ダルビッシュや青木ら主力移籍の影響は? (1/2)
達川光男氏が語るプロ野球2012年シーズン
日本ハム・ダルビッシュ有やヤクルト・青木宣親のメジャー移籍も決まり、移籍市場が落ち着き始めたプロ野球。2012年の戦力分析と自主トレについて、達川光男氏に話を聞いた。
■パは混戦、セも5チームにチャンスあり
皆さん、あけましておめでとうございます! カープのOBである私にとって、新年早々喜ばしいニュースが飛び込んできましたよ。北別府学氏と、故・津田恒実氏の野球殿堂入りが決まったというニュースです。スポーツ新聞でも各紙一面を飾ってました。まずは北別府と津田の話をさせていただきたいんですが、前回の終わりに戦力分析のお話をしようと言いましたので、まずはそちらからお話ししましょうね。
ニュースと言えば、ダルビッシュと青木の去就がついに決まりましたね。青木はブルワーズ。そして、交渉が長引いていたダルビッシュも晴れてレンジャーズと契約しました。一方、中島の国内残留も決まりました。彼にとっては悔しいでしょうし、夢の舞台にようやく立てるという気持ちが先送りになってしまいましたけど、逆に西武は一躍優勝候補になったようにも思います。
ダルビッシュが抜ける日本ハムや杉内、和田、ホールトンが抜けるソフトバンクがチーム力を落とす中で、西武とオリックスの躍進がありそうですね。オリックスの岡田監督も優勝宣言をしました。今季のパ・リーグは混戦になると見ますよ。
セ・リーグは何と言っても巨人が抜けてますけど、すんなりチームが機能するかは分かりませんね。横浜DeNAは中畑監督の明るく前向きなキャラクターで戦う姿勢が変わっていくと思いますが、気持ちだけで勝てるほどプロ野球の世界は甘くありませんから。心技体全てがそろって、初めて強いチームになれるんです。
ヤクルトは投手がそろってますけど、青木が抜けるのは厳しいですね。でも、ヤクルトも石井一久や岩村が抜けてもやりくりしてきたチームですから、昨シーズンと同じような旋風を見せてくれる可能性はあります。
中日は老獪(ろうかい)なチームで勝ち方を心得ています。これは私の想像ですが、監督が変わったことで練習が少し楽になり、ベテランが多いチームですから1年間の負担が減ってスムーズに進むかもしれません。
阪神は金本が「今年ダメなら引退」という覚悟だそうで、近年では一番調子が良いようです。いつまでも大ベテランに頼っていてはチームとして良くないのも確かですけど、キーマンは金本と城島になるでしょう。城島はこれまで、マリナーズでの1年目、阪神での1年目、ダイエーでケガをした翌年、「今年はやらなければ」という年に必ず結果を残してきた選手です。今季も、そのやらなければいけない年になるでしょう。考えてみれば、城島が昔の城島に戻れば、それだけですごい戦力アップですから。阪神の優勝も可能性はありますよ。
カープは大竹の復活とルーキーの野村がカギになりますね。野村のチェンジアップは一級品で、左バッターをキリキリ舞いさせると思います。昨年途中でケガをしてしまったサファテも本調子に戻ってきたようですから、カープも楽しみです。
巨人が圧倒的という下馬評がほとんどですけど、私はそんなことはないと思います。横浜は厳しいですけど、5チーム全てにチャンスがありますよ。
■プロ野球選手にとって一番大切な季節
今は自主トレシーズンまっただ中で、能見が238球投げたとか、キャンプ中盤のような練習量で各選手やっておりますね。この自主トレから、キャンプ、シーズン、ポストシーズンと続いていく中で、実は自主トレとキャンプが一番厳しいんですよ。体中の汗が出きってしまうと言うんですかね。私も現役時代に「胃から汗が出ます」と言ったら大きく取り上げられましたよ。北別府と津田は殿堂入りで一面でしたけど、私はこの一言で広島ローカルの一面をいただきました。ホームラン打っても一面にはならなかったんですが……。
話が逸れましたけど、プロ野球選手にとってこの季節が一番大切なんです。この時期の努力は、必ず何かの形で財産になります。逆にサボってしまえば取り返しがつきません。1日休めば自分が分かる、2日休めば監督とコーチが分かる、3日休めばファンが分かると言いまして、練習は休めば休むだけダメになっていきます。
もう一つ、努力した人が成功するとは限らないけど、成功した人は人一倍努力しているという言葉もあります。だからこそ、シーズンでの活躍のために、プロ野球選手としての成長のために、いまの一番つらい時期を選手の皆さんは乗り越えてください。
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