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◆トピックス&コラム
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寂しき凱旋試合 (1/2)
W杯アジア最終予選 日本代表 1−1 カタール代表
■カタール戦に向けて主力不在の日本
6月8日にウズベキスタンから帰国。息つく間もなく翌日は、10日に行われるワールドカップ(W杯)アジア最終予選、対カタール戦の前日練習取材で横浜へと向かう。2日前に成田で別れたばかりの同業者と顔を合わせると、決まって話題になるのは「体調、どう?」と「やっぱり眠いよね」であった。実はタシケントでの取材中、多くの取材者が原因不明の腹痛や発熱に見舞われている。そして帰国してみると、今度は4時間という中途半端な時差による睡魔が待っていた。ウズベキスタンが、決して過ごしにくい国だとは思わないが、それでも移動と環境の変化によるダメージは少なくなかった。記者席で見ている(だけの)われわれメディア関係者でさえ、このありさまである。ピッチ上で死闘を演じた選手たちのストレスたるや、いかばかりのものであっただろうか。
前日練習では、ウズベキスタン戦でレッドカードを受けた長谷部誠と、右足首を痛めた長友佑都が別メニュー。そして遠藤保仁の姿が見えなかった。遠藤については、その後の会見で、右太ももが軽度の肉離れをしていたことが判明。岡田武史監督も「このシリーズではもう使わないつもり」と明言している。長友は最終予選4試合、そして長谷部と遠藤は同6試合すべてにおいて「不動のボランチ」として君臨してきた。この3選手が一気に抜けるとなると、カタール戦の顔ぶれは大きく変わることは必至である。すでに予選突破を決めている日本だが、今後は負傷や疲労を抱える選手のケアを考慮しながら、残り2試合を気を緩めることなくフィニッシュすることが求められる。ある意味、非常に難しいミッションであると言えよう。
結局、今回のカタール戦に臨むスターティングイレブンは、以下の顔ぶれとなった。
GK楢崎正剛。DFは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、今野泰幸。守備的MFに橋本英郎と阿部勇樹。右に中村俊輔、左に岡崎慎司、トップ下に中村憲剛。そして、ワントップには玉田圭司。注目すべきは、初の試みとなる橋本と阿部のコンビだろう。「このチームのへそ」(岡田監督)であった、遠藤と長谷部のコンビとは違った持ち味を出すことができるだろうか。また、左サイドバックの今野とワントップの玉田は、いずれも3試合ぶりのスタメンだけに、このチャンスを生かしたいところだ。なお、この布陣を決めた岡田監督は、先のウズベキスタン戦で退席処分を受けているため、現場での指揮を大木武コーチに委ねて、自身はスタンドからゲームを見守ることとなった。
■またしても、予想外の苦戦
先制点は、2分。日本はカウンターから中村俊を経由し、オーバーラップする内田にボールが渡る。内田は中に走り込んできた岡崎目がけてクロスを供給するも、これが相手DFのももに当たって、そのままゴールイン。何とも意外な形で、日本が開始早々に先制する。先のウズベキスタン戦と、まるで同じ展開。そして、先制してから苦戦を強いられるのも、これまた4日前の戦いをトレースするかのようであった。
この日のカタールは、むやみに蹴り込むことなく、しっかりつなぐサッカーに徹していた。対する日本は、もっとボールポゼッションが高まってよいはずなのに、なかなか前線でのパス交換が決まらない。ウズベキスタン戦とは形こそ違えど、今回も必死の相手に苦戦を強いられる時間帯が続く。ボランチ2人が代わったためか、どうにも中盤でボールが落ち着かない。むしろカタールの方が、時おり際どいパスで日本のスペースを突き、何度かひやりとさせられる。41分には、阿部のミスから突破を許し、4対2の数的優位を作られるが、これは相手のシュートのまずさに救われた。日本は、守備面でも集中力が欠けているように思えてならない。度重なるミスに加え、球際での勝負にも負けてしまう。前半は何ともストレスがたまる展開のまま、日本の1点リードで終了する。
後半、中盤の並びに変化を加えて反撃を試みる日本だったが、何と51分にPKを献上してしまう。中澤とFWのマジド・ハサンがもつれ合い、ペナルティーエリアぎりぎりの地点でマジド・ハサンが倒れた(少なくとも「倒された」ようには見えなかったのだが)。直後、主審は迷うことなくPKの判定。2分後、前半から積極的にシュートを放っていたヤハヤが冷静に流し込み、ついにカタールが同点に追い付く。この瞬間、5試合続いていた日本の無失点記録が途切れることとなった。
日本は58分、阿部を下げて松井大輔を投入。システムをワントップからツートップに変え、松井が入った左サイドを中心に、一時的にテンポよいパスワークが復旧する。さらに67分の興梠慎三(玉田と交代)、81分の本田圭佑(中村俊と交代)の起用により、ドリブルによるダイナミズムも加味される。いずれのベンチワークも、前線の活性化という意味では、それなりに効果はあった。だが、どんなにバイタルエリアまでボールを運んでみても、サイドからの折り返しはことごとくカタールDF陣の足もとに絡めとられてしまう。4試合連続ゴールが期待された岡崎も、この日はチーム最多となる4本のシュートを放ったものの、いずれもネットを揺らすには至らず。結局、日本はロスタイムでのカタールの猛攻を何とかしのぎ切り、辛くも1−1の引き分けでゲームを終えた。
・中村俊「凡ミスを繰り返してしまった」=カタール戦後選手コメント (2009/6/11)
・岡田監督「上から見ていて苦しかった」=カタール戦後会見 (2009/6/11)
・カタール代表監督「今のままでは日本のW杯4強は難しい」=試合後会見 (2009/6/11)


