途中出場で結果を出したハーフナー「もっと成長したい」
2試合ぶり先発の安田は特徴を生かせず
■激しいポジション争いに身を置くハーフナー
19日、フィテッセはホームでトゥエンテに1−4と完敗したものの、終了間際にハーフナー・マイクがヘディングシュートを決めて一矢を報いた。
ハーフナーのサイドからのクロスに対する強さは際立っている。PSV戦ではイバラのクロスから、今回はホフスのクロスからしっかりシュートを決めた。
「ニッキー(ホフス)とは練習からいい感覚です。いつもいいパスをくれるんで、絶対来るなとわかってた。自分が動き出せば、そこにニッキーが蹴るってわかってたんで狙い通り。個人的には届くかな……みたいなギリギリだったんですけど届いて良かったです」
これまで2試合、先発出場が続いていたハーフナーだったが、この日はアフリカ選手権から戻って来たばかりのボニー(コートジボアール代表)が先発し、ハーフナーは73分から途中出場。試合後、ファン・デン・ブロム監督は「ボニーが私の中のファーストチョイス」と語った。
「ボニーはいいヤツです。また、日本ではあんまり見ないけた違いのパワーっていうのを身に染みて感じた。やっぱりああいうパワーは自分には一生身に付かないと思う。でも、体の使い方とか学べる部分も多い。自分の良さも出しつつ、いろいろと周りの人からも学んで、どんどん自分が成長できれば、チームのためにもなると思う。これからも頑張っていきたいです」
■ハーフナー、安田の特徴を生かす策を
前節のフェイエノールト戦では出場機会がなかった安田理大は、2試合ぶりに先発し、フル出場を果たした。チームが6分という早い時間帯に失点したせいもあるだろうが、前半の安田は5本のクロスを上げるなど、積極的に攻撃に関わった。
しかし、後半に入るとプレースタイルがガラリと変わり、味方選手の後方支援に徹した。実はハーフタイム、右サイドバックの安田と左サイドバックのファン・アーンホルトは、ファン・デン・ブロム監督から「上がりすぎるな」と指示された。両センターバックにボールを前に運ばせること。そして右サイドに関しては、安田よりFWイバラが前にいる形を多くして、相手サイドバックとの一対一で勝負させたいというチームの意図があった。
だが、後半チームは失速し、前半より調子を落とす選手が続出。0−2とされてから4バックから3バックに変えた瞬間、完ぺきにトゥエンテに崩されとどめのゴールを決められるなど、この日のファン・デン・ブロム監督の策は今ひとつさえなかった。クロスの数が少ないチームだけに、ハーフナーと安田の特徴を生かす意味でも、もうちょっと有効策が欲しかった。
フィテッセは7位のまま。前半戦の貯金が効き、まだまだヨーロッパリーグ出場権を狙えるだけに、次節のRKC戦でしっかり立て直したいところだ。
■今季のオランダリーグはどこか変
それにしてもオランダリーグ第22節は波乱続きだった。首位PSVはフローニンゲン戦で、2位AZはユトレヒト戦で共に0−3と完敗し、5位フェイエノールトもRKC相手に1−1と勝ち点をとりこぼした。この結果、6位アヤックスも首位まで勝ち点5差と、優勝戦線に復活できそうな雰囲気となった。
中でも3位ヘーレンフェーン、4位トゥエンテは首位グループにグッと近づいた。とりわけトゥエンテは3日前に極寒のルーマニアでステアウア・ブカレストとヨーロッパリーグを戦ったばかり(1−0でトゥエンテの勝利)。PSVとAZがそのリバウンドに苦しんだのに対し、トゥエンテとアヤックスはしっかり大勝した。
疲労が残る中、フィテッセ相手にトゥエンテは理想的な戦いをみせた。先制ゴールはリスタートを早く蹴って、フィテッセの油断を突いたもの。2点目はフィテッセのセンターバック、カラスのボール処理ミスから決定機が生まれ、3点目は相手が4バックから3バックに組み替えた瞬間、ゴールが決まった。4点目はGKフェルトハウゼンがしっかり防ぐべきものだった。
しかもフィテッセのボニーのPKはバーに当たった。これが決まっていれば1−3。DFウィスヘルホフの退場で1人少なくなっていただけに、フィテッセの自滅におおいに助けられる格好となった。
90分を振り返れば、ヨーロッパリーグのハンデを負ったトゥエンテがクレバーに戦った強さが際立った。しかし、今季のオランダリーグはどこか変だ。VVVがフェイエノールトを下すことだってある。この日、優勝候補にふさわしい強さをみせたトゥエンテも、前節はホームでヘラクレスとのダービーに1985年以来初めて負ける歴史的失態を犯した。
「どこのチームも格上相手のチームを倒す可能性があるシーズン」。そう言われる今季のオランダリーグだけに、優勝争いは混沌(こんとん)としそうだ。
<了>
・フル出場したハーフナー「どんどん調子を上げて点を取りたい」 (2012/2/13)
・ハーフナー、決勝点演出も「もっと成長しないと」 (2012/2/5)
・ハーフナー「無視できない結果を残した」 (2012/1/28)
・ハーフナーほろ苦デビュー「ヘディングしかやってない」 (2012/2/20)
・スポーツナビ・サッカーFacebookページ (2012/2/20)
中田徹1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。メキシコW杯を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。2002年、06年、10年ワールドカップ、ユーロ2004、08をはじめ、オランダリーグのコラムなどをリポートしている |
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