 |
|
|
セルヒオ・レビンスキー
|
スポーツナビ
|
 |
CL決勝、初のイングランド対決の行方(1/2)
2008年05月08日
|
 |
|
■イングランドを頂点とする勢力図の変化
バルセロナに勝利し、CL決勝進出を決めたマンチェスター・ユナイテッドのイレブン【 Photo:Getty Images/AFLO 】 |
1999−2000シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝を前に、スペインメディアが皮肉を込めてこう尋ねたことがある。 「バイエルン・ミュンヘンが“国王杯”で何をするんだい?」
この年、4強に名を連ねていたのはレアル・マドリー、バレンシア、バルセロナ、そしてバイエルン。パリでの決勝はレアル・マドリー対バレンシアのスペイン勢対決となり、最終的にエル・ブランコ(レアル・マドリーの愛称)がビッグイヤー(優勝トロフィー)を掲げたのだった。 2002−03シーズンも、ベスト4のうち3チームをイタリア勢が占めた。ミラン、ユベントス、インテル、そしてレアル・マドリー。決勝にはミランとユベントスが進出し、0−0からのPK戦の末にミランがチャンピオンとなった。
そして迎えた07−08シーズン、CLを席巻したのはイングランド勢だった。プレミア勢は準決勝に3チームを送り込んだ。常連のリバプール、チェルシー、そしてマンチェスター・ユナイテッドである(もう1チームはバルセロナ)。そして、準々決勝で散ったアーセナルもまた、賞賛に値する戦いぶりを見せた。5月21日にモスクワで行われる決勝の顔合わせは、マンチェスター・ユナイテッド対チェルシー。ユナイテッドはバルセロナを退け、チェルシーはドラマティックで濃密な2試合の末、リバプールを下した。今季のCLは、イングランドによるヨーロッパ支配が進んでいることを印象付け、勢力図の変化を決定的なものとしたのだった。
スペインメディアも最終的に白旗を掲げるしかなかった。今週に入り、地元スポーツ紙は「いまや世界のベストプレーヤーたちは、こぞってプレミアシップに行きたいと思っていることを認識すべき。なぜなら、そこに一番のスペクタクルがあるからだ」と報じた。それは、リーガ・エスパニョーラが2番手に降格したことを示すものだった。選手の質、競争力、そして英ポンドという通貨価値のいずれをとっても、今日ではイングランドが最も強大であることは疑いようがない。
■イングランドの栄枯盛衰
70〜80年代、イングランド・フットボールが栄華を誇る一方で、自国のフーリガン(過激なサポーター)たちはヨーロッパ各地のスタジアムで悪名をとどろかせていた。そして、85年のチャンピオンズカップ決勝で、とうとう「ヘイゼルの悲劇」を引き起こした。ベルギーのヘイゼル・スタジアムで行われたリバプール対ユベントス戦は、両チームのサポーターによる小競り合いからパニックとなり、多くの死傷者を出す大惨事となったのだ。 この事件をきっかけに、イングランドは国際大会から締め出されることになった。無期限の出場停止はその後、期間が短縮されたが、イングランド・フットボール界が低迷期から抜け出すには長い時間が必要だった。しかし、スタジアムのゴール裏を改修するなど暴力の追放を図り、今ではプレミアシップは世界一のリーグと言われるようにまでなった。テレビの放映権収入によって潤ったクラブが世界中からスター選手を買い集め、スピード溢れるフットボールが繰り広げられている。
モスクワで対決するのは、異なるゲームスタイルを持つクラブである。より経験があり、前線に決定力のある選手をそろえるのは、サー・アレックス・ファーガソン率いるマンチェスター・ユナイテッド。これまでに2度(68、99年)、欧州チャンピオンに輝いている名門だ。特に98−99シーズンは、CL決勝でバイエルンに劇的な勝利を収め、「カンプ・ノウの奇跡」と呼ばれた。このシーズンはリーグ、FAカップ、CLのトレブル(3冠)を達成し、“赤い悪魔”(ユナイテッドの愛称)の名を世界にとどろかせた。
一方、今回が初の決勝進出となるのはチェルシーである。とはいえ、5年前にロシア人の富豪ロマン・アブラモビッチがオーナーとなって以来、巨額の投資でスター選手を買いあさり、欧州のフットボールシーンを“盛り上げて”きた。アブラモビッチが登場したことにより、イングランドにおける外国人投資家は激増。ヨーロッパ大陸のクラブ経営に一石を投じた。
<続く>
◆前後のページ |1|2|
関連リンク
・欧州CLはいよいよ準決勝へ 08/04/17
|
|
 |
こちらの写真は所定の方法でブログに引用できます。
→ ご利用方法
|
 |