エスポワールシチー国内敵なし! ドバイが見えてきた=フェブラリーS (1/2)
内田博「力出し切った」、サクセスブロッケン連覇ならず
さあ、ドバイが見えてきた! JRAの2010年GIレース第1弾となる砂の王者決定戦、第27回GIフェブラリーステークスが21日に東京競馬場1600メートルダートで開催され、単勝1.7倍、断然の1番人気に支持された佐藤哲三騎乗のエスポワールシチー(牡5=安達厩舎)が圧勝。2着テスタマッタ(牡4=村山厩舎)に2馬身半差をつけ、昨年の最優秀ダートホースの力を見せつけた。良馬場の勝ちタイムは1分34秒9。
同馬は昨年5月GIかしわ記念でのGI初勝利から始まり、同10月GIマイルCS南部杯、同12月GIジャパンカップダート、そして今回とこれで地方交流合わせてGI4連勝。また、2003年の勝ち馬である父ゴールドアリュールに続く同レース史上初の父子制覇も合わせて達成し、現地時間3月27日に開催される世界一の賞金レース・ドバイワールドカップ(メイダン競馬場2000メートルAW)へ、大きな弾みをつける勝利となった。
一方、史上初の連覇を狙った内田博幸騎乗の2番人気サクセスブロッケン(牡5=藤原英厩舎)は、テスタマッタからさらに3馬身半差遅れる3着。また、注目を集めた芝組だったが、藤田伸二が騎乗した8番人気ローレルゲレイロ(牡6=昆厩舎)の7着が最高だった。
■やっぱりエスポ君はすごい――佐藤哲、相棒を絶賛
東京競馬場最後の直線、それはさながらドバイへと続くシルクロードのよう――佐藤哲三とエスポワールシチーは、文句なしの快走で“世界”へとアピールしてみせた。
「まず、ホッとしたのと、うれしいのと、思ったとおりの競馬をしてくれた。今はそんな気持ちですね」
やっぱりエスポ君はすごい――愛称で相棒を称えた仕事人。単勝1.7倍、同レース史上2位の支持率47.9%の圧倒的人気に応えた佐藤哲は、充実した表情で振り返った。
戦前はローレルゲレイロ、リーチザクラウンなど芝トップホース、それもテンに速い馬が揃ったことで、思わぬ波乱も予感させた。それは東京競馬場1600メートルダートコースはスタート地点が芝であること、また、エスポワールシチーが昨年その芝にとまどったか、スタートを失敗していることからも、陣営には一抹の不安として残っていた。佐藤哲が明かす。
「去年のスタートが速くなかったというイメージのままでしたから、不安は確かにありましたね」
しかし、ふたを開けてみれば、そんな人間側の不安はどこ吹く風。絶好スタートを切ると、スッとローレルゲレイロの番手を確保しての悠々追走。「あの形が一番」というベストのポジションで競馬ができた。
■最大の長所を生かしきり、直線は圧巻の独り舞台
もちろん、それもこれも、名コンビの佐藤哲が細心の注意を払っているからこそ。
「今回はスタートを中心とした競馬をしようと、いつもと違う乗り方をしました。向こう(ローレルゲレイロ)の方がだいぶ速いと思っていましたし、スタートを決めないと、と思っていましたから」
最大の難関を満点の解答でクリアし、道中の折り合いもバッチリ。あとは最後の直線で抜け出すだけ。抜群の手応えのまま、残り400メートルを切ったところで早々と先頭に踊り出た。
「1頭になるとソラを使う馬なので」と、スタンドで戦況を見守った安達調教師には心配もチラリと横切ったが、佐藤哲はお構いなしに容赦なく一気に突き放していく。
「あれ以上我慢して、瞬発力勝負になってもどうかなと。エスポワールシチーの持ち味は瞬発力勝負じゃありませんから。後ろからかわされる感じもしなかったし、それが彼のいいところ」
いったんトップスピードに入ってしまえば、それを長く持続できるのがエスポワールシチーの長所。それを佐藤哲は最大限に生かしきり、アッサリと勝負を決めにいったのだ。
グングンと差を広げていくエスポワールシチーに対し、昨年の覇者で同期のライバル・サクセスブロッケンも抵抗できない。それならと、岩田が駆る4歳テスタマッタが追い込み体勢に入るが、ジリジリとわずかに差を詰めるだけ。ゴールまで100メートルを残し、すでに大勢は決せられていた。
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