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カカ「キャリアの最後までミランに残りたい」(1/2)
すべてを勝ち取り、再び頂点へ


2008年05月09日

●●約1年前に行われた2006−07シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝、ミランのカカは2試合で3ゴールを決め、マンチェスター・ユナイテッドを粉砕した(2試合合計5−3)。同時に、最大のライバルと目されていたクリスティアーノ・ロナウドとの勝負にも圧勝。そのままミランはCLを制し、欧州スーパーカップとクラブワールドカップ(W杯)のタイトルも獲得した。そしてカカは、ついにはバロンドール(世界最優秀選手賞)を受賞。まさに勝つべきものすべてに勝利し、一気にキャリアの頂点へと上り詰めた。だが今年に入り、カカとミランは苦しんでいる。CLでは決勝トーナメント1回戦でアーセナルに完敗し、セリエAでは来季のCL出場権圏内の4位が目下の目標という状況だ。いまやミランの顔としてチームをけん引するカカに、今シーズンの不振の原因、そして将来について聞いた。(取材日=2008年4月18日、ミラネッロにて)●●

■クラブW杯のタイトルと引き換えにした犠牲

カカは2003年のミラン加入以来、あらゆるタイトルを手にして頂点に上り詰めた カカは2003年のミラン加入以来、あらゆるタイトルを手にして頂点に上り詰めた【 (C)Getty Images/AFLO 】
――昨年12月のバロンドール獲得からわずか4カ月を経たにすぎない今、ミランは失速し、君自身の置かれた状況も一変したと言わざるを得ない。この最大の要因は一体どこにあるのだろうか?

カカ 確かに、今年に入ってからのミランは多くの困難に直面してきた。思うような結果を残せなかったという事実は素直に認めるよ。でも、まずは今シーズンの僕らが掲げた第1の目標、これがどこにあったのか。そして、それを目指した結果として、どのような事態が僕らを待ち受けていたのか。この2つをあらためて考えてもらいたいんだ。
 第1の目標――それは言うまでもなく、昨年12月の横浜にあった。すべてのコンディション調整において、ミランはあの(クラブW杯の)タイトルを獲るためだけに照準を合わせていたんだ。そして実際、ミランは優勝した。ところがイタリアへ戻った僕らは、日本行きによって延期されていた試合を週の間に組み込まれ、過酷極まりないスケジュールを3月まで強いられることになった。体力の消耗は故障者を生み、残った選手たちはさらに過酷な日程を余儀なくされ、疲労は蓄積し……。それでも負けられない試合が絶えず続く中、遂には精神面での消耗も限界を超えてしまった。まさにそうした状況で迎えたのが、先のアーセナル戦(CL決勝トーナメント1回戦第1戦:08年2月20日、第2戦:3月4日)だったんだ。

――仮にミランのコンディションが現在(4月半ば)のような状態であれば……

カカ そうした話が有益だとは思わないけれど、それでもやはり、決して小さくない後悔が残る、というのが正直な気持ちだよ。今のこの状態であれば、間違いなく結果は違っていたはずだ。もちろんこの僕の言葉には、一つの根拠があるんだけれどね。

――それは?

カカ (欧州チャンピオンとなった)2年前のバルサ、そして昨シーズンのミラン。各シーズンの4月、5月で両者が見せていたプレーの質は、間違いなく他チームを圧倒していた。でも今シーズンの同時期、ほかと明らかに一線を画すようなチームは存在しない。要は、どこが勝ってもおかしくない状況ということだ。仮にコンディションが対等であれば、ミランはアーセナルの速さを最後まで封じ得たはずだよ。

■ミランの誇りに懸けて、来季のCL出場権を獲得する

――昨年挙げた幾つもの勝利、半ばそのすべてが「カカへの依存」による結果だったことは紛れもない事実だ。昨年末までの君は「ゲームを作り、スペースに走り、そして自らゴールを決める」、まさに1人でチームをけん引していたわけだが……

カカ そう、この僕も強行日程の中で疲れを蓄積させてしまったんだ。ひざの痛みが次第に増し、ついには戦線離脱を強いられる状況に陥ってしまった。でもシーズン終盤にきて、状態は確実に上向いている。ミッドウイークの試合もCLもなくなった今、極めて理想に近い形でコンディション調整ができているからね。もちろん、チーム全体の状態も上昇傾向にある。だから必ず、4位以内を確保できると確信している。ミランの誇りに懸けて、何としてでも来季のCL(予備予選)出場権を手にしてみせるよ(編集部注:ミランは5月4日のインテルとのダービー戦を2−1で制し、この日敗れたフィオレンティーナを抜いて4位に浮上した)。

――とはいえ、今の君の話には1つの矛盾がある。君は来シーズンのCL出場を望み、一方で今夏の北京五輪への出場も希望している。CL予備予選は五輪の開催時期と重なるため、当然どちらかを辞退しなければならない

カカ すべてはミラン次第だ。オリンピックがFIFA(国際サッカー連盟)主催の大会でない以上、ミラン側に僕を北京へ送る義務はないからね。言うまでもなく僕はミランの一員であり、決断はすべてクラブの首脳に委ねる。ミランがCL出場権を手にすれば、もちろん僕は予備予選を突破するために全力を尽くす。逆に、不幸にも出場権を逃すことになって、ミランが僕のセレソン(ブラジル代表)行きを承認するのであれば、当然、僕は喜んで代表の力になろうと努めるつもりだ。
 過去にブラジルは一度としてオリンピックを制したことがない。だからミランの不運が前提になるとしても、仮に行くとなったら、僕は祖国のオリンピック史を変えるために力の限りを尽くしたいと思う。

――いずれにしても、今季の終了は5月18日となる

カカ そう。そして来シーズンの始動は7月初旬。約1カ月もの時間がある。必ず100%の状態で戻ってきて、カカ本来の水準になっていることを約束するよ。

■僕ほどロニーのミラン入りを望んでいる者はいない

――このところ盛んに報じられている「ロナウジーニョのミラン入り」だが、君の個人的な見解は?

カカ 何も知らないし、だから何も言えない。メルカート(移籍市場)は僕の仕事じゃないからね。いずれにしても、僕はクラブ首脳陣の手腕を深く信頼している。何と言っても、(5年前に)まだ20歳を過ぎたばかりの若者、この僕を獲ったのがほかならぬミランだからね。というのは、もちろん冗談だけれど(笑)。とにかく、いまの僕に言えるのはひとつ、過去2年にわたって繰り返してきたのと同じ言葉だ。つまり、「この僕ほど、ロニー(ロナウジーニョ)のミラン入りを望んでいる者はほかにいない」と。

――だが、まさしく君こそがロナウジーニョ獲得に異議を唱えている、との一部報道があるのも事実だ

カカ 一体どこからそんなフレーズが生まれてくるのか、一体何をどう見ればそんな記事が書けるのか……。僕には到底理解できない。紛れもない捏造(ねつぞう)だよ。セレソンでの僕ら2人が、一度でも互いの足を踏み合ったとでも? 2人が一緒にプレーすることで、セレソン全体のパフォーマンスが下がったとでも、彼らは言うのだろうか? だとすれば、それはサッカーそのものを知らない人たちだということの証しでしかない。
 ここミランには、揺るぎないフィロソフィー(哲学)がある。それは偉大なプレイヤーたちをクラブは絶対に拒まない、ということだ。例えばルイ・コスタ。あの偉大なプレーヤーこそが、その哲学の意味を示していると思う。事実上、この僕がルイのポジションを奪う結果になったわけだけれど、その時の彼がどのように僕に接してくれたか。そこに嫉妬(しっと)なんてものはみじんもなくて、むしろ彼は事あるごとに、フィールドの内外で、まだ若かった僕に幾つものアドバイスを与えてくれたんだ。そのすべてを今でも僕は鮮明に覚えている。今でも彼の言葉を指針にしながら、これからのミランでの在り方を考えていきたいと思っているんだ。その僕が、ロニーの加入を拒むなんて絶対にあり得ない。

――つまり、ロナウジーニョ移籍は既成事実であると?

カカ さっきも言った通り、その問いに僕は答えられない。ここ2カ月間、ロニーとは連絡を取り合っていないしね。今はただ、彼が一日も早くけがから回復できるように祈っているよ。

――メディアは一様に大規模な「世代交代」の必要性を説き、一方のミランはそれを全面的に否定している。ここ数年続いている論争の構図だが、内部にいる君はこれをどう見ているのだろうか?

カカ もちろん、僕の見解はクラブと同じだ。周囲の言う“再構築”が必要だとは思わない。わずか4カ月前にすべてを勝ち得た組織、世界王者となったチームをすべて壊して作り直すなんて、そこに意味があるとは絶対に思えない。DF、MF、FWの各セクションに1人ずつの補強。これで十分だと確信している。

――FWではシェフチェンコの復帰が確実と見られている。だが、少なくないミラニスタ(ミランのサポーター)はこれを受け入れない構えだ。2年前に自ら去ったシェフチェンコを、いまだにファンは許していない

カカ でも同時に、決して少なくはないファンが――むしろ僕の知るところでは大多数のファンが彼の復帰を歓迎しているよ。当然、ミラン内部でも同じだ。扉はいつでも開かれている。僕自身、大切な友である彼の帰りを待ちわびているんだ。

<続く>


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順位 チーム名 勝点
1 インテル 85
2 ローマ 82
3 ユベントス 72
4 フィオレンティーナ 66
5 ミラン 64
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得点ランキング 2008年5月18日現在
順位 選手名 得点 試合
1 アレッサンドロ・デル・ピエーロ 21 37
2 ダヴィド・トレセゲ 20 36
3 マルコ・ボリエッロ 19 35
4 アドリアン・ムトゥ 17 29
4 アントニオ・ディ・ナターレ 17 36
4 ズラタン・イブラヒモヴィッチ 17 26
7 カカ 15 30
7 アマウリ 15 34
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