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イタリア・セリエAの名門クラブであるミランは、トップチームの実力はもちろんのこと、ユース・ジュニアユース・ジュニアと組織化された若手の育成プログラムにも定評がある。現在、その育成プログラムは各国でキャンプ式のサッカー教室として披露され、世界で8万人以上の参加者を集めているが、このサッカー教室が2005年に続き、2006年も日本にやってくることが決定した。 世界中で評価されるミランのジュニア育成方法とは? イタリアと日本の選手育成の違いとは? 来日を前にした、コーチのファビオ・ニコレ氏に聞いた。
イタリアと日本のジュニア育成の比較
ACミランのキャンプは各国で開催。8万人以上の参加者を集めている【 (株)スポーツビズ 】
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――身体的、精神的、技術的な面でイタリアの子どもと日本の子どもの違いは?
日本で3年間行ったミランジュニアキャンプの経験から、日本の子どもたちは素晴らしく行儀がいいという感想を持ちました。イタリアではこのような子どもはめったに見られません。これは日本の家庭教育のおかげだと思います。われわれミランジュニアキャンプのコーチが日本に初めて来た時、日本の人に対して何回お辞儀を返したか数えられませんでした。この行儀の良さ、「相手を尊敬する」という意識は、現在のイタリアの若者がどんどん失っているものなので、とても残念なことです。
しかし、この「相手を尊敬する」ということが、サッカーのような競争の激しいスポーツでのパフォーマンスに影響を与えていると思います。日本の子どもたちは精神的な面で競争をしない。ゴールしたとき、相手に勝利したときなど、あまりイタリア人のように大騒ぎして盛り上がりませんからね。 身体面については、6歳から15歳までの子どもに大きな差はありません。
――日本とイタリアでコーチングの方法を変えているのか?
われわれミランジュニアキャンプコーチの目標は、日本にイタリアのスポーツ文化を伝えること。だから、イタリアでの練習内容と日本での練習内容は全く同じになっています。 一番大きな差は、同じ練習であってもイタリアの子どもたちを指導するときよりも、日本の子どもたちを指導するときの方が、指導しやすくなることです。日本の子どもは苦労することを怖がらない。イタリア人の子どもは、あまり苦労をせずに試合に勝ちたいと思っていますから。 われわれは子どもたちに身体と思考のスピード、競争心、賢さを求めています。このことはイタリアでも日本でも変わりません。
――年代によって強化するポイントとは?
繰り返しになりますが、われわれはいつも相手と競争するような練習方法を提案します。「相手と戦う」ことが大切なのです。いつも子どもたちに言っているのは「相手のボールを奪ったり、キーパーにボールを取られる前にゴールしたり、早くドリブルができなければ、きれいに1000回連続のリフティングができても意味がない」ということ。僕は日本語ができないけれど、練習中には何千回も「HAYAKU(ハヤク)!!」と叫んで、この言葉を覚えました。
――子どもたちが通う学校の環境や、進学事情には違いはあるか?
学校教育に関して、日本の子どもは運がいいと思います。日本では体育の時間にたくさんスポーツをできるけれど、イタリアの子どもは教育制度のせいで運動があまりできないからです。このことがもたらす結果は、サッカーに関しては顕著です。同じ年齢なら日本の子どもの方が運動神経もいいし、テクニックもあるし、ボールタッチも柔らかい。これはプロを目指すサッカー選手のキャリアに役立ちます。
例えば、平均よりも運動時間が長いイタリアの子どもでも1週間に4〜5時間しか体を動かせない。日本の子どもは、サッカーに夢中になるための時間と機会がイタリア人に比べるとたくさんあると思います。 それに落ち着いた日本の文化の影響のおかげで、子どもの集中力が高い。われわれコーチは、子どもたちの集中力育成の面に対して、今後もっと強調していくべきだと思っています。
<第2回に続く>
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