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K−1 WORLD GP 2002 in さいたま



大会インデックス
第1試合 第2試合 第3試合
第4試合 第5試合 第6試合


メーンイベント
× ボブ・サップ
(米国/チーム・ビースト)
1R 1分26秒
左ストレート→KO
ミルコ・クロコップ
(クロアチア/クロ・コップスクワッド)


試合経過


“K−1のポリスマン”ミルコ・クロコップがビースト狩りに成功! 超獣ボブ・サップのガードを左ミドルで下げさせると左ストレート一閃。見事マットに沈めた。「体重のアドバンテージも2、3分経てばなくなる」と戦前に語ったとおり、サップの突進を闘牛士のごとくかわしたミルコは、サップの圧力にもまったく動じず、コーナー際でも差し返す力強さを見せると、間合いの空いたサップに、左ミドル! さらに狙いすましたような左ストレートをクリーンヒット! パンチを右目にまともに浴びたサップは、痛みに恐怖の表情を浮かべゆっくりとマットに崩れ落ちた。超多忙の中、最大の敵を迎えたサップはK−1で初のKO負けを喫した。試合後、10日前に風邪をひき前日まで高熱だったことを明かしたミルコは「サップの攻撃で効いたものは何もない。総合ルールでのリマッチも問題ない。次は3度負けている“レジェンド”ホーストにリベンジし、GPで優勝したい」と自信たっぷりに語った。

入場 先にミルコが「ワイルドボーイ」で入場。花道に陣取るクロアチアから訪れたファンの声援に応える。サップはいつもの『2001年宇宙の旅』のテーマ曲「ツァラトゥストラはかく語りき」で白のガウンを纏い入場。一気にガウンを脱ぎ捨てリングに向かう表情はすでにビーストモード。最後は猛ダッシュでリングイン。チーム・ビーストの宮本らがわきを固める。宿泊先を別にし会見でも対面しなかった両者がついに対峙。リングアナのコールに両手を挙げるミルコ。サップも野獣の表情でコールに両手を広げてミルコを睨む。K−1競技統括プロデュサーの角田氏自らレフェリーを務める。

1R いよいよK−1頂上決戦のゴング! ゴング前からがっちり顔面のガードを固めるサップは、ホースト戦のように一気に前進。ミルコは左に回り込んで突進を避けると、後退しながらいきなりの左ハイ! しかし、これをガードしたサップはまったく動じず前進、大振りのフックを振り回していく。

 サップのパンチをスウェイでかわすミルコは、タックル気味にわきを差し、クリンチ。さらに離れては左ミドルを効果的に決める。「1R以上戦うつもりはない」と公言しているサップは徹底した短期決戦狙い。ガードを固め、ひたすらミルコを追い込んでいく。何とかコーナーに追い詰めるサップだが、ミルコはコーナーに詰まるとすかさずクリンチ。差し合いから豪腕で突き放そうとするサップだが、総合でも連勝中のミルコは驚異的な力強さとボディーバランスで差し合いをも制すると、サップは動けず。サップが繰り出したひざ蹴りがローブローとなり、注意が与えられインターバルに。

 試合再開後、なおも前進するサップは、右の大きなフック。それをかわすミルコがクリンチしたところで1分が経過。パンチを出せないサップの出足が止まると、両者見合い。またもサップがコーナーからコーナーへ追い込んでいくと、素早いステップでかわすミルコは、左に回り込みながら左ミドル! サップは右腕でブロックしたものの、右のガードが下がり、顔面ががら空きに。そこを見逃さず、ミルコはちょこんと当てた右から狙いすましたような左ストレート! これがサップの右目を直撃し、サップはほんの少し間を置いてから、痛みに気付いたかのようにゆっくりとマットに崩れ落ちた。ミルコはVTのようにすぐに追い討ちをかけようとしたが、そのまま苦悶の表情でマウスピースを吐き出し立ち上がってこないサップを見て、勝利を確信。10カウントの後、リング上で咆哮! セコンドのズボニミール・ルチッチ氏らと勝利の抱擁をかわした。1R1分26秒KO。ミルコはコーナーポストに上り、歓喜のガッツポーズで勝利をアピールした。

 鮮烈なKO劇に場内は総立ち。ドクターチェック後、立ち上がったサップはミルコと抱擁。「グッドボクシング!」とミルコをたたえると、リングを後にした。その表情は涙目。右目はみるみるうちに腫れ上がり、ほとんどふさがった状態。リング上でマイクをとったミルコは「わざわざクロアチアから試合を応援にきてくれたファンのみんな、ここまで助けてくれてありがとう」と感謝の言葉。さらに日本語で「愛してます、ジャパン」とあいさつし、クロアチアの国旗を両肩に纏い、あらためて勝利を喜んだ。

 その後、サップを除く出場選手がリングイン。“フォータイムス・チャンピオン”のホーストはGPのベルトを肩に掲げ、王者をアピールした。そして角田プロデューサーが「K−1は常に進化を止めません。足元を見つめ直し、再出発したK−1をよろしくお願いします」と新体制でのリスタートに自信を見せた。サップは会見をキャンセル。右目眼下底骨折の疑いで、さいたま市内の病院に直行した。関係者によれば、サップはミルコのパンチのあまりの痛みに驚き、パニックに陥り、立ち上がることができなかったという。無敵を誇ったサップ陥落により、母国凱旋となるラスベガス大会出場も危うくなってきた。ミルコはGP戦線に名乗り。再戦はGP開幕戦か決勝大会か、それともVTか。10周年を迎えたK−1に新たなうねりが生まれた。


コメント



■ミルコ 「人生で一番大きな勝利」

――試合に勝った感想は

 大変うれしいし、すごい気持ちがいい。

――ボブ・サップはどうでしたか

 ボブ・サップは本当にビーストで、すごい強くていいファイターだと思う。それでみんな知らないと思うけど、この10日間、私は風邪を引いて、昨日の夜も熱があった。(今日は)緊張したけど、結果的には自分にとって人生で一番大きな勝ちだと思う。

 いろいろな競技があるが、格闘技の世界で負けるつもりがないので、K−1の優勝も、ほかの競技の優勝も狙いたい。

――熱はどれぐらい出ていたのか

 このことを今言ってもどうか、と思ったけど、事実は事実だから。2週間前にクロアチアで風邪を引いて、練習ができなかった。実は一昨日のフォートセッションも熱があって出られなかった。昨日の夜も汗が出すぎて、3回ぐらいシャワーを浴びた。非常につらい状況で、自分の力が30パーセントダウンした。でもそれを言っても言い訳ではないし、準備はしっかりしていた。私が準備の仕方が分かっているからだと思う。

 昨日の記者会見も出るか、出ないか、ずっと考えたけど、でも出ないとみんながいろいろ言うと思って、ちょっと熱があっても出た。僕の病気の話はこの辺で止めたいと思う。ほかの質問は?

――勝因は

 自分のテクニックとスタミナには自信がある。でも心配したのは病気のことだったけど、自分のテクニックとスタミナを信じた。それが一番大事だったと思う。

――自分から距離を詰めていたのは作戦だったのか

 皆さんは、ミルコが左ハイキックしかないと思っているかもしれないけど、本当にどういうファイティングスタイルでもできる。パンチもできるし、キックもできるし、それをみんなに見せたかった。

――サップ選手の攻撃で効いたのは

 何もない。当たってないから。

――サップは何が効いて倒れたと思うか

 それは簡単な答えだ。左のストレートだよ。試合をちゃんと見ていたの(笑)?

――サップが総合ルールの再戦を要求したらどうするか

 ぜんぜん問題ない。どういう相手でも、どういうルールでも私は戦う。

――K−1ルールで今後戦いたい相手は

 私は特に戦いたい相手はいない。私とやりたい相手がいればいつでもいい。

――閉会式が終わった後、携帯で連絡していたのはだれか

 奥さんと私の母。2人とも泣いていて、あまり話にならなかった。

――クロアチアからの応援団が来ていたが

 わざわざクロアチアから来てくれてすごいうれしかった。でもクロアチアでもみんな生放送を見ていたと思うので、それはすごいうれしいことだ。

 みんなが来てくれたのは、相手がボブ・サップだから。ボブの力と強さはクロアチアでもみんな見ていたから。それはボブのすごさの証拠だと思う。

――K−1でやり残しているのはホースト選手だけだと思うが

 そうだと思う。ホーストは4回王者になったし、私自身も3回負けているし、今年のGPの決勝でホーストと戦いたい。彼はK−1のレジェンドだけど、私もタイトルを取りたいと思う。

――今日のホーストの戦いぶりは

 見たけど、ホーストは、今日は難しい試合ではなかった。

――ホースト選手には勝てるか

 準備がよくできたらホーストにも勝てると思う。


■サップ 「……」

(右目の眼窩底骨折の疑いで病院に直行のためノーコメント)





試合の見どころ


 昨年、格闘技界を席巻した"超獣(ビースト)"ボブ・サップがピンチを迎えている。その人気ぶりは、CM契約が10社にも昇るほど。多忙なスケジュールの中、調整不足がささやかれている。しかも、相手は"見えない左ハイキック"を武器に桜庭和志や藤田和之を下し、レスラーハンターの異名をとるミルコ・クロコップ。今大会に出場するK−1戦士もミルコ有利と見る向きが多い。

 ミルコは、警官の仕事を辞めてトレーニングに集中。私生活でも男子誕生に恵まれるなど心身ともに充実。練習では自身より62キロも重いサップ対策として、130キロの巨大スパーリングパートナーを用意。さらに170キロもの荷重をかけたスクワットトレーニングを敢行。パワー対策も万全だ。しかし、サップは「1ラウンド以上、試合をするつもりはない」と秒殺宣言。サップ危うしの声をその異常なパワーで跳ね返すか。03年、K−1ヘビー級はいきなりの頂上対決を迎える。

  


  


  


  


  


  


  


  


  


  


  


  


  


  



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