コラム  
山田隆道
スポーツナビ

ジェフの去就に関して阪神に求めたいこと
山田隆道のブログに茶々々! 第37回

2009年10月6日(火)

■去就が注目されるJFKのリーダー

ジェフ・ウィリアムス応援サイト「jeff54.net」
ジェフ・ウィリアムス応援サイト「jeff54.net」【スポーツナビ】

 プロ野球ファンにとって、秋は楽しくもあり寂しくもある季節だ。優勝争いやクライマックスシリーズ(CS)争いの一方で、往年の名選手たちが続々と引退を発表したり、戦力外通告を受ける時期。ことしもここまで中日・立浪和義や千葉ロッテ・小宮山悟、広島・緒方孝市、西武・江藤智といった大物選手たちが引退を発表。ほかにも去就が注目される選手はまだまだいるが、阪神ファンの僕としては、とりわけジェフ・ウィリアムスの動向が気になって仕方ないのだ。
 あくまで一般論だが、日本人は外国人選手の解雇に日本人選手ほどのセンチメンタリズムを感じにくい傾向がある。外国人選手にはやはり助っ人というイメージがあり、どれだけ長くファンに愛され、チームに貢献してきた選手であろうが、辞めるときは案外ひっそり帰国するケースが多い。今まで日本人選手の引退セレモニーはいくらでもあったが、外国人選手のセレモニーはあまり記憶にないということが、その証拠である。
 しかし、多くの阪神ファンにとって、ジェフは特別なんじゃないか。2003年以来、7年間に渡って阪神リリーフ陣の中核を担い、03年と05年にはリーグ優勝に大きく貢献。藤川球児、久保田智之とともに「JFK」と呼ばれた勝利の方程式は、球界最強と他球団に恐れられ、あの野村克也・東北楽天監督をして「近代野球の新しいスタイル」とまで言わしめた。ジェフはそんなJFKのリーダー格であり、阪神投手陣の精神的支柱だったのだ。

■もはや助っ人外国人の一人ではない!

 実際、ジェフのブログを読んでみると、彼の立ち位置がよく分かる。更新回数こそ少ないものの、内容的にはチーム全体に対する言及が非常に多い。例えば3月26日の記事では怪我で離脱しているJFKの盟友・久保田にエールを送り、千葉ロッテから新加入した久保康友投手に期待を寄せるコメント。6月2日にはリリーフ投手の江草仁貴の奮闘について触れ、故障中の正捕手・矢野輝弘の穴を埋める活躍を見せていた狩野恵輔を称え、金本知憲や赤星憲広といった中心選手へは信頼を寄せる言葉をつづっている。つまり、ジェフは自身の調子がいまいち上がらない中でも、常にチーム全体のことを考え、投手陣のリーダーとしての言動を心掛けている。個人主義のイデオロギーが当たり前の外国人選手が、ここまで日本的な団体主義を尊重するケースは非常に珍しいと思うのだ。
 いつだったか、藤川が「JFKのリーダーはジェフだ」と断言し、米大リーグからオファーがあったときも金本や矢野らに引き止められたことを思い出した。チームメートたちにとってもジェフはもはや助っ人外国人の一人ではないのだろう。
 だからこそ、余計にジェフの去就が気になるのだ。故障による不振が長引き、8月下旬には手術を受けるため帰国してしまった。来年38歳になる高齢を考えると、普通の助っ人ならことしで解雇されるのが通例ではあるが、はてさてジェフの場合はどうなるのか。
 正直、契約に関してはしょうがないと思う。力が衰え、怪我の回復も見込めないとなれば、シビアに対処されてしまうのも助っ人の宿命だ。けど、もし仮に最悪の断が下されたとしても、ジェフの場合は何らかのセレモニーを球団は用意すべきなんじゃないか。ジェフをほかの助っ人と一緒にしちゃいけない。ジェフ・ウィリアムスは特別なんだ。

<了>

山田隆道

作家。大阪府出身。早稲田大学卒業。主な著書は「雑草女に敵なし!」「Simple Heart」「阪神タイガース暗黒のダメ虎史」「野球バカは実はクレバー」など。大のプロ野球ファンとしても知られており、様々なプロ野球関連メディアにも出演や寄稿を行っている。MBSラジオ「亀山つとむのかめ友SPORTS Man Day」や「MBSとらぐみタイガーズライブ」などにコメンテーターとしてレギュラー出演中。ツイッターアカウントは【@yamadatakamichi】
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