Sports その他
楊順行
スポーツナビ

スエマエ、納得の3位で実力を証明
バドミントン・ヨネックスオープンジャパン

2008年9月22日(月)
オグシオ不在も、スエマエら日本勢の活躍に観客が沸いた。写真は準々決勝での末綱(右)と前田
オグシオ不在も、スエマエら日本勢の活躍に観客が沸いた。写真は準々決勝での末綱(右)と前田【スポーツナビ】

 16日から21日まで開催された、バドミントンの国際大会ヨネックスオープンジャパン(以下YOJ)2008。北京五輪後初のスーパーシリーズ(以下SS)で、日本勢はすべての種目で8強以上に入る活躍を見せた。“スエマエ”こと末綱聡子、前田美順組(NEC SKY)もその一組。女子ダブルスでは05年のオグシオ(小椋久美子、潮田玲子組=三洋電機)以来の3位となり、日本人として初めて五輪で4位となった実力を証明した。

■カメラマン30人、テレビカメラ6台が集中

注目が集中することにも、冷静な姿勢を見せた末綱(写真)、前田
注目が集中することにも、冷静な姿勢を見せた末綱(写真)、前田【スポーツナビ】

 北京五輪で、日本人史上初の準決勝進出を果たしたスエマエ。注目度と知名度は、イッキに跳ね上がった。たとえば、ベスト4入りを決めた翌8月12日、ヤフーの検索ランキングで“スエマエ”は総合12位を記録。これ、フェンシングで銀メダルを獲得したあとの太田雄貴選手と同じ順位なのである。そのスエマエの五輪後の初戦とあって、コートサイドにはカメラマンが30人、テレビカメラが6台も陣取った。オグシオ以外では、かつてなかったことだ。
 ただ、メディアからの熱い視線には「こんなにも扱いが違うものかな〜」(前田)と戸惑いながら、「コートに入ったら、全然気にならなかった」(末綱)というように、スエマエは第1シードの実力を見せつけた。初戦不戦勝のあとは2回戦、準々決勝を順当に突破し、ベスト4入りを決めるのだ。

 「あいさつ回りや休養などがあり、練習を始めたのは9月8日から。それでも、劣勢でしつこくラリーができるようになったのは成長だと思います」と末綱がいうのは準々決勝、インドネシアペアに第3ゲーム6対11とリードされてからだ。チェンジエンズをきっかけに、末綱の巧みなネットで相手のミスを誘い、前田の強打などで逆転勝ち。大声援を追い風に、粘り強いディフェンスから好機をつかむラリーが目立った。前田はいう。「オリンピックを振り返ると“あそこで打っておけば”という反省があった。ですから今日は、打つだけ打ちまくっていました」。

■混合ダブルスへの挑戦が力に

「気持ちで動く」と話す前田(中央)だが、混合ダブルスへの挑戦などで着実に成長している
「気持ちで動く」と話す前田(中央)だが、混合ダブルスへの挑戦などで着実に成長している【スポーツナビ】

 9月18日現在の世界ランキングでは6位だが、昨年8月末では16位にすぎなかった。それが、急速に力をつけてきた。ペアを組んだのは04年。「経験値が、そのまま実力になる」(NEC SKY・今井彰宏監督)ダブルスでは、経験の蓄積が大きいが、見逃せないのが一線級では異例のミックスダブルスへの挑戦だ。その混合複で前田と組み、07年はSSでベスト8に2回進出しているベテラン・舛田圭太(トナミ運輸)はいう。「2人は、今年の1月あたりから目に見えて強くなってきました。組んだ当初は、スタッフから“ミックスで(前田を)育ててくれ”といわれましたが、いまは立場が逆ですよ(笑)。前田は、前衛の細かい動きがさらに良くなっていますね」。
 そのことを伝えると前田は、「圭太さんがそういってくれるのはうれしいですね」と笑顔を見せ、「ミックスをやることで、後ろからのショットが多彩になりました」とつけ加えた。大束忠司(トナミ運輸)と組んで混合にも出場した末綱も、「練習から男子の強いタマを受けることで、レシーブに自信がついた」というように、男子選手との練習の蓄積が土台にあるといっていい。
 準決勝は中国の新鋭・成淑、趙芸蕾ペアの角度のあるショット、速いタッチに敗れたが、「100パーセントの状態じゃないなか、ベスト4はまあまあ」と、末綱は納得の表情。今後は、10月から始まる日本リーグなどに照準を合わせる。

 日本リーグは8チームによる団体戦。気が早いが、NEC SKYにとっての大一番は、12月28日の三洋電機戦になりそうだ。YOJ08では実現しなかったオグシオとの対戦もあるはず。これをスエマエが制すれば――悲願の“初優勝”が見えてくる。

<了>

■関連リンク
バドミントン界のサラブレッド!? ロンドン五輪のホープを紹介 (2008/9/19)
【写真特集】ヨネックスオープンジャパン (2008/9/22)
スエマエ、廣瀬ら北京五輪代表が躍動!

楊順行

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして各種スポーツの原稿を執筆。野球、サッカー、バレーボール、バドミントン、卓球など、多数の書籍をプロデュースしている。

このページのトップへ

おすすめエントリー

編集部発ブログ

ブログ検索

お知らせ

サイト内検索:  携帯版スポーツナビ携帯版スポーツナビブログ