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曙 「耐えてしのぐ」
サップへのリベンジに闘志
2004年1月1日
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サップとのリベンジ戦に意欲を見せた曙=名古屋【スポーツナビ】
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「耐えてしのぐ」――曙太郎が新年に戦いの決意をあらたにした。大みそかの「Dynamite!!」から一夜明けた1日、曙が晴れやかな表情で会見。「昨日の試合は始まり。連敗は許されない。今年は耐えてしのぐ」とサップ戦敗戦の苦難を乗り越え、リベンジすることを誓った。
最後まで前のめりに
「曙コール? 前へ出るしかなかったから」。元横綱は最後まで前のめりだった。いきなり“野獣”サップとの一騎打ちとなった格闘家デビュー戦。開始早々、真っ向から打ち合いを挑んだが、コーナーを背負ったところでサップの右の強打をカウンターで浴びてダウン。4万人を超える観客からの大きな「曙」コールを背にカウント9で立ち上がったものの、体ごとぶつかっていったところで追撃の右ストレートを受け、1R残り2秒を残してリングに前のめりに沈んだ。
「最悪のニューイヤーだよ。練習期間? 2年くらいほしかった」。笑いながら曙は1カ月半の濃密な時間を振り返った。サップに比べ、足りないものが「経験」であることは明らかだった。それでも、4万3560人満員の観衆にアガることはなく「(リングの外は)意外に気にならない。たったの3分1Rだったけど、セコンドの動きも見えたし、声も聞こえた」。2度のダウンによる衝撃的な幕切れにも「悩むことじゃない。1カ月半、びっちりできるだけ練習して、自分の中ではベストの状態で臨んだ」と胸を張った。
限られた時間の中で叩き込んだ練習の成果は出せたと自負する。「あのパンチをもらうまでは、前に出てジャブを打って、蹴りもブロックした」とサップのローキックに自然と体が反応したことを前向きにとらえているが、ローは「痛かった」と本音も漏らした。
ワンツーと強力な押しでコーナーに詰めたが「その後の経験がなかった」。土俵から突き出すことが勝負の相撲との違いに攻め手を失った。1回目のダウンは「たいしたダメージはなかった」という。試合前にセコンドから「もしダウンしたらカウント8まで立つな」とキツく言われていたことを思い出す余力があった。マット上で息を吸って立ち上がってコーナーを見て指示を聞いた。「ジャブを打て! ジャブだ」というセコンドの声も聞こえていたが、知らず知らずのうちに大きく殴り合いにいってしまった。しかし、「時間が飛んだ」というカウンターのパンチをもらうまでは勝負は五分だったと考えている。チャンスはあった。それを活かす手立てがなかった。
いいライバルができた
「でも昨日、本当に楽しかったんです」。ひざの故障から相撲を引退。再び戦いの舞台に立てたことに曙は心から喜びを感じていた。会見までは挑発を繰り返したサップだが、試合ではまっさらな瞳で向かい合うことができた。「尊敬しあってる者同士がぶつかることに感動した」。
曙を突き動かすのは戦いへの畏敬の念と、ライバルの存在だ。相撲界を飛び出した自分の戦いの元に駆け付けてくれた貴乃花とは試合後に黙礼を交わした。「(曙とは)あうんの呼吸がある」と貴乃花が語ったようにライバルとのしのぎの削り合いが、曙の足を前へと向かわせる。「昨日、気付いた。僕は幸せなんだと。若貴兄弟がいて“曙”が大きくなった。サップさんには負けたけど、僕が突き飛ばしたりしたことで(観客にとって)サップさんが小さく見えたのは初めてなんじゃないか。いいライバルができました」と、新たな盟友の誕生に顔をほころばせた。
敗戦を糧とすることも忘れない。「(K−1の)経験がまったくなくてKOで勝っていたら調子に乗って練習したり、自分の先はダメになっていた。言い訳じゃないけど、自分にとっては良かった」と戦いへの真摯な気持ちを表した。今後の課題はスタミナアップとデフェンス技術の向上だ。サップ戦では、同じポリネシア系のK−1戦士レイ・セフォーがコーナーマンを買って出たが、「これからは実際にスパーリングしてもらえたらうれしい」とK−1本格参戦に燃えている。
サップ戦は始まり
試合終了直後には5歳になる長女のケイトリンちゃんが頭から上着をかぶって戸惑いを見せたが、長男のコービーくん(3歳)からは「何で寝てたの?」と訊かれた。クリスティーン夫人からは体のダメージのことだけを心配された。「これで気持ちを落とすわけにはいかない。“楽しい”目標ができた」。父の戦う姿は見せた。次は父が勝つ姿を見せるつもりだ。「もし許されるのなら体制を立て直してもう1回、やりたい」。サップにリベンジ? と問われると「そうなりますね」と静かに語った。
試合後は念のため病院で体を検査したが異常はなかった。「火がついた。ゆっくりやれるほど甘くない。できれば明日からでも(練習)したいけど、(ドクターから)休めと言われている。許しが出ればまたやりたい」と早くも視線は次戦へと向かっている。谷川プロデューサーにはサップとの再戦を直訴した。早ければ来春にも実現の可能性が浮上するが連敗は許されない「昨日の試合は始まり。これから練習にしても試合にしても“うんと”厳しくなる。今年を一言で言えば“しのぐ”こと。耐えて凌ぐ」――04年、曙は2週間弱の休養を経て、松の内に始動する。
▼曙vsサップ 激闘プレーバック
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