折山淑美
スポーツナビ

世界柔道選手権ロッテルダム大会=見どころ (1/2)
注目は男子100kg級の穴井、女子48kg級の福見

2009年8月23日(日)
全日本柔道選手権で初優勝し、天皇杯を手に笑顔の穴井隆将=4月29日、日本武道館
全日本柔道選手権で初優勝し、天皇杯を手に笑顔の穴井隆将=4月29日、日本武道館【共同】

 26日(現地時間)にオランダ・ロッテルダムで開催される世界柔道選手権。今年1月から導入されたランキング制に伴うポイントが加わる大会であり、五輪出場権獲得にも影響するため日本柔道界にとって大きな意味を持つ。30日まで5日間に渡り各階級でし烈な戦いが繰り広げられることは必至だが、日本勢は生き残れるのか――。男子と女子の注目選手、その見どころは。

■北京五輪後、意識を変えて日本一に

 昨年の北京五輪では66kg級の内柴正人と100kg超級の石井慧が金メダルを獲得した男子だが、前回の世界選手権リオデジャネイロ大会のメダルは、無差別級の棟田康幸の金と73kg級・金丸雄介の銅メダルのみ。
 その後、無差別の世界選手権が創設され、無差別がなくなった世界選手権は、石井の格闘技転向という現実も相まって、日本男子柔道の今後を占う意味でも重要な大会となった。

 その中でも最大の見どころは、前回大会で鈴木桂治が失った100kg級の王座を、全日本選手権チャンピオンの穴井隆将が奪い返せるかどうかだ。

 100kg級は、井上康生と鈴木が時代を作った階級だ。今年で25歳になった穴井は以前から素質の高さを評価されながらも、そのふたりの存在に頭を抑えられ続け、井上の100kg超級転向後も、鈴木に続く2番手の地位に甘んじ続けていたのだ。
 だが北京五輪が終わり、鈴木が100kg超級に転向してからは意識が変わってきた。「自分が100kg級の第一人者にならなければいけない」という決意が膨らんだのだ。

 昨年12月の嘉納杯東京国際柔道で優勝すると、2月のグランドスラム・パリ大会、グランプリ・ハンブルグ大会も連覇と、国際大会で実績を残した。さらに国内でも4月の選抜全国体重別選手権では「第一人者になる!」という決意通りに100kg級で圧勝。そして4月29日の全日本柔道選手権でも、決勝で棟田を破って初の“日本一”の地位に上り詰めたのだ。

■穴井に待っていた落とし穴

 選抜と全日本選手権を見る限り、たとえ舞台が世界へと移ろうと、穴井の負けを想像することは難しいと思えた。弱点と言われていた組み手の弱さも克服した彼は、鋭い切れ味を見せつけ、その表情も自信あふれるものだったからだ。

 だが落とし穴も待っていた。「外国人選手との対戦感覚をもう一度確認したい」という目的を持って出場した5月末のグランドスラム・ロシア大会では、まさかの2回戦負けを喫してしまった。全日本選手権を制して、初めて“日本のエース”と称されるまでになったという安心感に、足を引っ張られた結果だ。切れの鋭い柔道をしながらも、受けの弱さがあるというかつての弱点が、顔をのぞかせた。

 結局、それまでは1位を守っていた世界ランキングは、ファンデルギースト(オランダ・大会までに国籍変更が認められれば、ベルギー代表として出場)に次ぐ2位に下げて本番へ臨むことになった。しかし彼が、その屈辱をうまくバネにして、鋭く、強い柔道を取り戻せば、国際大会3連勝の実績から見ても優勝候補の一番手になることは間違いない。

 また、五輪連覇を達成しながらも、まだ世界選手権のタイトルは手にしていない66kg級の内柴も、体調さえ整えることができればチャンスはある。

 <続く>


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世界柔道特集――ニュース、コラムなど (2009/8/22)
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