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中田徹の「オランダ通信」
ある青年監督の肖像(前編)
2003年12月18日
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今季の驚きの一つであるRBCの躍進を支えるのが、オランダリーグで最も若い34歳のロバート・マースカント監督だ【Photo by Toru Nakata】
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■今季最大の“驚き”の一つ、リーグ10位のRBC
今シーズン、オランダリーグ最大の驚きはAZとRBCだ。
AZはアドリアーンセ監督の下、素晴らしいサッカーを披露。先日のフォーレンダム戦では、3−2−5のこれ以上ない攻撃的なフォーメーションで6−0と快勝、現在3位だ。
一方、RBCローゼンダール(以下、RBC)は、5位ビレムIIと勝ち点の差わずか3とはいえ、10位と目を引くような成績ではない。
なぜ、AZとともにRBCが今シーズンの驚きなのか。それには以下の3つの理由が挙げられる。
1.オランダ1部リーグ最小の予算=390万ユーロ(約5億2000万円、オランダ3大クラブの15分の1程度)
2.スタジアムは新しいながらも5000人収容とオランダ1部リーグで最も小さい
3.監督のマースカントは34歳とオランダリーグで最も若い
そんなクラブが、アウエーでPSVと引き分けた。また、アウエーのフェイエノールト戦では0−2と負けたものの、「(フェイエノールトのホーム)デ・カウプへ勝つために来た。(今回は負けたが)ホームではフェイエノールトに勝つ自信はある」とマースカント監督が言い切った。そして、格上のAZに勝ち、ヘーレンフェーンには引き分けた。
ベテランDFがしっかりと守り、トップのユスフにボールを当て、そこから両ウイングに展開するRBCの攻めは小気味がいい。
今、オランダ一注目を浴びている監督、ロバート・マースカント。この34歳の青年監督を、今回は紹介したい。
■16歳から指導者になることを意識
マースカントは14歳の時に『クーバー式トレーニング』のアシスタントをした。
『クーバー式トレーニング』は80年代初め、『サッカーマガジン』の「ビバ! サッカー」というコーナーで牛木素吉郎氏が紹介したこともある、有名なトレーニングメソッド。スーパースターのテクニックを解析し、コーチが実際に実践してみせる、主にユース向けプログラムだ。
また、マースカントの父・ボブは、NACとゴーアヘッド・イーグルスで監督を務めていた。
「今でも僕はトレーニングの一環として『クーバー式トレーニング』を取り入れることがある。14歳の時の経験は素晴らしいものだった。また、父の影響もあった。僕が将来の職業としてサッカーの指導者をハッキリ意識したのは16歳の時だった」
とマースカントは言う。
ユース時代、マースカントは移籍を重ねた。ゴーアヘッド・イーグルス、NACの後は体育学校のあったハーレムへ移籍。それからスタージュ(研修生)としてアヤックスのユースチームでアシスタントコーチをしながら、アヤックスのリザーブチームでプレーした。
マースカントは、ティーンエージャーの頃から指導者としてのキャリア形成を意識していた。
20歳の時にゴーアヘッド・イーグルスでプロ選手になり、ハンス・オフトの紹介でアメリカのインドアサッカーで1シーズンプレーしたのが21歳。22歳のときにスコットランドのマザーウエルでプレーしたのも、「このような外国での経験は将来指導者になる上で絶対役に立つと思った」という考えからだった。
オランダに戻り、ズボレでプレーして2シーズン目、24歳の時にアマチュアチームのユース育成コーディネーターを兼ねた。
現役時代の最後はロッテルダムにあるエクセルシオールでのプレー。この時はコーニンクライクUDというデーフェンダーの町にあるアマチュアクラブの監督も務めていた。
「火曜と金曜、エクセルシオールの練習を終えると200キロも運転してデーフェンダーへ行った。週末には試合もあった。忙しかったし、大変だった。でも楽しかった。疲れを知る歳でもなかったし、サッカーは何より僕の趣味でもあるからね!」
<中編に続く>
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