スペインサッカー界の危機を覆い隠すクラシコ (1/2)
レアルとバルサ、それぞれが抱える不安とは
■国内リーグを飲み込み始めたスペインの経済危機
「この2試合は君たちにとって都合の良いものだろう。うそを書く必要もなく部数を売ることができるからね。だが、わたしにとってはほかの試合と変わらない」
先週金曜日(13日)、レアル・マドリーのジョゼ・モリーニョ監督が、バルセロナとのスペイン国王杯準々決勝について発した辛らつなこの一言は、まさに核心を突いたものだった。
メディアを含めたスペインサッカー界が、今ほど“エル・クラシコ”(伝統の一戦)の存在をありがたく思うことはめったにないだろう。スペインを覆う経済危機はリーガ・エスパニョーラをも飲み込み始めた。冬の移籍市場は、ほぼ機能不全の状態に陥っており、選手は流出するばかり。新たな才能がやってくることはほとんどない。
実際、今冬に動いた大型移籍と言えば、ホセ・アントニオ・レジェスのセビージャ移籍くらいだ。レジェスは350万ユーロ(約3億4000万円)の移籍金と引き換えに、最愛のクラブへ復帰した。主力選手の放出が続くアトレティコ・マドリーが彼を放出した裏には、監督として帰還したクラブのシンボル、ディエゴ・シメオネの後押しがあった。
■クラシコを控え、トップチームに15人しかいないバルサ
パーティーざんまいのクリスマス休暇を終え、財布も底を尽きたところで現実の世界へと引きずり戻される1月のことを、スペインでは「クエスタ・デ・エネロ」(1月の坂)と表現する。いまだに多額の負債を抱えているバルセロナは、過去にないほどカンテラ(下部組織)の人材が充実しているとはいえ、リーガと国王杯が3日おきに続く過密日程のこの時期、トップチームの選手が15人しかいない状態に陥っている。
レアル・マドリー戦に向けては、負傷中のビジャ、アフェライ、フォンタスに加え、おそらくペドロも間に合わないだろう。さらに、ケイタはアフリカ・ネーションズカップ出場のため不在。マクスウェルもパリ・サンジェルマンへと移籍してしまった。ジョゼップ・グアルディオラ監督は盲目的なまでに自らのチームを信頼しているが、それでも欠場者の数はあまりにも多い。
首位レアル・マドリーに勝ち点5差をつけられているリーガに加え、合間には厳しい2つのクラシコをこなさなければならないこの1月を、クエンカやセルジ・ロベルト、モントーヤ、ジョナタン・ドス・サントスといった若手を用いながら乗り切ることができるのだろうか。今季のバルセロナは、ホームとアウエーで全く別の性格を見せる傾向があるが(そのことは指揮官も認めている)、先週パンプローナで行われたオサスナ戦に限っては、彼ら若手がシステムによく適応していた。
・リーガ・エスパニョーラと銀行の危うい関係 (2012/1/13)
・バルサとポゼッションサッカーに集約された2011年 (2011/12/29)
・スポーツナビ・サッカーFacebookページ (2012/1/18)
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