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◆トピックス&コラム
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U−23日本代表が世界を驚かせるために今すべきこと (1/2)
山本昌邦氏が大一番シリア戦を前に徹底分析
ロンドン五輪に向けて戦いを続ける関塚隆監督率いるU−23日本代表。個性溢れるタレント陣に期待が高まるなか、かつて2004年アテネ五輪で代表監督を務めた経験を持つ山本昌邦氏が、その険しき道のりについて語った。数々の修羅場をくぐり抜けた経験から、独特の切り口で解説者として存在感を発揮し続けている山本氏が見る現在のU−23日本代表の魅力、そして課題とは!?
■関塚監督の功績「最終ラインのスケールアップ」
関塚監督は日本人の長所を生かしたサッカーを追求しており、よくチームをまとめ上げています。この年代には優れたタレントがたくさんいますが、下のカテゴリーで戦っていた時に結果を出せていません。選手のポテンシャルは全体的に高かったのですが、U−20ワールドカップに2大会連続出場できなかったこともあり、世界で戦う経験値が豊富ではありません。そのなかで、関塚監督は選手たちの意識をうまく刺激していると思います。
最終ラインがスケールアップしているのも関塚監督の功績だと言っていいでしょう。この年代がU−17代表やU−20代表で戦っていた時は、技術はあるものの身長があまり高くないセンターバックが使われていました。彼らは確かにボールを扱うのが上手でしたが、結果として韓国のパワープレーに屈し、世界に行く前の段階でやられてしまいました。
例えば試合時間残り15分、日本がリードしている段階で相手が何を考えてくるかというと、パワープレーが想定されます。そして決勝トーナメントに上がってくるようなチームと言えば、韓国、中国、オーストラリア、それからイラン、サウジアラビアといった中東勢が考えられますが、彼らは強さと高さを持っています。そういった相手に、ボール扱いには長けているが身長が足りないという選手が当たってもなかなか勝てませんし、そういう状況で1点を取られると試合を落とすことになるわけです。
さらに厳しい見方をすると、下のカテゴリーでレギュラーとして戦っていたそういうタイプのセンターバックが今、Jリーグや代表でしっかり活躍しているのかと言えば、残念ながらそうではありません。当時は大きい選手がいないという嘆きも聞こえてきましたが、関塚ジャパンを見ればちゃんといたということが分かります。関塚監督はそういう素材をしっかりと発掘して、成長させてきたから今があるわけです。体格のいい選手をそろえて強化してきた関塚監督の選択は大正解だったと思います。
■予選突破はまだ決まっていない
五輪予選ではこれまで3戦全勝で首位に立っていることもあり、どこか漠然と楽勝ムードのようなものが漂っているように感じます。しかし、わたしはまだ(予選通過の可能性は)50パーセントの段階だと思っています。昨年11月にシリアとの直接対決がありましたが、あの時はホームという地の利があり、シーズン中で体調もいいという条件のなかで2−1の辛勝でした。それも1−1に追いつかれてから終盤になんとか大津祐樹(メンヘングラッドバッハ)が決めて勝ったという接戦でした。
今度のシリア戦はアウエーになりますし、試合はシーズンオフの2月5日に行われます。日本は3次予選クウェート戦のアウエーで負けていますし、最終予選行きがギリギリだったこと(※2戦合計スコア4−3で日本が突破)を考えると、次のシリア戦で勝てる保証はまったくありませんし、予選突破の残り50パーセントはシリアが握っていると思います。ここで勝てば予選突破は決定的ですが、負けたら逆に黄信号が灯りますし、それだけ重要な一戦になります。
シリア戦に向けた調整は本当に大変だと思います。選手の多くは12月第一週でシーズンが終わっていて、1月15日まではルール上の問題で集まれなかったから、基本的に1カ月半も休んだことになります。そこから約3週間で戦える状態まで戻さなければいけないのですが、普通はすべてが戻るまでに5週間はかかると言われています。だからJリーグのクラブは3月の開幕に合わせ、1月末からキャンプインしているわけですが、それを約3週間の急ピッチで進めないといけない。コンディション、グループ戦術、ゲーム勘といったものの調整をその短期間でどうやるのかというのは非常に大きなポイントになると思います。
代表活動はスケジューリングとの戦いでもあります。例えば、わたしがアテネ五輪の代表監督を務めていた時、予選は短期集中のダブルセントラルという形式でやりましたが、あれは事前の相当な根回しがあって自分たちで勝ち取ったものです。実際、ほかのグループは普通のホーム&アウエーの形でした。代表の強化、Jリーグの都合を両立させるためにサッカー協会に掛け合い、落としどころをダブルセントラルに持っていく算段をつけ、アジアサッカー連盟の会議でもうまく立ち回った結果、ああいう形になりました。
3月という時期に試合を設定したのも1月に合宿を行うことを想定した上での決断でしたし、合宿の日程も選手を代表に招集する時期と、選手がクラブに戻ってリーグ戦の準備をする時期を徹底的に突き詰めて決めました。それこそ「この1日を譲る、譲らない」くらいのこだわりで調整していました。短期集中にしたことで空いた日に親善試合を組んで強化を進めることができましたし、わたしの時はこの時期にすでにオーバーエイジを練習に呼んですり合わせも行っていました。今回もやり方次第でそういったことはできたと思います。
・携帯/iPhoneでJリーグ全試合のダイジェスト動画配信 (2012/1/27)
・スポーツナビ・サッカーFacebookページ (2012/1/27)




