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横尾愛 スポーツナビ

「コージ・ナカタ」を待つ間(1/2)
横尾愛の「ようこそフランス・リーグへ!」

2005年03月01日

「コージ・ナカタ」のデビューを待つ間、マルセイエたちは何を思うのか
「コージ・ナカタ」のデビューを待つ間、マルセイエたちは何を思うのか【 Photo:Mounic/PanoramiC/AFLO 】


■「ナカタ」がやって来る!


 コージ・ナカタ。K・ナカタ。あるいはオートル(別の)・ナカタ。中田浩二のマルセイユ入団は、現地のサポーターたちに少しばかりの混乱をもたらしたようだ。
 トルシエが監督に就任した当初、サポーターたちが「ナカタを連れて来てくれないかな」と少し期待していたのは以前にも紹介した通り。だが、やって来たのは同じナカタでもまだ俺たちが知らない方のナカタらしい。コージはどんな選手だ? カー・ナカタ(フランス語でKはカーと発音する)は使えるのか? どうしてこんなに移籍手続きに手間取っているんだ? なぜナカタなんだ、どうしてカンデラを入れない?

 フランス代表復帰を根強く期待されているFWアネルカか、ACミランでポジション争いを続けるデンマーク代表FWトマソンか、それとも2メートルを超す長身のチェコ代表FWコラーか。さまざまな憶測が日替わりで飛び交ったマルセイユの移籍マーケットだが、結局のところ入団したのは3名。FWダフはロリアン(2部)のレンタル移籍から戻ってきた選手であるが、レンタル中の成績は8試合出場0得点。補強要員というよりは、とりあえずリザーブリーグの出場要員という見方が強い。また、もう一人の新加入選手・DFタイウォは19歳のナイジェリア人であり、これまた即戦力というより将来を見据えた獲得と言った方が良いだろう。

 つまり、中田浩二はマルセイユがこの冬行った唯一の補強なのだ。リザラズの退団で手薄になったマルセイユの左サイドは、口の悪いマルセイエ(マルセイユ・サポーター)の言葉を借りれば「試合中、時々透明になっている」カメルーン代表MFオレンベの定位置。補強の最優先事項と見なされていたポジションだ。元フランス代表の左サイドバック・カンデラにも移籍のうわさがあったため、彼の入団を期待する声も多かった。だが、カンデラは結局プレミアリーグのボルトンに移籍し、トルシエが選んだのはなじみの無い日本人選手。マルセイエたちが騒ぐのも無理はない。

 だが、入団記者会見から約半月、就労ビザが下りてリーグデビューを飾るのを待つ間、マルセイエたちはまだ見ぬナカタの情報をせっせと集めていた。カンデラより若い、カンデラより安い。しかもユーティリティープレーヤーらしい。タイウォが育つのを待つ間、ナカタがすごい活躍を見せてくれるかもしれないから、ちょっと期待してみよう。長いことけがをしていたらしいのが気にかかるが。
 一方、クラブも「ジャポンのナカタ」を売り出すために奔走。記者会見の日から1週間の期間限定で、オフィシャルショップでお買い上げのユニホームすべてに背番号「27」と「NAKATA」のネームプリントを無料サービス、というキャンペーンを行った。インターネットで注文した場合は、3月15日まで有効である。移籍手続きに関しては、GKバルテズのケースに続く手際の悪さで批判されるマルセイユだが、こういう商売になると実に動き出しが早い。


■倒れない巨人・リヨン


 さて、マルセイエの視線が中田浩二に向けられている間に、欧州チャンピオンズリーグ(以下CL)も、いよいよ決勝トーナメントに突入。リーグ優勝も欧州制覇も視野に入れたモナコとリヨンにとって、一瞬も気を抜けない日々が始まる。
 くしくもCL決勝トーナメント第一戦が始まる直前・第26節は、両チームが激突する天王山。リーグ優勝の行方を占う意味でも、そして各々のCLでの活躍を予見する意味でも重要な一戦となった。

 いまだ1敗のみ、好成績のままでリーグ首位を走り続けるリヨンだが、0−0で折り返した後半にセンターバックのエシアンが2回目の警告を受けて退場。リヨン今季初のレッドカードである。10人になったリヨンに襲い掛かるモナコは86分、ショートコーナーのチャンスからマイコンが中央へパスを通す。これにMFロドリゲスが倒れ込みながらボレーで合わせ、待望の1点をもぎ取った。
 だが、巨人はそう簡単に倒れない。後半ロスタイム、FKのチャンスに満を持して登場したMFジュニーニョが、期待通りの職人ぶりを発揮して正確なパスをゴール正面へ。これを途中出場のフランスU−21代表MFクレマンが頭で押し込み、リヨンは本当に土壇場で引き分けに持ち込むことに成功したのである。クレマンはこれがリーグ戦初得点。ジュニーニョからプレゼントされたゴールは、チームを救うドラマティックな1点だった。

<続く>

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