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クリスティアーノ・ルイウ/Cristiano Ruiu
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シェフチェンコ、偽らざるミランへの思い (1/2)
ディナモ・キエフでの完全復活を目指して

2009年10月27日(火)
ディナモ・キエフの一員としてサンシーロに戻ってきたシェフチェンコ(中央)
ディナモ・キエフの一員としてサンシーロに戻ってきたシェフチェンコ(中央)【Photo:アフロ】

 2009年10月、アンドリー・シェフチェンコはディナモ・キエフの一員として、慣れ親しんだミラノの街に戻ってきた。チャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグ第3戦で、インテルと対戦するためだ。
 かつて、ミランでゴールを量産し、クラブに数々のタイトルをもたらした「背番号7」は、06年に7シーズンを過ごしたミランを離れ、チェルシーへと旅立った。だが、ロンドンでの2年間はほとんど結果を残せず、昨シーズンは期限付き移籍でミランに復帰したものの、ベンチを温める日々が続いた。
 迎えた09−10シーズン、シェフチェンコはプロとしてキャリアをスタートした故郷のキエフで、全盛期の輝きを取り戻しつつある。インテルとの対戦を当日に控えた朝、シェバ(シェフチェンコの愛称)に話を聞いた(取材日=2009年10月20日、メリア・ホテル・ミラノにて)。

■決して過去は振り返らない

――シェバ、何よりもまずは「お帰り!」だね。わずか数カ月ぶりとはいっても、慣れ親しんだ街に戻ってくるのは感慨深いものだよね

 ありがとう。ここは僕にとって第二の故郷だからね。やっぱりミラノの街を見るとほっとするよ。とても長い時間をこの街で暮らしたから、多くの友達がいるし、彼らもすごく喜んでくれているんだ。ただ、もちろん今回の“帰省”は特別だよ。あのインテルと戦うために戻って来たんだからね。

――その“宿敵インテル”の話は後で聞くとして、ホントのところはどうなの? ミラノとミランに強いノスタルジーを感じている?

 まったくないと言えば、もちろんそれは嘘になるよ。でもね、(サッカー選手として)もう随分と長いキャリアを重ねてきた僕は、ひとつ、とても大切なことを学んだんだ。決して過去を振り返らない、と。過去にとらわれることが無益であるってことを、身に染みて知っているんだよ……。
 ミランはもう既に戻れない過去でしかないわけで。ならば、それを思っても仕方のないことだからね。僕はミランに多くを与えてもらって、僕もまたミランに多くを与えることができたという自負がある。でも、もうそれはすべてが終わったことなんだ。

 もちろん、その(栄光の)過去を再び、という思いで、僕が昨季ミランに戻って来たのは事実だ。でも、結果は周知の通り。(チェルシーで)2年もの間、僕は半ば選手であることを許されずにいたから、ストライカーとしての感覚を失ってしまっていたんだ。だから、昨シーズンは何としてでも試合に出る必要があった。リズムを取り戻すためにね。でも、その可能性をミランは僕に与えることができなくて、そうなるともう僕はFWとしての力を発揮することができない。愛するミランのために、何としてでも力になりたかったんだけど……。

――でもキエフに戻った今、君はかつてのキレを取り戻しつつある

 ここでは僕が求め続けていた継続性が確保できるからね。試合に出続けさえすれば必ず結果を残せるという自負が、まだ僕にはある。そして今、君が言ってくれたように、少しずつ本来の動きを取り戻していると実感できているからこそ、僕はミランから去ったことを後悔していない。この僕も、そしてカカも、もうミランにとっては過去の存在でしかない。その僕らに代わって次の選手たちがまた新しい歴史を作っていく。そして僕もまた、前だけを見て新たなキャリアを重ねていきたい。それだけを、今の僕は強く思っているんだ。

■全力を尽くしてインテルを倒しにいく

――今季のCLグループリーグで、あの宿敵インテルとディナモ・キエフは同組になった。もちろんキエフの一員でありながらも、やはり心の片隅には“ミラニスタ(ミランのファン)として”インテルと相対するという思いがあるのでは?

 あの“(ミラノ)ダービー”で感じる興奮と緊張は格別だからね……。そう簡単には忘れられないよ。とにかく確かなのは、インテルが過去に少なくはない幸運を僕にプレゼントしてくれたということ。忘れられないのは、03年のCL準決勝だ。あの“ユーロダービー”と言われた試合(インテル対ミラン)――結果的には同点に追いつかれたんだけど(1−1)、この僕のゴールが決勝進出を可能にしたっていう一戦、覚えているだろ(2試合合計1−1、アウエーゴールの差でミランが勝ち抜きを決めた)?
 あんなにも熱くなった試合はほかになかったよ。実際、続くユーベとの決勝よりもインテル戦の方がテンションが高かったというのが事実だからね。いまだにあの時の熱が、体の中に残っているかのように感じているよ。

――そして、その宿敵インテルを、現在は“あの監督”(モリーニョ)が率いている

 まあ、それはともかくとして(笑)。現在のインテルが03年当時よりもはるかに強いチームであることは紛れもない事実だ。それに何と言っても、今の僕が所属しているのは、キエフであってミランじゃない。試合の難しさは比較にならないと言うべきだろうね。でも、もちろんトライするよ。決勝トーナメントに進むために、全力を尽くしてインテルを倒しにいく。(グループFで)バルサの力が飛び抜けている以上、残るポストは1つ。僕らキエフとインテル、そしてルビン・カザンが争うことになる。

――その争いに勝つには、“あの監督”を倒さなければならない。06年からの2シーズン(実際には07年9月まで)、チェルシーでの君を完全に干したモリーニョとの対戦。期するものがあるはずだよね?

 そんなことはないさ。ただ単に、彼は僕をピッチに送ろうとしなかっただけでね。さっきも言った通り、僕は継続的にプレーしなければコンディションを保てなくなる。ピッチに立てない以上、状況は悪化の一途をたどっていったということだ。
 僕の獲得がアブラモビッチ(チェルシー・オーナー)の意向であって、モリーニョの希望ではなかったという事実。これが、彼にとっては受け入れ難かったんだろうね。でもまあ、これも既に終わったこと。モリーニョだけを責めることだけはしたくないんだ。

 とはいえ、今季のCLでインテルの決勝トーナメント進出を阻むことができれば、間違いなく大きな喜びになることは事実だよ。僕の大切なミラニスタたちへの素敵なプレゼントにもなるしね(笑)。

 <続く>


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