針の下で指導を受けることができる。日本サッカー協会の公認ライセンスを持った専任のプロコーチが毎日のトレーニングを行うほか、代表監督から指導を受ける機会もあるという。つまり、ジーコから直接指導を受けるチャンスもあり得るということ。うらやましい限りだ。
気になる費用だが、選手の負担は入学金として20万円と、寮費としての月々8万円と学校の授業料だけとなる。サッカーにかかわる費用、トレーニング用品や合宿費などはすべて、日本サッカー協会が負担する。
■頂点を目指して頑張ることは何事にも代え難い経験
さて、ここから何人の代表が誕生するのか注目されるところだが、先にも述べたように、このアカデミーの目的は代表選手を育てることだけではない。日本サッカー協会も、ここに入ったからといって皆が皆、プロ選手になれるとは限らないとくぎを刺している。 JFAアカデミーのモデルとなった、フランスのナショナルアカデミーでも、プロになるのは、4人に1人程度。だからこそ、JFAアカデミーではどのような分野でも活躍できるような人材を育成していきたいとうたっているのだ。
一方で、今の学校では順位をつける徒競走を運動会で行わないというところもあり、「エリート教育」と言うと目をむく人も少なくない。だが、人の能力は十人十色。ゆとり教育と言いながらボトムラインに合わせる教育は、必ずしも平等ではない。人はそれぞれの能力に合った教育を受ける権利があるはず。10の能力がある子供に、5の教育を与えることが真の平等といえるだろうか。JFAアカデミーは、「エリート教育」という意味で、日本のスポーツ界および教育界に一石を投じるプロジェクトになりそうだ。
一競技団体が行うエリート教育機関としては、日本初となったこの試み。受験をした選手にとっても、とてもいい刺激になったと聞く。トップになるということは、すごいこと。そして、頂点を目指して一生懸命頑張ることが、子供たちにとって何事にも代え難い経験になる。そういう機会を作ったこのJFAアカデミーの今後が楽しみだ。
<了>
NPO法人:ジュースJWS(Japanese Association for Women in Sport) スポーツという手段や分野によって、男女共同参画社会を築き上げることを目的として設立された。登山に例えるならば、「男女共同参画社会」というとてつもなく高い山の頂上に登るために「スポーツ」というコースを選ぶ、といったところ。この場合のスポーツは競技スポーツ、生涯スポーツ、学校体育、高齢者スポーツ、障害者スポーツなど広範囲に及ぶ。また、スポーツにおける女性の参加を促すと同時に、女性がリーダー的立場に就く機会を増やすことを目指し、さらにスポーツ界における女性の地位を向上させることによって、女性全体の資質と社会的地位を向上させることもターゲットに入れている。国内および国際的な組織と連携し、日本や世界のあらゆる場、あらゆる機会、あらゆる人たちに啓発や支援活動を行なっている。 ■NPO法人:ジュースJWS http://www.jws.or.jp/jpn/ ■2006世界女性スポーツ会議くまもと http://www.sekaijosei.jp/home01.html
【関連リンク】
・スポーツ界にムーブメントを起こそう 05/10/17 ・新旧交代の波と復活への鍵 05/10/17
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