復活を遂げたフェイエノールト、強豪トゥエンテを破る
フェイエノールトは18日、強豪トゥエンテを3−2で破った。今年最後のゲームとなったこの試合は、ちょうど今季の折り返し。昨季の今ごろ、「降格」の二文字におびえていた堕ちた名門は、今季は5位と大健闘。試合後、ロッカールームへ引き上げるロナルト・クーマン監督に大スタンディングオベーションが贈られた。
前半、中盤とサイドを制して先制攻撃。後半は肉弾戦で逃げ切る――フェイエノールトが見せたトゥエンテ戦のプランはまるで12月4日、PSVを2−0で破った時のようだった。
現在のフェイエノールトのベースとなるのは、クラシー、エル・アーマディ、バッカルで組む中盤だ。このトリオは11月20日、フィテッセをアウェーで4−0と撃破した試合から、大きな注目を浴びるようになった。
守備力に優れたクラシー、抜群のキープ力を誇るエル・アーマディ、相手の穴を突く走りが得意なバッカルはさらに判断力にも秀でたものがあり、PSV戦の前半はストロートマン、ワイナルドゥム、トイボネン、トゥエンテ戦の前半はブラマ、ランツァート、デ・ヨンというオランダ屈指のMF陣との主導権争いに勝った。
さらにフェイエノールトにはウイングという武器がある。PSV戦ではシセ(41分)、スハーケン(50分)が快足を生かしてチームの全得点をたたき出し、トゥエンテ戦の前半もスハーケン、カブラルのコンビが攻守にトゥエンテの両サイドバックを圧倒した。
こうして中盤とサイドを制したフェイエノールトは、トゥエンテ相手に前半のうちに3−0という大量リードを奪った。その3ゴールを決めたのは、まだ19歳。マンチェスター・シティーからのレンタル選手のスウェーデン人ストライカー、グイデッティだった。大きなずうたいの割に、顔に幼さが残っているが、得点能力ばかりでなくムードメーカー、チームリーダーとしても存在感を発揮している。
「これまで僕はシティーのリザーブチームで、自分のコンディショニング維持と、トップチームの監督へのアピールのためにプレーしてきた。しかし今、僕はフェイエノールトの勝ち点3のためにプレーしている。その意識の差は大きい」(グイデッティ)
後半のフェイエノールトがペースダウンしたのは、PSV戦もトゥエンテ戦も同じ。前半から各人が持つポテンシャルを最大限に発揮し、フルパワーで戦う戦術は、選手の体力を極端に奪ってしまう。しかも選手の総合力は相手チームの方が上回っている。
トゥエンテ戦のスハーケンは格好の例えになる。左ウイングのスハーケンは立ち上がりから絶好調で、ベネズエラ代表のサイドバックのロサレスを圧倒だった。やすやすとドリブルで抜いてからクロスを上げていたし、守備でもロサレスがキープするボールを何度も奪い返した。ところが、後半のスハーケンはまるで別人。前半はつなぎでも安定感を発揮していたが、後半はパスが乱れに乱れ、ドリブルどころではなかった。
地力に勝るトゥエンテは56分にチャドリ、その10分後にはデ・ヨンのゴールで2−3と1点差に迫った。この日のヒーローとなったグイデッティも疲労の色がありありで、チラチラとベンチを見ながら交代のサインを送り始めた。
終盤のフェイエノールトに前半の見事な中盤もサイドの優位もなく、トゥエンテの高さを生かした圧迫攻撃にさらされ続けた。クーマン監督は疲れ果てた3トップを全員交代させ、ビーセスワールを1人だけ前線に残す全員守備で守り切りを図った。このピンチにチームを支えたのが4万4000人の大観衆。彼らのクオリティーの高さは、チームが強い時も弱い時も変わらない。
楽勝ムードは一転、薄氷を踏むような勝利となったフェイエノールトだったが、クーマン監督の表情には満足感がありあり。「シーズン半分を終わって勝ち点31は素晴らしい」と喜んだ。
10月終わりから11月の頭にかけて、KNVBカップで2部のゴーアヘッドに敗れ、リーグ戦ではフローニンゲン(0−6)、NEC(0−1)に連敗するなど調子を落としたフェイエノールトだが、フィテッセ戦の大勝で蘇り、RKC戦(2−1)、PSV戦(2−0)、ユトレヒト戦(2−2)、トゥエンテ戦(3−2)と難しい連戦を4勝1分けで乗り切った。昨年秋、PSVに0−10で敗れたのが嘘のようなフェイエノールトの復活劇である。
-Toru Nakata from Holland-
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[ スポーツナビ 2011年12月19日 19:17 ]
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