インターハイが抱える4つの問題点 (1/2)
矛盾を解消すべく最善の努力を
前橋育英高校の優勝で幕を閉じた2009年のインターハイ。今大会の全日程を取材してみて、あらためて『インターハイはどうすべきなのか?』を考えされられた。『インターハイはどうすべきか?』――。問題点としては以下の4つが挙げられる。
(1)35分ハーフについて
(2)給水について
(3)連戦について
(4)登録人数について
この4つの問題点はすべて関連性があり、以前からずっと議論されていることでもあるが、やはり今年も熟考すべき問題となって浮かび上がった。
■番狂わせの原因は35分ハーフ
まず、(1)『35分ハーフについて』は、プリンスリーグの導入により、ユース年代は45分ハーフでの試合が通常化したことに起因する。4〜5月は多くの試合を45分ハーフで戦いながら、インターハイ予選になると35分ハーフに短縮される。この前後半10分ずつの違いは、対戦チームの実力差の間に大きなゆがみをもたらす。45分ハーフだと、試合の入り方や、前半のペース配分、そして後半の時間の使い方、選手交代のタイミングなど、さまざまな戦略を組み立てなければならないが、これが35分ハーフとなると、組み立ては大きく変わってくる。
「35分はあっという間に終わってしまう感覚があるので、先制点の重みが全然違ってくる」と3位に輝いた佐賀東高校・蒲原晶昭監督が語ったように、時間が少ない分、『先攻逃げ切り』のサッカーが展開しやすくなる。そのため、先制点の持つ意味が非常に大きくなり、試合の行方を大きく左右してしまう。しかも追加点が入った場合、逆転はより困難な状況となる。相手だけでなく、時間という「強敵」をも相手にしなければならないからだ。
「最初が一番肝心。35分ハーフだと最初から飛ばしていかないといけない」。プリンスリーグに参加したインターハイ出場校の選手の多くが、こう口にした。要は時間配分を考えていられないのだ。最初は様子を見て、そこから対策を練っていく、方向性を決めていくサッカーがなかなかできない現状を表している。
「35分ハーフだと、最初の10分、15分でほとんどのパワーを使って先制点、追加点を取る。それさえできれば、後は人数をかけてでもしっかりと守り切れば、相手も焦るので勝負は決まる。たとえ同点になっても、70分戦い抜けば、すぐにPK戦まで持ち込める。90分では決まらない勝負が、70分だと決まってしまう」(蒲原監督)
この言葉がすべてを表している。つまり、35分ハーフでは実力差がそれほど表面化しない事態を招き、番狂わせが起こりやすい。45分ハーフが定着した近年、インターハイ予選で大番狂わせが起こったり、本大会でも意外な結果が出ることが多くなったという事実が、それを物語っている。
■指導者は40分ハーフ導入に前向き
では、どうすべきか。これは(3)『連戦について』にも当てはまるが、やはり真夏の炎天下の中で、1〜3回戦まで連続で戦い、中1日の休みをおいて、準々決勝〜決勝までを連戦で行うレギュレーションでは、45分ハーフにしてしまうと、選手たちに肉体的にも精神的にも非常に大きな負担を強いることになるため、得策とは言えない。
ならば、40分ハーフではどうだろうか。実際に東京都や神奈川県、千葉県など、インターハイ予選で40分ハーフを採用する地域が出てきている。中には決勝トーナメントから延長戦を行う地域もある。本大会が35分ハーフ後、即PK戦にもかかわらずだ。
「40分ハーフはいいね。延長戦もあれば、相手もこっちも逃げられない環境になるからね。試合前に選手たちに『延長戦もあるし、なおかつその後にPK戦もあるよ』とリラックスさせることができる」と流通経済大学付属柏高校の本田裕一郎監督も以前、県予選からの40分ハーフ+延長戦導入を好意的にとらえていた。
「40分でも十分にありがたい。前半、後半でそれぞれたったの5分だけど、トータルにすると10分も違う。やっぱりペースをつかむ時間が必要。10分あれば、その時間を作ることができる。先制されてもじっくり時間をかけて、流れを引き戻す作業ができるから」と蒲原監督も40分ハーフの導入に前向きだ。
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