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◆トピックス&コラム
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原点回帰でつかんだ勝利はターニングポイントに (1/2)
U−23マレーシア 0−4 U−23日本
■「ボールを大切にする」チームコンセプトの復活と統一
前節シリア戦での敗戦を受け、勝ち点3のみならず大量得点が求められる敵地マレーシア戦でU−23日本代表は4点を奪うゴールラッシュで大勝。日本の試合後に行われたバーレーン対シリアは、2−1でバーレーンが勝利したため、3月14日の最終節バーレーン戦(ホーム)では引き分け以上の結果を得れば、日本の1位での予選突破が決まる状況となった。
試合前から首位陥落の危機感以上に選手から感じ取れたのは、「自分たちのサッカーをする」という原点回帰への強い気持ちだった。「大量得点が必要とは言われますけど、そこは一旦忘れて、しっかり自分たちのサッカーをして、その結果として大量得点が奪えたら」という原口元気のコメントに集約されるように、前節シリア戦でのショッキングな敗戦(1−2)を引きずることなく、選手たちは吹っ切れた様子を見せていた。
試合後、東慶悟がこういう話をしていた。
「シリア戦でふがいない試合をしたというのは分かっているし、すごく悔しい思いをしていたので、この試合と次のバーレーン戦に向けて取り返そうと声を掛けていた。自分たちのサッカーをやろうということはみんなが言っていた。ピッチ関係なく、監督関係なく、自分たちのサッカーをするんだということをみんなで話していた」
得点を求められる試合ということで、戦前から2トップ、3トップという攻撃的布陣へのシステム変更や永井謙佑の右サイド起用などさまざまな憶測が飛び交っていた中、関塚隆監督がチョイスしたのはベースとなる「1−4−2−3−1」のシステム。ボランチに扇原貴宏、右サイドハーフに齋藤学を起用するなど選手の入れ替えもあったが、正直それもさほど重要ではない。最も大きかったのは「ボールを大切にする」というチームコンセプトの復活と統一だ。前節シリア戦でリスクを怖れて後方からロングボールを蹴り込み、マイボールを捨てるのみならず、主導権、そして自らのサッカーまでも捨てていた関塚ジャパンだが、この日は序盤からつなぐ姿勢を貫いた。
■扇原がボールをよく引き出し、リズムを作った
序盤から濱田水輝がボランチの足元にパスをつけようとして数回パスミスを犯してはいたが、山口螢と扇原のボランチ2人がタイミングよく顔を出して最終ラインからボールを引き出し、前線に縦パスを入れながらゲームを組み立てていった。もちろん、単に日本がつなごうとしたからつなげたわけではなく、マレーシアの戦い方も多分に影響していた。予選敗退が決まり、マレーシアは「失うものは何もない」という捨て身の姿勢で2トップの布陣を組んで高い位置からプレッシャーをかけようと前掛かりに出てきた。しかしながら、チームとしてのコンパクトさ、プレスの連動性がなく、キックオフから日本のダブルボランチがほぼノープレッシャーでプレーできていた。
とはいえ、鈴木大輔が「タカ(扇原)がうまく間に入ってきてくれた」と語った通り、特に扇原が最終ラインからのボールをよく引き出し、リズムを作った点は評価すべきポイントだろう。決して「いい」とは言えないピッチコンディションの中で、あれだけボールを引き出し、正確にボールをコントロールして前を向いて縦パスを配給していくタスクは、簡単そうに見えて実は簡単ではない。本人は「ミスもあった」「ゲームがうまく作れなかった」と課題を口にしたが、評価としてはむしろ「ミスが少なく、ゲームをうまく作っていた」というものではないか。
中盤でボールが収まり、主導権を握ることができていたため、展開は終始日本ペース。試合終盤にホームで高温多湿の気候に慣れているはずのマレーシアの選手が足をつる場面が目立ったが、それだけ序盤から日本のパス回しにより彼らが受動的に動かされていたということ。マレーシアが2トップめがけてロングボールを蹴り込み、一発のカウンターから、そして後方でのパスミスからピンチを招いたものの、「焦らずにやれた」(扇原)というのが日本の選手の中にあった共通意識だろう。
その流れの中で35分の先制点があり、前半の2得点、それから90分を通しての4得点での快勝があるわけだが、日本がリズム、ペースを生み出していたのはボールを持つ、パスをつなぐことによるゲームコントロールだ。パス回しやポゼッションの精度については議論の余地があるだろう。組織的完成度が低い相手にうまくボールを回してゲームをコントロールし、決定機を作った上で得点を重ねて勝利を収めたところで手放しでは喜べない、という見方や評価が出るのは致し方あるまい。
しかし、前節シリア戦での結果と内容から継続性を持ってこのチームを見た時に、「自分たちのサッカーをやる」という原点回帰に向けたチーム内での意思統一とそれを持ってきっちり結果を出したことの2点は確実な成長であり、短期間でこれだけの変化を見せることはたやすいことではない。
・原口「いい雰囲気で試合を進められた」=談話 (2012/2/23)
・関塚監督「シュートへの意識が得点につながった」=会見 (2012/2/23)
・U-23マレーシアvs.U-23日本=試合詳細 (2012/2/22)
・ロンドン五輪アジア最終予選・順位表 (2012/2/23)
・スポーツナビ・サッカーFacebookページ (2012/2/23)




