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中田徹 スポーツナビ

最強の中継監督、フェルホーセン(1/2)
中田徹の「オランダ通信」


2008年02月05日

■チーム崩壊の危機を食い止める愛情と熱意

元名古屋のフェルホーセンは中継監督として今季終了までPSVを率いる 元名古屋のフェルホーセンは中継監督として今季終了までPSVを率いる【 Photo:PICS UNITED/AFLO 】
 セフ・フェルホーセン新監督(前名古屋グランパス監督)のもと、PSVが絶好調だ。1月にフェイエノールト(1−0)、アヤックス(2−0)、2月にAZ(2−0)とライバルチーム相手にアウエーで3連勝。しかも失点はゼロという強さ。格下VVV(1−1)に引き分けたとはいえ、PSVの安定感はほかのチームよりはるかに勝っており、いつの間にかPSVは2位アヤックスに勝ち点8差と独走態勢を築いてしまった。

 10月末、ロナルト・クーマンがバレンシアに去ってから、PSVは新監督探しに着手。12月いっぱいまでバウタースコーチが暫定監督を務め、1月から今季いっぱいまでフェルホーセンが中継ぎ監督、そして来季からステーフェンス(現ハンブルガーSV監督)が新監督になることが決まった。この一連の人事は昨年秋に取りまとめられたが、ちょうど主力選手の契約延長交渉時期と重なった。

 監督が代わればサッカーの方針も、選手の起用法も変わる。だから選手は監督人事に敏感になる。PSVの場合、クーマンからステーフェンスまで、わずか1年未満の間に4人もの監督が指揮を執ることになり、選手の動揺は大きかった。特にGKゴメスは専門誌を通じ、PSVを強烈に批判した。ひとつ間違えばチーム崩壊の危機だったが、ゴメスの批判は心底PSVへの愛情があふれていたものだったこと、またゴメスがかつてないほどサポーターから愛されていた外国人選手だったため、ゴメスの批判はPSVが一致団結するような雰囲気作りに働いた。

 12月7日のローダJC戦、一度は0−4とされるなどPSVは絶不調。本来ならサポーターの怒りは頂点に達するところだが、試合中スタジアムはゴメスへのチャント(応援歌)が響き、2−4と惨敗した後もゴメスはサポーターへの感謝の気持ちで涙をにじませていた。
 新チームリーダーのアフェライも多少クラブとの衝突はあったが、無事契約延長を終了した。一方日本ではフェルホーセンがDVDを片っ端から見て、PSVの現状をチェックしていた。

■「ウイニング・チーム、ネバー・チェンジ」

 オランダの年末は間違いなく冬だが、PSVは“秋のチャンピオン”となり、バウタースは監督としての役目を終え、コーチの座へ戻った。クーマン時代には主力選手として重宝されたペレスはバウタースのもとではベンチ要員となり、冬の移籍期間にアヤックスへと戻って行った。
 冬の移籍市場でPSVが獲得した即戦力はジュジャクという無名のハンガリー人たった1人だけ。しかしスーパー・スカウトと呼ばれるデ・フィッサーは、「ジュジャクは必ず活躍する」と自信満々だった。

 1月12日、フェルホーセン率いるPSVの初試合の相手はフェイエノールトだった。GK:ゴメス、DF:クロンカンプ、マルセリス、サルシード、アウシデス、セントラルMF:シモンズ、バッカル、右MF:ファルファン、トップ下:アフェライ、左MF:ジュジャク、1トップ:ラゾビッチ――システムは4−2−3−1。これが新PSVの布陣だった。
 フェルホーセンは、最初からこのメンバーとシステムに自信を持っていたのだろう。エクセルシオール戦でバッカルが、アヤックス戦でアフェライが出場停止だったため、クリーナとメンデスを起用した以外は、先発メンバーを変えていない。システムはアヤックス戦で若干いじっただけだ。システムとレギュラーの固定。これが、フェルホーセンが最初に手をつけたことだった。

 これまでならレギュラーだったDFゾネフェルト、FWクーフェルマンス、さらに素質は高いMFアイサッティの出場機会が、フェルホーセンの元でぐんと減ってしまった。それでも「ウイニング・チーム、ネバー・チェンジ」をフェルホーセンは貫き、勝利を重ねることによって静けさを保っている。

<続く>


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関連リンク
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