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◆トピックス&コラム

ジーコを包む「受け身のオーラ」(1/2)
キリンチャレンジカップ2002 日本−ジャマイカ戦
(文=梶原弘樹)  

記者会見を行うジーコ監督【スポーツナビ】


■ジーコ会見に蔓延する“生温かい空気”


 ワールドカップ以後、約4カ月ぶりの代表のホームゲーム。それも「神様」を監督に迎えての船出の試合。その記念すべき試合が1対1の引き分けに終わった。それも、早々に1点を先取し、以後も前半は何度も決定機があった、いわば楽勝ムードの試合だった。それが後半に追いつかれてのドロー。本当なら試合後の監督会見はある種の緊張感があってしかるべきだが、それがほとんどなかった。これまで、ことあるごとに「サッカーは常に勝たなくてはならない」と言い続けていたジーコ監督だったが、今回は後味の悪い引き分けに終わった。なのに、会見場にはある種の生温かい空気がまん延していて、何かこそばゆい感じがした。

 この違和感は何だろう?
 会見の最中、私はふと、4年前のトルシエ就任直後の何試合かの会見場の雰囲気を思い出していた。試合内容に入る以前の問題、すなわち「質問したことに的確に答えない」「会見を一方的に打ち切ってしまう」「会見自体を勝手にすっぽかす」といったことで、協会と記者たちがフラストレーションをぶつけ合っていた頃のことだ。トルシエは今思えば、最初から自分のスタイルに相手(この場合はジャーナリスト)を巻き込むやり口だった。チーム作りも、フラット3を掲げてそれに半ば強引に選手を当て込んでいった。まずあるのは自分のスタイルで、初めからガツンとかましてくるわけだ。かまされた記者の方も、「なめられてはいけない」と批判精神も旺盛になってくる。これ自体は、悪いことではなかった。

 ジーコ新監督の会見場での「生温かい空気」とは、別にトルシエのような挑戦的なものと対極的に存在しているものではない。しかし、1週間も前に先発メンバーを発表してみたり、練習は全部公開したりと、記者の側のニーズをことごとく受け入れているように見える。それが、これまでにないある種の「安心感」を生んでいることだけは確かなようだ。これが、批判精神という角をほんの少し隠させてしまっているのかもしれない。

<続く>

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