天皇杯 The 83rd EMPEROR'S CUP

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第83回天皇杯全日本選手権
4回戦 結果&戦評

2003年12月20日


柏―鹿島 試合終了間際、決勝ゴールを決め喜ぶ鹿島・中島。右は小笠原=カシマ【共同】

8強はすべてJ1勢 横浜M、磐田はJ2下す


 サッカーの第83回天皇杯全日本選手権(主催・日本サッカー協会、共催・共同通信社、NHK)は20日、各地で4回戦8試合を行い、Jリーグ1部(J1)完全制覇の横浜MはJ1昇格を決めた広島を2−1で退け、J1年間2位の磐田も2部(J2)優勝の新潟に4−0で圧勝するなど、8強はすべてJ1勢が占めた。

 J1同士の対戦では、前回準優勝の鹿島が終盤の2得点で柏に3−2の逆転勝ち。C大阪はG大阪に3−2でVゴール勝ちし、神戸はF東京との延長2−2からのPK戦を5−4で制した。東京Vは名古屋に1−0で勝った。J2の川崎、湘南はそれぞれJ1の市原、清水に敗れた。

 準々決勝は23日に行われる。


[共同通信社]



鹿島3−2柏

 ▽4回戦(カシマ)
 鹿  島  3−2   柏  
 (J1) (0−2) (J1)
      (3−0)


■鹿島、終盤に逆転 柏−鹿島評

 鹿島が前半の2失点を終盤で逆転した。後半43分に深井がこの日2点目となる同点ゴールを決めると、終了間際にはフェルナンドの左クロスに途中出場の中島が飛び込んで合わせた。後半の柏は攻撃に厚みがなかった。


[共同通信社]


■柏は「若さ」で自滅 鹿島が新人の3得点で逆転

 秋田、相馬といったベテラン選手のホームスタジアムでの最後の試合となったことで注目された天皇杯4回戦の鹿島対柏は、8000人あまりの観衆の半分近くが鹿島サポーター席を埋め尽くし大声を張り上げるという異様なムードで始まった。

 柏は、前半10分に秋田とゴールキーパーとのコンビネーションが合わずにこぼれたボールを渡辺(光)が押し込み、さらに40分に、玉田がセンタリングからのこぼれ球を豪快なボレーシュートでたたき込んで2点をリード。鹿島が追う展開で後半に入った。

 前半、ボール支配率ではやや劣った柏だったが、自分たちのボールになった時には早いボール回しでリズムをつかんでいて、これが前半の得点を生んでいたとも言えた。しかし、後半の試合の入り方が悪すぎた。完全に受け身で試合に入ってしまい、ボールを奪っても判断が遅く有効なボール回しができない。完全に鹿島のペースにはまってしまった。2点のリードが逆に消極的にさせてしまったようで、試合後のアウレリオ監督は「まだまだチームが若いということです」と嘆いた。

 対する鹿島は、前線の深井が有効にスペースへ飛び出しチャンスを演出。12分に1点差に追い上げるシュートを左足で決めると、終了間際の43分にも同点弾を決めた。そして、そのわずか1分後の44分には途中出場の中島が、左のフェルナンドから送られたセンタリングを右足で流し込み逆転勝利。鹿島が後半に挙げた3得点はすべて新人で、チームの世代交代を印象付ける試合だった。

 試合後には、この試合をもってホームスタジアムでの試合が最後になる秋田、相馬がサポーターにお別れのあいさつを行い、スタンドからは「長い間ご苦労さま」「また帰ってこいよ」という暖かい声とともに拍手が鳴り止まなかった。なお、秋田は試合後の記者団からのインタビューに対し、「移籍先は自分の中では決めました。明日(21日)に相手チームに連絡するつもりです」と述べた。


[スポーツナビ]



横浜M2−1広島

 ▽4回戦(長崎)
 横浜M  2−1  広  島
 (J1)(1−0) (J2)
     (1−1) 


■久保が活躍 横浜M−広島評

 終始優勢だった横浜Mは前半33分、上野のパスから久保がGKの頭上を越えるループシュートを決め先制。後半40分には、久保の横パスを清水が豪快にけり込んだ。広島は後半42分に服部が得点したが、反撃及ばず。


■得点、アシストで貢献 旬のストライカー、久保

 旬を迎えているストライカーの勢いは止まらない。東アジア選手権で2得点し、日本代表でも存在感を示した横浜Mの久保が、昨季まで所属していた広島を相手に1得点1アシストの活躍を見せた。 「楽しみにしていた」という古巣との対戦。前半33分、相手守備の裏へ鋭く抜け出した。上野のロビングパスがタイミングよく出る。左足のワンタッチでフワリと浮かし、飛び出すGK下田をかわして先制点を挙げた。「うまく考えてやった。落ち着いてシュートを打てた」。狙いすました形のゴールに、久保は満足そうな表情を浮かべた。

 ことし1月に、J2降格の決まった広島から、新天地・横浜Mに移籍。1年間で着実に力をつけた。「いいボールが来るので、しっかりゴールに入れる仕事に集中できる」。広島のDF上村も「飛び出すタイミングなど、ゴールを狙ういい準備が出来ている」と認めた。

 清水の得点もアシストし、チームを準々決勝へ導いた。「正月にうまい酒を飲みたい」。この勢いのまま、元日決勝まで突き進む。


[共同通信社]



市原5−0川崎

 ▽4回戦(熊本陸)
 市  原 5−0  川  崎
 (J1)(2−0) (J2)
     (3−0)


■市原が大勝 市原−川崎評

 市原が大勝。前半6分、サンドロのゴールで先制すると、8分にも村井がミドルシュートを決めて2点目。後半に入っても攻撃の手を緩めず、さらに3点を加えて突き放した。川崎は相手の速いパス回しについていけなかった。


■完敗認めた石崎監督 サッカー天皇杯

 大敗した川崎の石崎監督は「序盤の失点の仕方が悪かった。攻撃もリズムに乗れず、レベルの差を感じた」と完敗を認めた。

 この試合を最後に退任する石崎監督は「市原を相手にどこまでやれるかを見たかった。こういう結果になったけど、選手はよくやってくれた」とさばさばとした表情で振り返った。


■一方的展開にも不満 サッカー天皇杯

 市原が5−0で勝ち、地力の違いを見せつけた。オシム監督は「うまく序盤でゴールを決められた。その時点で試合は決まった」と結果に満足していた。

 前線でプレッシャーをかけ、ボールを奪っては素早くつなぎ、相手をほんろうした。一方的な展開になったが、オシム監督は内容に少し不満があるようで「ある選手が個人プレーに走りすぎてリズムを失った。サッカーはサーカスではない」と厳しかった。


[共同通信社]



磐田4−0新潟

 ▽4回戦(ヤマハ)
 磐  田  4−0  新  潟
 (J1) (2−0) (J2)
      (2−0)


■グラウ、川口が2得点 新潟−磐田評

 磐田は前半7分、前田が相手の軽率なプレーを見逃さずにボールを奪い、グラウにつないで先制。同21分にグラウ、後半早々には川口が加点した。新潟は森田、船越を投入して反撃したが、逆に川口に4点目を奪われた。


■最高の腕試しに完敗 来季へ課題残した新潟

 「いいクリスマスプレゼントをもらった。非常に考えさせられる試合だった」と、新潟の反町監督は会見を切り出した。
 J1の強豪磐田に挑んだ4回戦。J2を制して初のJ1昇格を決めた新潟にとっては腕試しの最高の舞台だったが、結果は0−4の完敗に終わった。判断の早さ、パススピード、球際の争いの強さ。すべての面でJ1トップレベルとの差を見せつけられ、J2では通用した個々のプレーも戦術もなすすべがなかった。

 前半7分、DFのミスで簡単に先制点を許してからは一方的な相手のペース。J1のレベルをよく知るベテラン山口主将も「やはりもうひと回り力をつけていかないと」と話すしかなかった。

 来季はJ1での厳しい戦いが待つ。「これをいい薬にできればいい」とは反町監督。この敗戦を来季にどうつなげるかが問われる。

■次に手応えの磐田 サッカー天皇杯

 磐田が新潟にJ1トップクラスのレベルを見せつけた。試合開始とともに高い位置から次々とプレスを掛け、速いパス回しで試合を支配。グラウ、川口が2ゴールずつを挙げる完勝だった。

 今季はここまで無冠に終わり、最後に残されたタイトルに向けての意欲は高い。後半途中からはベテラン中山、世界ユース選手権から帰国したばかりの成岡も出場し、ムードは上がっている。天皇杯を最後に退任する柳下監督も「非常にいい試合をやってくれた。次につながる」と手応えを示した。


[共同通信社]



C大阪3−2G大阪

 ▽4回戦(愛媛)
 C大阪   3−2  G大阪 
 (J1) (0−2) (J1)
      (2−0)
       延 長   
          (0−0)     
      (1−0)  


■大久保がVゴール C大阪−G大阪評

 C大阪が逆転で8強入り。前半を0−2とリードされたC大阪だが、後半の22、29分とバロンが立て続けにPKを決め同点。さらに延長後半開始早々、西沢の左クロスを大久保が頭で合わせ、劇的なVゴール勝ちを収めた。


■ここまで来たら国立で サッカー天皇杯

 延長後半にVゴールを決め、エースの役割を果たした日本代表FWの大久保。豪快なヘディングをゴール中央に決めると、気温5度の寒さにもかかわらずユニホームのシャツを脱ぎ喜びをあらわにした。

 「今日は体の切れが良かった」と塚田監督も納得の活躍だった。一方で、指揮官は「要所で見せ場をつくってくれたけれど、まだまだ彼にはやらなければいけないことがある」と、厳しい言葉の中に期待を込めた。

 「ここまで来たら国立でやりたい」と大久保。2大会ぶりの決勝の大舞台を、きっちりと見据えている。


[共同通信社]



清水2−1湘南

 ▽4回戦(鳥取)
 清  水  2−1  湘  南
 (J1) (1−1) (J2)
      (1−0)


■清水が逆転勝ち 清水−湘南評

 清水が逆転勝ち。試合終了間際、右CKのショートコーナーで三都主のクロスに森岡が頭で合わせた。先制点を許し、雪の影響で滑るピッチにパス回しも苦しんだが、前半29分にトゥットが同点にした。湘南は逸機の連続。


■ピッチ状態に苦しむ サッカー天皇杯

 懸命の除雪作業も間に合わず、開始が1時間遅れ。試合中も晴れたり、急にあられが降ったりする中、清水が苦しんで勝った。

 ぬかるむピッチにMF沢登は「ボールが止まったりして、うまく組み立てられなかった」と苦笑い。湘南は豊富な運動量で攻め、危ない場面も多かった。

 後半ロスタイムに決勝点を挙げたDF森岡は「こんな時に来てくれたサポーターのために、もう少しいい試合をできればよかったけど、勝ててよかった」と、ほっとした表情だった。


[共同通信社]



神戸2−2F東京

 ▽4回戦(丸亀)
 神  戸  2−2  F東京 
 (J1) (1−0) (J1)
      (1−2)
       延 長
       (0−0)
      (0−0)
       (PK5−4)


■神戸がPK戦勝ち 神戸−F東京評

 神戸がPK戦で競り勝った。2−0とリードしたが、後半26、44分とF東京の阿部のゴールで追い付かれた。延長でも決着がつかずPK戦へ。神戸はGK掛川が阿部のシュートを止め、全員が成功させて5−4で勝った。


[共同通信社]



東京V1−0名古屋

 ▽4回戦(長良川)
 東京V   1−0  名古屋 
 (J1) (0−0) (J1)
      (1−0)


■桜井が決勝点 名古屋−東京V評

 悪天候のため両チームともパスがつながらず、ゲームメークに苦しんだ。東京Vは後半44分、右サイドから攻め上がった桜井のゴールで逃げ切った。名古屋は終盤、押し気味に試合を進めながら、決め手を欠いた。


[共同通信社]




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