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侍ジャパンを連覇に導いた指揮官の強い信念 (1/2)
WBC日本代表リポート 決勝・韓国戦

2009年3月24日(火)

■「プレッシャーを感じながらやるのは当たり前」

試合後には日本国旗を掲げてウイニングランを行った原監督(中央)。強い信念で日本を連覇に導いた
試合後には日本国旗を掲げてウイニングランを行った原監督(中央)。強い信念で日本を連覇に導いた【Getty Images】

 小学校の図書館で「ベーブ・ルース物語」を読んで以来意識していたというベースボール発祥の地である米国で、日本代表・原辰徳監督が3度宙に舞った。2月15日に出港した“侍ジャパン”という名の船が、無事「世界一」という目的地にたどり着いたことの証しだった。誇りとあこがれであるジャパンのユニホームを身にまとった、日本野球人を代表するメンバー28名を船員に従え、厳しい航海を続けた船長の涙腺は心なしか緩んでいた。

 WBC決勝という大一番で、ドジャー・スタジアムに集った5万4846人の半数以上は韓国応援団。韓国語で「テーハミングク(大韓民国)」という大合唱が鳴り響くアウェーの中で、「プレッシャーを感じながらやるのは当たり前で、大きな試合であっても私の心理はそれほど変わりはない」と原監督は少しも動揺することはなかった。
 バントで、盗塁で、エンドランで韓国を揺さぶった。「胸と胸を突き合わせて正々堂々と勝負する」という侍ジャパンの野球を貫き通し、延長10回という大接戦の末に5対3と今大会5度目の日韓戦を制した。

■勝利への思いがコンディション重視のさい配へ

 今大会を通して侍ジャパンには数々の大波が襲いかかった。チームリーダーであるイチローの低打率、守護神・藤川球児の不調、1次ラウンドでチームトップの打率を残した中島裕之が米国アリゾナ合宿中に発熱、決勝ラウンドを前にしてチーム一の長距離砲である村田修一の故障による離脱。

 それをはねのけたのは、「コンディションがもっとも大切」という宮崎合宿から何度も口にした指揮官の強い信念だった。昨シーズンわずか3犠打のイチローに送りバントのサインを出した。藤川に代わって決勝ラウンドの抑えにはダルビッシュ有をマウンドに送った。中島の体調が戻るまで片岡易之をスタメンに起用した。試合中に村田がケガをすると、試合中にもかかわらず栗原健太を代替メンバーとして呼び寄せた。米大リーガーの福留孝介でさえも決勝ではスタメンから外した。そして、15名の野手がいつ何時でも戦える状態にあると見抜いていたからこそ、左投手には内川聖一、右投手には稲葉篤紀や川崎宗則など状況に応じたオーダーを組んだ。
 勝利への飽くなき思いがコンディション重視のさい配へ結びついた。

「一日一日チームがまとまって、団結して、進化していきました。前回大会の世界一に恥じないV2が達成できました」
 野球世界一を決めるWBCという大海原で、充実した長旅を送った指揮官は胸を張った。

 <続く>


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