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2006−07オランダリーグ最終日は、歴史に残るすさまじいデットヒートだった。
【4月29日 午後2時半キックオフ】 1.AZ 勝ち点72 81得点28失点 +53 2.アヤックス 勝ち点72 82得点35失点 +47 3.PSV 勝ち点72 70得点24失点 +46
エクセルシオール対AZ ビレムII対アヤックス PSV対フィテッセ
【8分】 PSV 1−0! 大量得点を目指すPSVはキックオフからラッシュ。アレックスのゴールで先制し、場内は「ティン! ティン! ティン!」と10ゴールを促す合唱でいっぱいになった。
【10分】 PSV 2−0! アフェライ、コネのシュートによる波状攻撃をファルファンが締めくくった。これで得失点差は+48。PSVがアヤックスを抜いた。
暫定順位(以下試合終了時まで同様) 1.PSV 勝ち点75 72得点24失点 +48 2.AZ 勝ち点72 81得点28失点 +53 3.アヤックス 勝ち点72 82得点35失点 +47
【13分】 PSV 2−1……。テオ・ヤンセンのフリーキックはニアサイド。GKゴメスにとって何でもないボールだったが、キャッチ後グローブからするりとこぼれゴールイン。オランダリーグ最高のGKが信じられないミスを犯した。得失点差で優位に立ちたいPSVにとって痛い後退。しかし他会場はまだ0−0。暫定順位は変わらない。
【19分】 アヤックス 1−0! PSV同様ラッシュをしかけたアヤックスだが、ビレムIIも意地でゴールを割らせない。しかしエマヌエルソンが渾身(こんしん)の左足シュートを放ち、相手DFに当たって勢いを増しゴールイン! 得失点差でアヤックスがPSVを上回る。
AZ GKワーターマン退場処分……。自陣に全員が引いたエクセルシオールに対し、AZは圧倒的なボール支配を見せるが動きは鈍い。エクセルシオールは右ウイング、スローリーを走らせる完全なカウンターサッカー。これにAZサイドバック、デ・クレアが手を焼く。そして2度目のカウンターでスローリーはGKワーターマンと一対一のチャンスをつかみ、ファウルでPKを奪った。ボッセン主審はワーターマンにレッドカードを出すしかなかった。AZ10人対11人のピンチ!
【21分】 AZ 0−1……。AZはDFスタインソンを下げ、控えGKシヌーが急きょゴールを守る。しかしブラウンスのPKを防げなかった。
1.アヤックス 勝ち点75 83得点35失点 +48 2.PSV 勝ち点75 72得点25失点 +47 3.AZ 勝ち点72 81得点28失点 +52
【24分】 AZ 1−1! アウエーながら場内はAZのサポーターで埋まった。好位置で得たFKに対し、チョマーへのチャント(応援歌)があふれた。その期待に応えチョマーは壁の頭をかすめながらゴールを決めた。
【ハーフタイム】 AZは3分、アヤックスは1分、PSVは2分のロスタイムを生かせず、スコアは変わらないままハーフタイムへ。前半のペースを振り返ると、得失点差でアヤックスとPSVがAZを抜くのは難しそう。両チームはAZの取りこぼしに期待するしかない。
1.アヤックス 勝ち点75 83得点35失点 +48 2.PSV 勝ち点75 72得点25失点 +47 3.AZ 勝ち点73 82得点28失点 +53
【後半キックオフ】 AZはクーフェルマンス、モルフックを投入するが、これで3人の交代枠を早くも使い切る。アヤックスはデ・ムルを退け、ミテア投入とウイング同士の交代。PSVは選手変更無し。フィテッセのGKストイコビッチがPSVサポーターをあおって怒りを買い、空気を察したデ・モス監督は彼を交代させ、控えGKのフェルトハウゼンを後半からゴールバーの下に立たせた。
【59分】 PSV 3−1! 前半の失点で気落ちしたPSVだが、後半キックオフからラッシュを再開。アフェライのゴールでアヤックスと得失点で並ぶ。しかし総得点数で暫定2位のまま。
【60分】 AZ 1−2……。59分にエクセルシオールの決定機をしのいだAZだったが、直後のCKで混戦を作られ、最後はドルストにゴールを割られた。どうしてもAZは調子が乗らない。しかしもうファン・ハールは手持ちのカードを切ることはできない。
【65分】 PSV 4−1! エース、ファルファンがコクーのアシストを受けゴール。これでPSVが暫定首位に立った!
1.PSV 勝ち点75 74得点25失点 +49 2.アヤックス 勝ち点75 83得点35失点 +48 3.AZ 勝ち点72 82得点30失点 +52
【69分】 アヤックス 2−0! 各会場はサポーターや関係者がラジオの多元中継で経過を随時チェック。PSVのゴールの瞬間、アヤックスサポーターが選手に点を取れと促す。そのプレッシャーを力に変え、フンテラールがゴール! PSVの首位は4分しか持たなかった。
1.アヤックス 勝ち点75 84得点35失点 +49 2.PSV 勝ち点75 74得点25失点 +49 3.AZ 勝ち点72 82得点30失点 +52
【70分】 AZ 2−2! GKと際どく競り合ったストライカーのクーフェルマンス。こぼれダマを頭で泥くさく押し込み、AZは同点に追いついた。あと1点! あと1点がAZは欲しい。
【75分】 エクセルシオール1人退場。ようやくAZは10人対10人の戦いに持ち込んだ。
【77分】 PSV 5−1!!! 前節のユトレヒト戦後、起用法にFWクライフェルトは怒りを爆発。クーマン監督を批判し、クライフェルトは罰金処分を受けていた。しかしクーマン監督はそのクライファルトを74分に投入。わだかまりはもうなく、フォア・ザ・チームの姿勢を示した。それから3分後、コクーがスライディングボレーを決めて、フィテッセを突き放す。PSV、この日3度目の首位に!
1.PSV 勝ち点75 75得点25失点 +50 2.アヤックス 勝ち点75 84得点35失点 +49 3.AZ 勝ち点73 83得点30失点 +53
【78分】 AZ クーフェルマンスの強烈なシュートが右ポストを強襲!
【83分】 アヤックス テン・カーテ監督は「あと1点取れ!」と選手にメッセージ。言われなくても選手はスタジアムの雰囲気で分かっている。フンテラールの打点の高いヘッドはわずかに左へ。
【90分】 AZとアヤックスのロスタイムは4分、PSVは3分。3チームのうち1ゴールを決めたチームが優勝に大きく近付く。
【90分+2】 フィテッセがPSV陣内に攻め込む。ペナルティーエリア内でベンソンがファルファンにつかまれ、倒れた。しかしフィテッセにPKは与えられず。
【90分+3】 AZ チョマー得意の位置でFKを得る。しかしエクセルシオールGKががっちりキャッチ。
【90分+3】 アヤックス CKのチャンスにGKステーケレンブルフも攻め上がる。しかしビレムIIは大きくクリアし、アヤックス陣内深くまで陣地をばん回。
【90分+4】 AZ 2−3……。エクセルシオールはスローリーが強烈なFK。シヌーがはじき、リバウンドをボスカンプが決めた。この瞬間、AZの優勝の夢は消えた。 PSVは5−1のまま試合を終了。ロスタイムはPSVの方が長いが、しばしアヤックスの結果を待つことになった。 ビレムIIはスローインからボールキープ。そしてタイムアップ! 「優勝の可能性は低いから、準備をしても無駄になる可能性が高い」とアイントホーフェン自治体は、街中での優勝セレモニーを用意しなかった。そのPSVが大逆転優勝!!
最終順位 1.PSV 勝ち点75 75得点25失点 +50 2.アヤックス 勝ち点75 84得点35失点 +49 3.AZ 勝ち点72 83得点31失点 +52
<了>
中田徹/Toru NAKATA 1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。メキシコW杯を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。2002年、2006年ワールドカップ、ユーロ2004をはじめ、オランダリーグのコラムなどをリポートしている
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