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「戦国駅伝ではない」 駒大が頭一つ抜けた存在
元東洋大監督の川嶋氏が語る全日本大学駅伝・総括

2009年11月1日(日)
4年ぶり3度目の優勝を果たした日大のアンカーのギタウ・ダニエル=伊勢神
4年ぶり3度目の優勝を果たした日大のアンカーのギタウ・ダニエル=伊勢神【共同】

 第41回全日本大学駅伝は1日、愛知県名古屋市の熱田神宮前から三重県伊勢市の伊勢神宮前までの8区間106.8キロに26チームが参加して行われ、日大が5時間21分4秒で4大会ぶり3度目の優勝を果たした。2位には昨季の箱根王者・東洋大、3位には明大が続いた。前回王者の駒大は7位に終わり、シード圏内の6位以内に入ることはできなかった。

<全日本大学駅伝 結果>
1位:日大 5時間21分04秒
2位:東洋大 5時間24分40秒
3位:明大 5時間24分54秒
4位:早大 5時間25分46秒
5位:山梨学院大 5時間26分05秒
6位:中大 5時間26分26秒
△△シード権獲得校△△

7位:駒大 5時間26分38秒
8位:中央学院大 5時間26分53秒
9位:東海大 5時間27分18秒
10位:第一工大 5時間30分35秒


 スポーツナビでは元東洋大の監督である川嶋伸次氏に、関東の大学にとっては箱根駅伝の前哨戦とも言える今大会を振り返ってもらった上で、箱根駅伝の展望を語ってもらった。

■各大学がともにミスをした

 今季は、「戦国駅伝」と言われていますが、それは違います。各チームが高いレベルで力を出し切った中だったら「戦国駅伝」と言えますが、特に今回は各大学がともにミスをしました。
 
 優勝は日大でしたが、今大会では、ギタウ・ダニエル(4年)と、ガンドゥ・ベンジャミン(1年)の外国人留学生を2人使いました。箱根駅伝では、1人しか使えませんので、本選ではどうなるか分かりません。ほかの日本人の選手も力をつけてきていると思いますが、ダニエルのところまで2分から2分半離されていても、巻き返しが可能というのは精神的にも有利ですよね。余裕がありますので。「つなげばいい」と、「離さなきゃいけない」とでは気持ちの部分で大きく違いますから。

 レース前は駒大、早大、東洋大の順かと思っていましたが、1区を終わった時点で、東洋大、早大、駒大の順になりました。というのも、東洋大の柏原竜二(2年)が2位で走り終えた後の時点で3位の早大に47秒差を付けました。
 柏原が力走した一方で、2区の宇野博之(2年)、4区の高見諒(3年)、5区の千葉優(3年)は、積極的な走りをしていませんでした。悪くはないのですが、無難にまとめてきたように思いました。レースの流れがあるんだったらついていって、その中で勝負をした方がよかったでしょうね。棚ぼたの結果だったように思います。留学生がいない部分ではトップでしたが、しっくりこない戦い方だったといえます。ただ、最終区で前を走っていた明大をかわして2位に浮上したことは評価できると思います。

 やはり各大学ともにすべて取りこぼしの状態で、他力本願な気がしました。そんな中で無難につないだのは、明大です。エースの松本昂大(4年)がいませんが、きちっとしたオーダーができていたのではないでしょうか。(10月の)出雲駅伝で12位という結果だった明大ですが、その失敗を受けてしっかりと修正できていると思いましたね。
 しかし、箱根駅伝の優勝争いに関しては、やや劣っているかなと思います。というのも、全日本大学駅伝は10キロ前後の短い区間がありますが、箱根駅伝は20キロもありますからね。

■駒大は慣れない予選会が敗因

 前回王者の駒大は7位で、シード権を逃しました。しかし、(10月17日に行われた)箱根駅伝の予選会の疲れがあったと思います。今大会、思いのほか走ったと思いますよ。4区の星創太(4年)に関してはアクシデントがありましたが、アンカーの深津卓也(4年)も、予選会(3位)で疲れがあった中、よく走りました。また、1年生に関しても、予選会での20キロを走ったダメージが残っていますね。今回は1年、4年、1年、4年のオーダーでしたから、慣れない予選会があったことが大きく影響しているでしょうね。
 駒大は、この結果を受けて修正してきますね。昨年はここで勝って失敗したのもあるので、今回の結果を受けてチームがきちっとまとまってくると思います。

 箱根駅伝を考えれば、戦力的にはやはり駒大が頭一つ抜けている状態でしょう。続くのが、早大、東洋大といったところでしょうか。とにかく、各大学の監督にとっては、胃が痛くなるようなレースだったと思います。首位が目まぐるしく変わる、出入りの多いレースというのは、各大学確実な状態ではないということです。戦力は出そろったので、あとは箱根駅伝に向けて、どうきちっと仕上げていくのか面白いところですね。


<了>

■川嶋伸次/Shinji Kawashima

1966年、東京都出身。日体大時代、箱根駅伝では山下りの6区を担当し区間賞を取るなどチームに貢献。卒業後は旭化成陸上部に入部し、各大会で活躍した。2000年の琵琶湖毎日マラソンで自己ベストとなる2時間9分04秒をマーク(日本人トップの2位)、シドニー五輪マラソン代表に選出された。その翌年に現役を引退、02年からは東洋大陸上競技部の監督に就任するが、08年12月、陸上部員の不祥事により引責辞任する。現在は旭化成に在籍する傍ら、「リスタートランニングクラブ」のアドバイザーや各種講演会、マラソンのゲストランナーとして活躍している。09年8月には自叙伝『監督―挫折と栄光の箱根駅伝』(バジリコ刊)を出版。

■関連リンク
【レース詳細】全日本大学駅伝 (2009/11/1)
【特集】学生3大駅伝2009 (2009/11/1)
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