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| 中央を固めた作陽に対し、サイドから再三チャンスを作った盛岡商の成田(中央)【 たかすつとむ 】 |
クレバーなチームが見失った“自分らしさ”(1/2) <決勝 盛岡商(岩手)vs.作陽(岡山)>
2007年01月09日
■「作陽は僕たちのサッカーを勘違いしていた」
2−1で盛岡商が勝った瞬間、スタンドを見渡してみたら、すごい現場に立ち会えた感激に観客の顔が紅潮していた。面白い! 素直にそう思える決勝戦だった。
作陽は相手の良さを消した上で自分たちの良さも表現するチーム。事前スカウティングをしっかりやり、試合中にもゲームプランを自在に修正してくるクレバーなチームだ。しかし、盛岡商の攻撃陣による前線からのプレスには手こずった。ディフェンスからのビルドアップはうまくいかず、盛岡商のペースで試合は始まった。「人が多くてびっくりした」(作陽・小室俊之)という声もあったように、作陽はやや緊張気味。盛岡商の方が大観衆の前でもノビノビとしていた。 そんな中でも工夫をしながらリズムを作ろうとする作陽も立派だった。センターバックの間にボランチが下がって、そこからのミドルパスでゲームを作り直す試みをするなど、平常心を取り戻し劣勢を挽回(ばんかい)しようとしていた。そんな作陽の姿勢もあって、前半は盛岡商ペースながら、決定機の数はそれほど変わらなかった。
後半、作陽はエース村井匠を投入。後半11分、その村井の強烈なシュートから桑元剛が押し込み待望の先制点を挙げたが、盛岡商はある手応えを感じていた。 「作陽は僕たちのサッカーを勘違いしていた。だから意味のないところを消してきた」と逆転ゴールを演出した成田大樹。 「多分、作陽は、盛岡商は真ん中からの攻撃が強いと思ったんでしょう。中央を固め、(作陽の)2ボランチもあまり真ん中から動かなかった。そのため前半はサイドががら空きになった。後半、作陽はそこを修正し、(盛岡商の)サイドを消してきた。でもそれは時すでに遅し――だった。僕たちのペースは崩れなかった」
■盛岡商に勝利への風が吹いていた
しかし、後半先制したのは作陽。 「自分たちのペースだったが、気の緩みがあった。そこを突かれた。それから作陽のボールキープの時間帯があって、うちがPKを外して同点に追いつけなかった。それで作陽は勝った、と思ったんでしょうね。もう攻めてこなかった」 成田の言葉通りだった。先制ゴールの前にビッグプレーを見せた作陽の村井は「1点取った後の10分間、リードしているのに慌てた。DF、MFで落ち着かせてボールを回せるのが作陽の良さだけど、相手のプレスが速く、持ち過ぎでボールを取られてカウンターを受けた」と、この時間帯を振り返った。
面白いのは、作陽が嫌がった盛岡商のプレスが、実際はややゲームプランと違っていたことだ。成田が指示されていたのは相手2ボランチの1人をケアすることだが、「入れ込み過ぎて相手のボランチを飛び越え、前へプレスしてしまった」。本来、それは相手にスペースを与えかねないことだったが、チームに勢いがあったのだろう。不思議とプレスが連動した。オーバーペースにもならず、90分間走り通した。 「後でビデオで見れば盛岡商のプレスは普通なんじゃないかな。国立のピッチが(盛岡商のプレスを)すごいと感じさせた」(作陽・村井)という部分もあったかもしれない。国立には盛岡商に勝利への風が吹いていた。
後半26分、PKを失敗していた林勇介が同点ゴールを挙げ、盛岡商は勢いづいた。ボランチとして作陽の中盤を、そしてチーム全体の舵を執っていた立川雄大は、「1点を取られてから焦った。自分らのサッカーで攻めるのか、ロングボールを蹴って前を走らせて攻めるのか、その意思統一がバラバラになった」と証言する。 40分には成田が頭を低く下げながらドリブル突破、そのクロスを千葉真太朗が決め、決勝弾を挙げた。「相手の足が止まっている時間帯のゴール。勝利を確信しました」と殊勲の成田。一方、作陽の村井は「競技場の時計を見て焦った」。両チームのバトルは残り5分に激しさを増したが、最後までスタミナの切れなかった盛岡商が逃げ切り、初優勝を遂げた。
<続く>
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関連リンク
・栄冠を引き寄せた盛岡商の積極策 07/01/09 ・試合後、盛岡商・齋藤重信監督会見 07/01/08 ・試合後、作陽・野村雅之監督会見 07/01/08
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