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佑ちゃんだけじゃない! 早大日本一の要因
第56回全日本大学野球選手権決勝リポート(1/2)

2007年06月17日
スポーツナビ
33年ぶりの優勝が決まり、マウンドで抱き合う早大ナイン
33年ぶりの優勝が決まり、マウンドで抱き合う早大ナイン【 Photo by 島尻譲 】

斎藤、2度目の胴上げに「最高です」

【決勝 早大 4−1 東海大・神宮球場】 昨夏の甲子園から続く斎藤佑樹(1年・早稲田実高)の不敗神話に導かれるように、早大が1974年以来33年ぶり3度目の日本一に輝いた。東海大との決勝戦、初回に田中幸長主将(4年・宇和島東高)のレフト犠牲フライで1点を先制すると、4回に小野塚誠(4年・早稲田実高)が2ラン。1点を奪われた直後の7回には原寛信(1年・桐蔭学園高)の二塁打をきっかけに相手のエラーもあり、4点目を挙げた。大学では初めてとなる2試合連続先発の斎藤が6回途中まで7安打を打たれながら、1点に抑える好投。その後、松下建太(2年・明徳義塾高)が無安打リリーフで東海大打線の反撃を封じた。春先の佑ちゃんフィーバーやプロ野球からの金銭授受問題が発覚するなど激動の春季シーズンを日本一という輝かしい結果で締めくくった応武篤良監督は、「この半年いろいろなことがあって選手たちは苦しんできたけど、結果を残せて良かった」と目を潤ませた。2勝を挙げて、今大会の最高殊勲選手(MVP)に輝いた斎藤は、リーグ戦に続く2度目の胴上げに、「最高です」とはにかんだ。


ミスにつけ込むソツのなさが見事

ソツのない攻撃を見せた早大。田中主将の勝負強さが光った
ソツのない攻撃を見せた早大。田中主将の勝負強さが光った【 Photo by 島尻譲 】
 MVPの斎藤をはじめ、最優秀投手賞を獲得した松下、エース番号の11を背負う須田幸太(3年・土浦湖北高)ら安定した投手陣と、それを無失策で支えた守備陣が優勝への原動力となった。ただ、4試合で1本塁打ながら32得点を奪った打線にも注目したい。決勝の東海大戦では、2点差に詰め寄られた7回1死三塁。左打者の川畑依啓(3年・桑名高)が三塁側にたたきつける打球を打つ。人工芝は土のグラウンドと違って打球がはずむ。人工芝のグラウンドに慣れていない東海大の三塁手・岩崎恭平(3年・東海大相模高)のエラーを誘った。東海大・伊藤栄治監督が、「日ごろリーグ戦で戦っている神宮球場の人工芝での戦い方を知っている」とうなるほどの試合巧者ぶりを見せた。
 さらに、今大会4試合で早大と戦ったチームのエラーは4個だったが、それをすべて得点に結びつけた。特に大差で勝利した準決勝の創価大戦と準々決勝の関西国際大戦は相手のエラーから大量点を奪い、序盤に試合の流れを決定づけた。応竹監督は「野球はミスの攻防戦ですから。守備にミスが出たら攻撃側はチャンスになる。でも大量点に結びついたのはたまたまですよ」と振り返ったが、ミスを逃さない打線の集中力は見事だった。「早大は強かったが、びっくりするイメージはない。ただミスにつけ込むソツのなさは見事」(関西国際大・鈴木英之監督)の言葉が、今大会の早大を象徴している。


佑ちゃんフィーバーで大観衆に場慣れ

 もうひとつの要因として、場慣れという点も大きかった。「優勝決定戦でも1000人ぐらいしか集まらない」(九州国際大・伊藤健治監督)地方のリーグと違い、ことしの東京六大学でのの早大戦観客平均数は約2万人。準決勝で敗れた創価大・岸雅司監督は、「うちの選手と違って、早大はこのような大観衆でも、いい意味で遊びで野球をやっている。野球を楽しんでいる」。斎藤入部で春先から注目を集め、大観衆に見られることに慣れている早大と、1万人を超す大観衆の前でやるのが初めての大学とでは、最初から心理面で大きな差があったのは否めない。

『ドカベン』という神奈川の明訓高に通う高校通算打率7割5分の山田太郎を主人公にした漫画がある。神奈川では白新高や東海高、横浜学院高といった高校が、全国では高知の土佐丸高や大阪の通天閣高などが、「打倒・山田! 打倒・明訓」を目標に熱戦を繰り広げるストーリーだ。大学1年で日本一に輝いた斎藤は、「これからの4年間でもっと成長したい」と意気込む。秋には、早大の後塵を拝した東京六大学のほかの5校をはじめ、全国の大学が『ドカベン』のように「打倒ワセダ! 打倒斎藤」を掲げて厳しい練習を積んでくるだろう。今後、佑ちゃんフィーバー以上に、レベルアップした実力で大学球界が盛り上がることを期待したい。

<この項、了/リポートは続く>


■決勝結果

早大 4−1 東海大>

早 大 100200100 4
東海大 000001000 1
(早大が33年ぶり3度目の日本一)
(早)斎藤、松下 − 細山田
(東)小松崎、中西 − 市川
【本塁打】 小野塚(早)

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