コラム    
中田徹
スポーツナビ

「ベストゴールキーパー・オブ・ザ・ワールド」
リールス、2失点での引き分けにも監督は川島を称賛

2012年1月26日(木)

■前半のリールスは試合内容も見事だったが……

引き分けに持ち込んだリールス。「負けには見合わない試合」と川島(赤)も胸をなで下ろした
引き分けに持ち込んだリールス。「負けには見合わない試合」と川島(赤)も胸をなで下ろした【写真は共同】

 1月25日、リールスはホームでセルクル・ブルージュと2−2で引き分けた。試合が終わって川島永嗣が記者たちから囲まれていると、ヤンセンス監督が満面の笑みで「ベストゴールキーパー・オブ・ザ・ワールド」と称賛の言葉を掛けてきた。

 とりわけ前半の川島は見事だった。10分、1対1のピンチでシュートを防いだシーンは試合の流れを変えた。その1分後、リールスはソンクのゴールで先制したのである。44分にも川島は1対1のシュートをストップし、1−0で前半を終えると、スタジアムは「カ・ワ・シマ! カワシマッ!!」のコールが大唱和された。

 前半のリールスは試合内容も見事だった。MFクラーセン、ヤセル、両ワイドのエルガバス、ビダウイが小気味よくパスをつなぎ、ストライカーのソンクも前線でアクセントになった。23分、川島のパントキックから始まり、彼ら5人が絡んでソンクのダイビングヘッドで締めくくった鮮やかな攻撃はあまりに美しかった。

 サポーターも雰囲気を作った。30分、ハイボールの競り合いにソンクが負けると、サポーターは「後ろからソンクが押されていただろう!」と大ブーイング。思わずレフェリーも笛を吹き、FKを得たソンクはサポーターに向かって感謝の気持ちを込め、親指を立てた。

 後半立ち上がり、リールスはセルクルの選手交代に対応しきれず、47分にオウンゴールを喫して同点に追いつかれた。後半は、前半と比べると疲れからかボールロストが増えてしまった。しかし、この日アンカーを務めたサイディは味方のミスをカバーし続けた。

■「質の高いプレーにどれだけ対応できるか」

 1−1となった後、リールスの決定機は3回、セルクルはゼロ。しかし89分、セルクルはワンチャンスをものにし、強烈なヘッドで勝ち越した。これで敗戦濃厚となったリールスだったが、前節不調に終わったビダウイが劇的な20メートル弾を決めて、2−2で何とか引き分けに持ち込んだ。見ていて、これでリールスが負けたら不条理だなと思われた試合だったが、川島も「負けには見合わない試合だと思いました」と引き分けに胸をなで下ろした。

 前半、チームがいい試合をし、自身も2度のビッグセーブを見せただけに、「そういう意味で言うと、自分としてはオウンゴールも含めて2点取られたのは納得できない」と川島。
「オウンゴールも含めて難しいシーンだったとは思いますけど、自分としては、そういういいクロス、いいシュートをもっと止めたい。前半は前半で良かったと思いますけど、質の高いプレーを相手がしてきた時に、どれだけもっともっと対応できるのか。そこを自分はもっとやっていかないといけない」

 しかし、2失点ともGKにとってノーチャンスだったように思えた。
「自分自身で、それはしょうがないと思うこともある。でも、例えばオウンゴールのシーンでは、裏から抜けてきているFWは見えていたので、自分がポイントを合わせるんだったらもうちょっと(ポジションが)前でも良かった。2点目なんかも、タイミングはとれていた。あの速いクロスで速いシュートを防ぐのは難しいと思いますけど、体が反応できる準備ができてた分、せめてボールには行きたかった」

 そう細かく修正点を説明する川島だが、この日のパフォーマンスについては冒頭に紹介したヤンセンス監督のコメントがすべてだろう。

<了>

中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。メキシコW杯を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。2002年、06年、10年ワールドカップ、ユーロ2004、08をはじめ、オランダリーグのコラムなどをリポートしている

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 2月22日   出場
リールス 0(0) カップ戦
ロケレン 3(4)

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