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| 新人戦に備え練習する新チーム。グラウンドの背後には「近江富士」と呼ばれる三上山がそびえる【 Photo by 小澤一郎 】 |
日本が目指すべきサッカーとは(1/2) 野洲高校、山本佳司監督インタビュー 第3回
2006年02月22日
●●1月後半から2月の頭にかけて行われたカタール国際ユース大会で、U−19日本代表は優勝を飾るなど、世界の舞台で結果を出した。しかし、ことワールドユースに限って見れば、右肩上がりの成長を見せていた日本のユース代表は、小野、稲本らがいた1999年大会以降、徐々に停滞した感がある。日本が世界と戦っていく上で、どういったサッカーをしていくべきなのか。日本のサッカーとはどんなサッカーなのか。そのためには、どういう指導をしなければならないのか。山本監督は、野洲のサッカーにそのヒントが隠されていると言う●●
■それぞれの特徴をどう伸ばすかが大事
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| 規格外の選手が生まれるには、環境が大事だと言う山本監督【 Photo by 小澤一郎 】 |
――Jクラブのユースチームのサッカーについてはどう感じられていますか
みんな同じようなサッカーしてるね。要は、コンパクトに守備をして、拡散してコートを広く使ってボールを動かしている。意図は分かるけど、「そのサッカーの先に何があるの?」といった時には、やっぱり規格内。
高校サッカーは違うレベルで特殊やけど、Jリーグの下部の選手やチームならもっと何かできると思う。Jリーグのユースにはいい選手がいるんやから、そこから世界的なクラブに移籍するくらいの選手が生まれてきてもええと思うけどね。 もっと“ここ”を伸ばしていくというのがあってもいいと思う。
例えば、アルゼンチンやったらマラドーナみたいな選手がいつもいる。サビオラが出てきて、テベスが出てきてとね。それは、たぶんアルゼンチンのスタイルとか、育成システムとか、それから文化やな。教えてどうこうじゃなくて、やっぱりマラドーナをまねして育っとんねん。それが文化や。監督もちっちゃくてマラドーナ何世とか言われているような子を使いたいねん。だからああいう選手が生まれる。
でも日本にはそれがない。何を目指すのかもないし。将来の日本はどんなサッカーするのか。 ユース年代の代表がやってるサッカーを見ると、「この世代でこんなことやってて将来の日本代表はどんなサッカーをするねん?」と僕は思う。
例えば、ポストプレーを要求する監督の下やったら、青木もポストプレーをするやん。でも、お前はポストはいいと。うちでいえば、平石が身長があって、前にいける子じゃないから、チームの中で体を張って、ボールを収めるという役割をやってる。平原も、自分はドリブルができひんから、1タッチ、2タッチで何とかしとこうと思ってる。1人1人の特徴をみんなが理解することでチームが生まれてくるわけやから。それぞれの特徴をどう伸ばすかちゃうかな。 タレントになる子らを育てないと。みんなお金払って9番や10番を見に行くわけやん。センターバックを見に行こうとか、そんな地味な観客はおらへんやろう。マニアがボランチやセンターバックを見に行こうと言うかもしれんけど、普通は9番や10番を付ける選手を見に行くねん。そこを育ててないと、客を呼べない。
そいつらが面白いことをするから、野洲のサッカーが面白いって言ってくれはるんや。内野はそんなことできひんて、センターバックの子やねんから。技術的には、「やれ」言うたらできるけど、あいつらだってせえへんやん。わきまえとるって。青木らがトリッキーなことするってみんながだまされているだけの話やねん。
■いい選手が育つ環境、文化を作らないといけない
――現在のユース世代と小野、稲本らの黄金世代のレベルはどういう評価してますか
黄金世代はJリーグができて、バブルみたいな時期の子たち。今は少子化もある。だから、日本は文化としてやってないねん。 僕は体育教師でもあるけど、生徒指導で茶髪はあかんとか言ってる一方で、1986年ワールドカップ・メキシコ大会ではマラドーナが神の手ゴールとかやってるわけやん。あれは、高校の現場からいったら不正行為やんか。でも、それを世界中は神というわけやん。そこにギャップがあるわけ。教育の中で生まれてこうへんというかさ。
これはちょっと極端な話やけど、例えばブラジルに行くと夜にタクシーに乗る。赤信号になるけど、人もあまり通ってないところやったら、止まったら強盗に遭うかもしれない。だから、タクシーは赤信号でも、ぶっちぎって走りよる。だからセナみたいなF1ドライバーが生まれるんや。 ドイツ(の高速道路)は制限速度ないやん。高速道路とか200キロで走りよる。100キロで、赤信号で止まってるやつから超一流のF1ドライバーは生まれへん。
これは環境の問題やねん。日本は教育しようとしてるやん。今の若い子らでもトレセンやチームでの教育とかな。教育には限界があるし、そんなんやったら教育受けられるやつだけ、エリートだけやっとけとなるやん。そうやなくて、ブラジルなんかは、何にも教わってないけど、小学生でもめちゃめちゃうまい。それが文化や。
――文化として、日本はそういう選手が育つ土壌がないということですか
そうそう。そういう土壌作りをせなあかんと思うな。黄金世代はバブルやな。バブルは崩壊しているということ。
――タレント的には落ちてきてると
ちょっと落ちてるところはあるかもね。でも、全体的なレベルは上がってきてると思う。
――つまり、突出した選手がいないと
うん。でも、それは指導者の責任やと思う。あの世代の方がむちゃさしてもらえたんやと思うで。今の方が指導者が整理して、物ごとを教え過ぎてるんちゃうかな。
<続く>
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関連リンク
・魅力ある選手を育てたい 06/02/20 ・「クリエーティブサッカー」ができるまで 06/02/18
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