コラム    
中田徹
スポーツナビ

途中出場で結果を出したハーフナー「もっと成長したい」
2試合ぶり先発の安田は特徴を生かせず

2012年2月20日(月)

■激しいポジション争いに身を置くハーフナー

試合終了間際に一矢報いるゴールを頭で決めたハーフナー・マイク
試合終了間際に一矢報いるゴールを頭で決めたハーフナー・マイク【写真は共同】

 19日、フィテッセはホームでトゥエンテに1−4と完敗したものの、終了間際にハーフナー・マイクがヘディングシュートを決めて一矢を報いた。
 ハーフナーのサイドからのクロスに対する強さは際立っている。PSV戦ではイバラのクロスから、今回はホフスのクロスからしっかりシュートを決めた。

「ニッキー(ホフス)とは練習からいい感覚です。いつもいいパスをくれるんで、絶対来るなとわかってた。自分が動き出せば、そこにニッキーが蹴るってわかってたんで狙い通り。個人的には届くかな……みたいなギリギリだったんですけど届いて良かったです」

 これまで2試合、先発出場が続いていたハーフナーだったが、この日はアフリカ選手権から戻って来たばかりのボニー(コートジボアール代表)が先発し、ハーフナーは73分から途中出場。試合後、ファン・デン・ブロム監督は「ボニーが私の中のファーストチョイス」と語った。

「ボニーはいいヤツです。また、日本ではあんまり見ないけた違いのパワーっていうのを身に染みて感じた。やっぱりああいうパワーは自分には一生身に付かないと思う。でも、体の使い方とか学べる部分も多い。自分の良さも出しつつ、いろいろと周りの人からも学んで、どんどん自分が成長できれば、チームのためにもなると思う。これからも頑張っていきたいです」

■ハーフナー、安田の特徴を生かす策を

 前節のフェイエノールト戦では出場機会がなかった安田理大は、2試合ぶりに先発し、フル出場を果たした。チームが6分という早い時間帯に失点したせいもあるだろうが、前半の安田は5本のクロスを上げるなど、積極的に攻撃に関わった。

 しかし、後半に入るとプレースタイルがガラリと変わり、味方選手の後方支援に徹した。実はハーフタイム、右サイドバックの安田と左サイドバックのファン・アーンホルトは、ファン・デン・ブロム監督から「上がりすぎるな」と指示された。両センターバックにボールを前に運ばせること。そして右サイドに関しては、安田よりFWイバラが前にいる形を多くして、相手サイドバックとの一対一で勝負させたいというチームの意図があった。

 だが、後半チームは失速し、前半より調子を落とす選手が続出。0−2とされてから4バックから3バックに変えた瞬間、完ぺきにトゥエンテに崩されとどめのゴールを決められるなど、この日のファン・デン・ブロム監督の策は今ひとつさえなかった。クロスの数が少ないチームだけに、ハーフナーと安田の特徴を生かす意味でも、もうちょっと有効策が欲しかった。

 フィテッセは7位のまま。前半戦の貯金が効き、まだまだヨーロッパリーグ出場権を狙えるだけに、次節のRKC戦でしっかり立て直したいところだ。

■今季のオランダリーグはどこか変

 それにしてもオランダリーグ第22節は波乱続きだった。首位PSVはフローニンゲン戦で、2位AZはユトレヒト戦で共に0−3と完敗し、5位フェイエノールトもRKC相手に1−1と勝ち点をとりこぼした。この結果、6位アヤックスも首位まで勝ち点5差と、優勝戦線に復活できそうな雰囲気となった。

 中でも3位ヘーレンフェーン、4位トゥエンテは首位グループにグッと近づいた。とりわけトゥエンテは3日前に極寒のルーマニアでステアウア・ブカレストとヨーロッパリーグを戦ったばかり(1−0でトゥエンテの勝利)。PSVとAZがそのリバウンドに苦しんだのに対し、トゥエンテとアヤックスはしっかり大勝した。

 疲労が残る中、フィテッセ相手にトゥエンテは理想的な戦いをみせた。先制ゴールはリスタートを早く蹴って、フィテッセの油断を突いたもの。2点目はフィテッセのセンターバック、カラスのボール処理ミスから決定機が生まれ、3点目は相手が4バックから3バックに組み替えた瞬間、ゴールが決まった。4点目はGKフェルトハウゼンがしっかり防ぐべきものだった。
 しかもフィテッセのボニーのPKはバーに当たった。これが決まっていれば1−3。DFウィスヘルホフの退場で1人少なくなっていただけに、フィテッセの自滅におおいに助けられる格好となった。

 90分を振り返れば、ヨーロッパリーグのハンデを負ったトゥエンテがクレバーに戦った強さが際立った。しかし、今季のオランダリーグはどこか変だ。VVVがフェイエノールトを下すことだってある。この日、優勝候補にふさわしい強さをみせたトゥエンテも、前節はホームでヘラクレスとのダービーに1985年以来初めて負ける歴史的失態を犯した。

「どこのチームも格上相手のチームを倒す可能性があるシーズン」。そう言われる今季のオランダリーグだけに、優勝争いは混沌(こんとん)としそうだ。

<了>

中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。メキシコW杯を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。2002年、06年、10年ワールドカップ、ユーロ2004、08をはじめ、オランダリーグのコラムなどをリポートしている

このページのトップへ
◆最新のコラム

おすすめエントリー

編集部発ブログ

ブログ検索

お知らせ

Facebook:スポーツナビ・サッカー公式ページ Twitter:最新のサッカー情報を配信中 mixi:スポーツナビ高校サッカーページ
kado haikei kado
吉田麻也
吉田麻也  
オランダVVV
△エールディビジ日程
最新の試合結果
 5月20日   出場
VVV 2(4) プレーオフ
ヘルモンド 2(3)
 オランダリーグチーム情報
順位表 2012年5月6日現在
順位 チーム名 勝点
1 アヤックス 76
2 フェイエノールト 70
3 PSV 69
4 AZ 65
5 ヘーレンフェーン 64
→すべての順位を見る
得点ランキング 2012年5月6日現在
順位 選手名 得点 試合
1 バス・ドスト 32 34
2 サンハリブ・マルキ 25 33
2 ルーク・デ・ヨング 25 31
4 ドリース・メルテンス 21 33
5 ジョン・ギデッティ 20 23
→すべてのランキングを見る

サイト内検索:  携帯版スポーツナビブログ