大会インデックス
WBC世界フライ級タイトルマッチ
 |
■試合前
場内が暗転し、スクリーンに内藤、亀田それぞれの試合へ向けての意気込みが映し出される。先に入場は亀田。サバイバーの「バーニングハート」をBGMに大毅と和毅の弟たちを引き連れて入場。ファンの歓声を煽りながら花道を歩き、時おり笑顔も見られる。 続けて内藤が入場。BGMはC−C−Bの「Romanticが止まらない」。こちらは亀田とは対照的に、厳しい表情で気合いの声を発しながらリングへ向かう。
亀田は手を胸に当て、内藤は歌詞を口にするようにして国歌吹奏を聞く。リングコールの間、内藤は動きを止めずシャドーボクシングを続ける。対する亀田はあまり動かずじっと内藤を見やる。
■試合経過
1R 内藤は歩を進めてリング中央に出る。ジャブを伸ばし、時おりドンとリングを踏むようにして威嚇をかける。亀田は距離を取り対峙する。両者にバッティングがありレフェリーが注意する。内藤は右ストレートを顔、ボディと振るっていきそこから左フック。これがとらえるが、亀田の左ストレートもとらえる。内藤は左右のフックを振るい積極的に仕掛けていく。亀田はバックステップして距離をあけるか、クリンチしてこれを押さえる。中盤以降、亀田は長めに距離を取る。内藤は右のパンチをフック、ストレートを打ち分ける。しかし亀田も飛び込むようにしての左ストレートを当てる。
2R 再び内藤がリング中央に立つ。内藤はジャブ、ストレートを伸ばしていくが、亀田はこれを距離をあけて見切ってかわす。内藤が入ってきたところに右フックを振るって合わせる。内藤は懐に入っていくが、ここで亀田が左ストレートを振るってヒット。さらに亀田は離れた位置から左ストレートを振るって入るが、内藤はこれを当てさせず左フックをヒット。 亀田の左ストレートが当たり、内藤は一瞬腰が砕けたようになる。これを機にやや亀田が出てくるようになる。内藤は先ほどの左ストレートによるものか、鼻血が見られる。内藤は右フックを振るっていくが、そのインサイドから亀田の左ストレートがヒット。しかし、これはそれほどダメージはない。
3R このラウンドも内藤が中央に立つ。亀田は内藤との距離が詰まると顔の前にグローブを上げガードを固くする。内藤は踏み込み、ダッキングを見せ、亀田を幻惑せんとする。ロープに詰める内藤だが、ここは亀田がクリンチして押さえる。 プレッシャーをかける内藤だが、思ったように攻勢をかけられていないか。しかしダッキングのようにしゃがみ込んでから右フックを放ってヒットさせる。なおも亀田を追う内藤。右ストレート、右フックと放っていくが、亀田も左ストレートのカウンターを振るって来ており、内藤の追撃はクリンチして押さえる。終了間際にはガードを下げ内藤を挑発するような素振りを見せる亀田。
4R 前に出ようとする内藤を亀田は右ジャブを突きけん制する。内藤はリングをこれまでのラウンドより回って使い、ジャブと右ストレートを伸ばしながら懐に入らんとする。亀田をロープ・コーナーに詰め、右フックを振るっていく内藤だが、亀田はここから脱し、当たってないぞとばかり拳を振り、マウスピースを浮かび上がらせて見せる。 内藤が追い、亀田がリングを回るという展開に再び戻る。ラウンド終了間際、亀田をコーナーに追い詰めた内藤は左右のフックを強打で振るい猛攻をかけるが、亀田はボディワークを駆使して当てさせず。当たってないぞと片腕でガッツポーズを作ってコーナーへ帰る。
5R ジャッジ1人が亀田を支持して中盤戦へ突入。内藤は戦法を変えず前に出る。亀田はややフットワークを減らしてグローブを立ててのブロッキングにディフェンスの比重を変えているか。 内藤は右ストレート、右フックを振るっていくが、亀田も左フックを返してヒット。内藤はこのラウンド右ストレートのヒットが増える。だが、亀田も内藤の入り際に左ストレートをカウンターで振るってけん制する。
6R 亀田は内藤とリング中央で対峙する。いったんロープ際に下がった亀田だが、踏み込みながら左ストレートを振るって入ると、これが内藤にヒット。内藤は再び鼻から出血。亀田を追いかけ、内藤はジャブから右フックを振るっていく。しかし、これは亀田のブロックに阻まれているか。 亀田はガードを固くし、これまでより足を使わず前に出てくる。内藤は頭を左右に振りながら右・左とフックを振るっていく。しかし、亀田へのクリーンヒットをあげられていない。
7R 内藤はジャブを出し、フックのフェイントを見せながら亀田との距離を詰めようとする。ダッキングで亀田の懐に入った内藤は打ちおろすように右フック。これがかするようにヒットする。 亀田は内藤を入らせないようにするためか右ジャブを強く出す。さらに左足を踏み出しながら左ショートストレートを連打して出す。 プレッシャーを受け流すためか、亀田は再び足を使ってリングを回る。内藤の左ボディに亀田は左フックをカウンターで狙う。内藤は手ごたえを感じたか左ボディを再び振るっていく。さらに内藤は右フックをつなげるが、亀田もここへアッパーを突き上げていく。
8R 亀田は内藤との距離を大きくして構える。そして内藤が踏み込んで放ってくる左ジャブと右フックをバックステップを合わせて見切ってかわす。逆に亀田はステップインすると、左のストレートをショートで放ってヒット。 亀田はバックステップとサークリングで巧みに内藤との距離を保つ。内藤を右ジャブでけん制し、入ってきた内藤をクリンチで押さえ、さらに右フックのカウンターも巧打する。 内藤は右ボディストレートから入って右フック。しかし、亀田はこれを受けてもひるんで下がることなく内藤に向かう。
8Rまでの採点は77−75、77−75、78−74で3者とも亀田を支持する。
9R 鼻の腫れが見られる内藤はオープンスコアリングで劣勢のこともあり、いっそう亀田に向かっていく。だが、亀田はバックステップとサークリングで内藤の拳に空を切らせていく。距離が狭い位置では、ガードしてブロッキングで内藤のパンチを弾く亀田。ロープを背負わされるとブロックに徹し、それからプッシング、クリンチして内藤のパンチを被弾しない。亀田はノーモーションでいきなり放つ左のショートストレートがよく内藤の顔をとらえている。
10R 内藤は右ストレート、右フックから打って入り、そこから左フックをつなぎ亀田を追っていく。入り方に強引さが見えてきた内藤。しかし、亀田もガードを堅固にしている。コンビネーションの最後にビッグパンチを振るっていく内藤だが、これは亀田が当てさせない。 内藤が強めてくるプレッシャーと勢い、トリッキーさ、しかし亀田は自身の戦いを崩さない。 ロープに詰められる亀田だが、ガードを固めて打ち終わりに右フックを返し、その後でロープ際から出る。ややスピードが落ちてきた内藤に、亀田は左ストレートを見舞ってラウンド終了を迎える。
11R 内藤は前に出る。亀田はロープを背負うが、すぐにリングを横へ回って内藤のプレッシャーから逃れる。内藤の右ストレートをバックステップとサークリングで空振りさせ、逆に踏み込んでのショートストレートで内藤からヒットを奪っていく。 亀田をどんどん追っていく内藤だが、亀田はロープ・コーナーを背負うと横へステップしてその場にとどまっていない。亀田はガードを高くしてステップで空振りを呼び、内藤がバランスを崩したところを打つ堅実な攻め。
12R 最終ラウンド、両者はここまでの健闘を称え合うようにしてから最後の3分間に臨む。 亀田はリング中央で内藤を迎え撃つが、ガードは顔の前で固く保ち、内藤の打ち終わりに左ショートストレートを放ってヒット。内藤は左フック、右ストレートを振るっていくが、亀田はステップとブロックで当てさせない。内藤はなおも右フック、左フックと振るって追っていく。下がらせられる亀田だが、ブロッキングで内藤のフックを防ぎ打ち返しの右フック、左ストレートを見舞っていく。内藤の振るっていく左右フックのインサイドから、亀田はインサイドを取りストレートを放つ。
判定は116−112、117−111、117−111で亀田が新チャンピオンに。
内藤が亀田に歩み寄り祝福の言葉をかけた後で、亀田への勝利者インタビューが行われる。
亀田 「今はもう言葉がないですね。ここまで応援してくれたファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだ夢の途中なんでね。親父、どんなもんじゃい! 亀田家のファンの皆さん、ほんまにいつもありがとうございます」
■試合後のマイク
亀田 「今日のベルトは僕を生んでくれたお母さんに捧げたいと思います。これからも努力して、アジアを代表するよう、マニー・パッキャオみたいなボクサーになっていきたいと思いますので応援よろしくお願いします。それから内藤選手、ありがとうございました!」
■試合後のコメント
■亀田「もっと強い、尊敬されるようなビッグな王者になりたい」
──「因縁」と言われた内藤選手との対戦、どういう気持ちで臨んだ?
試合の1カ月前くらい前までは大毅の仇(かたき)とかいろいろ考えたけど、リングに上がったら「勝ちたい」という気持ちだけ。
──「チャンピオンベルトはお母さんにささげる」と言っていました。
1本目のチャンピオンベルトは親父に、2本目のベルトはお母さんに。 もっともっと強い、尊敬されるようなビッグなチャンピオンになりたい。
──作戦は?
自分の距離を保って戦うこと。詰まらず、離れず、相手の打ち終わりを狙ってパンチを返す。
──左ストレートは内藤対策として身に付けたもの?
ノーモーションの左は昔から練習していた。 練習していたアッパーが入ればもっといい試合になった。2、3発良いのは入ったけどまだまだ。
──内藤選手の圧力は強かった?
弱い選手ではない。でも打ってきてくれるからタイミングは取りやすかった。
──12ラウンド開始時、内藤と何を話した?
何も話してないです。「お互い健闘しましょう」という気持ちを表した。 良い試合ができて内藤選手には感謝している。目上の人だし。
──今までで1番苦しかったのは今日の試合?
1番苦しかったのは(フアン・)ランダエタと戦った1回目の試合かな。ダウンしてから何も覚えていないし。 メキシコで目を切った試合も苦しかった。 次は大毅の番。大毅にはもっとガンガンいってもらわな。リングで言おうと思っていて忘れてしまった。「オイ、大毅見てるかコラ!」と。
──父・史朗さんはリング下で泣いていました。
家では弱気な姿など見せないけど、苦しい思いをしていることは見て分かっていた。親父を喜ばせてあげようという思いは強かった。 時間がかかるかもしれないけど、また“亀田トレイン”で入場できる時が来るといい。 そのためには結果を残してファンの皆に認めてもらうこと。今日はその第1歩。
──内藤選手と亀田家の戦いは今日で終結?
まあ、そうかな。もっと強い相手と戦って、階級も上げていかないといけない。
──今後は?
甘いスイーツでもいっぱい食べるかな。減量中に食べられなかった分、食べ歩きとか。 誕生日も練習だったし。 いっぱい食べて、いっぱい練習するよ。
■内藤「期待を裏切る試合をしてしまってすみませんでした」
残念です。期待に応えられなかった。 これが自分の実力です。 今日来てくれたお客さんたちに申し訳ない。
──試合を振り返ってみてどうか?
ジャッジの判断は受け止めるしかない。
──8ラウンドの採点公開に驚いた様子でした。
4ラウンドの採点から差が開いていたのでちょっとびっくりした。
──亀田選手と対戦してみた感想は?
結果がすべて。彼の方が強かった。
──内藤選手は“国民の期待”とされていたが。
裏切りました、申し訳ない。 僕は口だけの男です。
──今後は?
まったく考えていない。ゆっくり考えます。
──今1番したいことは?
別にないです。
──「悔しい」というのは「まだまだできるはず」という思いから来るもの?
いや。今日、結果が出せなかったこと。悔しい、情けない。
──亀田のアウトボクシングは想定以上の内容だった?
想像以上に上手だったということ。
──入場で雄たけびを上げていた。どういう気持ちだった?
もちろん「勝つぞ!」という気持ちだった。
──内藤選手は殴り合いを仕掛け、アグレッシブに見えた。
(ポイントを)取り返そうと前に出たけど(ジャッジの評価として)認められなかった。 向こうの方がうまかったということ。
──ジャッジには納得している?
納得しなきゃいけないこと。家に帰ってテレビを見てみる。 ジャッジは覆ることじゃない。受け止めます。
──宮田会長は、どう思う?
内藤にカウンターを狙うボクシングをさせることもできたが“国民の期待”を背負っている以上“殴り勝つボクシング”をするように、毎ラウンド指示をした。
──試合後、奥さんからは何と?
いつもどおり「お疲れさま」と言ってくれた。僕からは「ごめんね、負けちゃったよ」と伝えた。
──ファンにメッセージを。
期待を裏切る試合をしてしまってすみませんでした。 情けない。 本当に悔しいです。 すみませんでした。
|
|
|
|