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ハンドボール界の「生きる伝説」が戦い続ける理由 (2/2)
ソニーセミコンダクタ九州 BLUE SAKUYA 田中美音子

2009年7月7日(火)

■悲願のリーグ初優勝を目指して

田中は、結婚、妊娠を経験して、再びコートに戻ってきた
田中は、結婚、妊娠を経験して、再びコートに戻ってきた【上村周平/鹿児島県ハンドボール協会】

 鹿児島県霧島市に本拠を置く、ソニーセミコンダクタ九州BLUE SAKUYA。田中はこの地で、8シーズン目を迎えようとしている。チームは過去5年連続でプレーオフに進出するも、優勝を逃し続けてきた。04年以降の最終順位は、3位、3位、3位、2位、3位。特に、一昨年のプレーオフでは、王者オムロンをあと一歩のところまで追い込んだ。
「最後の1、2点でどうしても勝てない。そこを超えるためには、やっぱりチーム全員が自信を持って試合に臨めるかどうか、その経験の差だと思う」

 今年から新たに、元韓国代表でアトランタ五輪銀メダリストの郭惠靜がヘッドコーチ(選手兼任)としてチームの指揮を執る。田中とは、ジュニア時代からしのぎを削ってきた仲だ。
「彼女の指導は、はっきりと徹底している。難しい部分もあるけど、選手全員が理解してプレーできれば、去年よりチームとしての統一性は図れると思う」

 田中と郭。2人のベテランを中心にチームが一体となったとき、悲願の初優勝は手元にぐっと近づくはずだ。

■ただ、ハンドボールが好きだから――

 田中には、人生で忘れられない一つの言葉がある。

「夢のある人生は難しい。しかし、夢のない人生はむなしい」

 まだ、日本代表に入りたてのころに教わったこの言葉を聞くたびに、「やっぱり、夢は常に持たないと」と思い出す。では、彼女の現在の夢は何か。

「長い目で見れば、五輪出場。でも現時点では遠い夢なので、そこを見てはいけないと思う。まずは今の自分を見ないと。出産して、体がどの程度戻るのか。今は70パーセントぐらいは戻っていると思うが、実際にリーグが始まってみないと分からない。だから今は、出産前の状態と同じようにプレーできるようになることが、小さな夢ですかね」

 9月から始まる新シーズンに備え、ひたむきに汗を流す田中。伝説のプレーヤーと呼ばれるようになっても、ママさんプレーヤーになっても、コートに向かうときの気持ちは、ハンドボールを始めたあのころと何ひとつ変わらない。ただ、ハンドボールが好きだから――。

<了>

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