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2004年 2003年 2002年
Netherlands 中田徹



中田徹の“オランイェ”通信
オランダ代表の設計図と日本代表の乖離(前編)

2004年2月20日


オランダは、18日にアメリカと親善試合を行い、1−0で勝利を収めた【(C)Getty Images/AFLO】

■子供の頃から慣れ親しむ、3バックの横の感覚


 オランダ代表対アメリカ代表の親善試合は1−0でオランダが勝ったが、オランダはDFを4人(右からハイティンハ、スタム、コクー、バウマ)並べた。しかしほとんどの時間1人だれかが上がり、フラット3で戦った。

 オランダ人にとって3バックはそれほど難しいことではない。子供の頃は相手の3トップに対しマンツーマンで付けばいいので、3バックが広く採用されている。4バックはマークの受け渡しや、ゾーンで守る守備の感覚が要求されているので、子供にとっては難しいとオランダではされている。
 もちろんオランダ代表で実践する4人のDFによるフラット3は、子供の頃のマンツーマンによる3バックより高度だが、それでも3バック時の横の感覚というのは残っている。

 普段は左サイドバックにファン・ブロンクホルストやゼンデンといった攻撃的なサイドバックを起用するが、フラット3コンセプトのラインを形成するために守備力重視で、柔軟かつガッチリ守れる選手を起用した。そのため、しなやかさが売り物の右サイドバック、ナイジェル・デ・ヨンはせっかくの代表初選出にもかかわらず、出場機会が与えられなかった。
 後半は何度かディフェンスラインの選手を入れ替え(最後はハイティンハ、スタム、フランク・デ・ブール、ゼンデン)たが、終了間際に二度ほど決定機をアメリカに与えただけで見事に零封した。


■ミニゲームに見るアドフォカート監督の狙い


 オランダは前半を4−3−3、後半を4−4−2でプレーしたが、後半の4−4−2も実質4−3−3コンセプトだった。
 前半はファン・ニステルローイとマカーイの2トップになったが、マカーイには自由な動きが右サイドで与えられていた。また左サイドのロベンも2トップシステムを強調するために中盤にカテゴライズされただけでウイングであることには変わりがなかった。
 つまりこの日のオランダ代表はDF、MF、FWとそれぞれ3人によって横のラインを形成していた。このコンセプトは前日練習でも明らかだった。

 今回、オランダ代表はあえてボスフェルト、ファン・ブロンクホルストを召集せず、20人を呼んだ。これは練習を効率よく実施するためだ。
 7対7のミニゲーム、10対10の紅白戦ではGKファン・デル・サールとバーテロスの2人はフル出場。18人のフィールドプレーヤーはミニゲームでは6人ずつに分かれ、紅白戦では9人ずつに分かれた。特にミニゲームでキッチリ選手が割り切れると、チーム交代時のテンポがいい。
 またミニゲームではキッチリとポジションが各選手に割り当てられていた。6人のフィールドプレーヤーはDF3人、FW3人による3−0−3システムで、ディフェンスでは横の連携、攻めではキッチリセンターフォワードを張らせて、左右のウイングを使うということを徹底させていた。
 もちろんポジションチェンジ無しにミニゲームを進めるのは不可能なので「3−0−3システム」はいろいろ形を変えながら1本3分が経つが、普段クラブでは4−4−2で戦う選手が多い中、3−4−3や4−3−3の感覚を取り戻すにはいいアップになっただろう。

 それから「3−3−3システム」で紅白戦をやるのだ。これによって選手を各ライン、右・真ん中・左に置くことが可能となり、左右を広くポジショニングを取ってピッチを支配する感覚ができる。
 後は紅白戦でリザーブ組のセンターハーフを務めたコクーをアメリカ戦でどこへ入れるか? 結局アドフォカート監督は無難にセンターバックへ入れ、前述の通り4−3−3にした。ディフェンスのうち1人は中盤のサポートや、サイドでのパスの逃げどころを作ったり、試合に変化をつけるために上がった。紅白戦の「3−3−3」プラス1をアメリカ戦でオランダは実践したのだった。

<後編に続く>
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