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交流戦コラム  

3年目の“ニュー交流戦”は波乱なし!?(1/2)
阿波野秀幸氏インタビュー

2007年05月21日 スポーツナビ
選手、コーチとしてセ・パ両リーグの野球を熟知している阿波野氏。3年目を迎える交流戦のさらなる盛り上がりに期待を寄せる
選手、コーチとしてセ・パ両リーグの野球を熟知している阿波野氏。3年目を迎える交流戦のさらなる盛り上がりに期待を寄せる【 スポーツナビ 】

 ことしで3年目を迎える「セ・パ交流戦」が、いよいよ22日から開幕する。ペナントレースに成績が加算される“真剣勝負”としてスタートした一大イベントも、年々改良が施され、ことしは各チームの総試合数が36試合から24試合に減少。1カード、ホームとビジターともに2試合ずつの計4試合に変更となった。タイトだった日程にゆとりが生まれ、選手たちにもより素晴らしいプレーを期待できるだろう。
 今回は、投手として近鉄、巨人、横浜に在籍し、新人王や最多勝、奪三振王などのタイトルを獲得。引退後は巨人、横浜の投手コーチを務め、過去2年の交流戦を首脳陣としてベンチから見つめた阿波野秀幸氏に交流戦の見どころを聞いた。

日程・試合数の変更で、交流戦に変化あり?

――交流戦では2年連続で千葉ロッテが王者に輝いています。一方で、一昨年は中日が失速、昨年は巨人が失速しV逸。過去2年、交流戦がペナントレースに及ぼす影響が大きかったように思いますが

 影響はかなりありますね。まず、交流戦は情報があまりない状態でやらなきゃいけないつらさもあるんですけど、過去2年を振り返ってみると、開幕から1カ月経ったらすぐに交流戦だったんですよ。同じリーグの相手を熟知する前に、交流戦に入るんです。(同じリーグでも)対戦していない投手がありながら、情報という意味では乏しいまま交流戦に入って、リーグ戦に戻る時には約60試合近く終わっているわけですよね。そこで首位戦線から落ちていくと、なかなか浮上できないということになる。

 ことしで交流戦は3回目ですけど、今までは二回りだったのが三回りやってから交流戦に入ることができるわけです。それは大きいですね。選手たちというのは、一回りして自分の手応えをつかむ。二回りした時点で相手の手応えをつかむ。そして三回り目を戦うことによって、ことしの手応えというものにつながっていくんです。そういう意味でも、ことしはセ、パともに落ち着いた状態で交流戦を迎えられるんじゃないかと思います。

 今まで、交流戦が(ペナントレースを)左右していた部分が結構あったんですが、僕の見方ではことしはそこまではいかないだろうと思っています。試合数も少ないですしね。

――ことしからセ・リーグにもプレーオフ制度(クライマックスシリーズ)が導入されて、さらなる盛り上がりも期待されますね

 今のところ、AクラスとBクラスのゲーム差は2、3ゲームくらい。その差にクライマックスシリーズに出られるか、出られないかが懸かっています。じゃあ、この「2ゲーム」ってなんだろうって考えると、この交流戦で十分稼げるゲーム差だと思うんですよ。同じリーグのチームにリーグ戦でやられたのなら、やりかえすチャンスはまだ十分あると思うんですけど、交流戦でやられたらやりかえすチャンスはもうない。球団の考え方としては、ここで決着をつけておかないといけないんですね。お互い、(リーグの)上位・下位というのは意識を持っていますから、セの上位はパの下位には絶対落としたくないんです。逆ももちろんそうですけどね。確実に勝てる試合は取ろう、ということです。

 昨年リーグ最下位だった東北楽天ですが、交流戦では広島と巨人が負け越しました。“対野村監督”という意識はやっぱりあって、例えばノーアウト一、二塁の場面で、おそらくバントだろうという選手に野村監督が二言、三言ささやいて帰って来るだけで、バッテリーや守備は気を使うんですよね。イメージで戦ってしまうのが交流戦。成績などの資料は渡されるんですが、実際にやってみないと分からない部分が多い。プレーして分かる情報と自分の思い込みが一致すれば、情報はものすごく生きるわけです。でも、「あれ、違ったぞ」となると、そこでゼロになってしまうんですね。
 週末にデーゲームが多いパの選手は、家に帰ってナイターを見る機会が多い。セの野球をよく見てるんです。例えば「阿部はことし変わったぞ」とか、個人なりの情報を持って来られるんですよね。リーグ戦から交流戦への間が2、3日で、一夜漬けのような状態で交流戦に入っていくので、普段の生活でごはんを食べながらでも、映像としてセ・リーグのレギュラーを見ている選手の方が戦いやすしというのはありますよね。

――ことしはリーグ間の移籍選手の活躍が目立つシーズンとなっていますね

 これまではリーグ間のトレードがあっても、なかなか主力にまではなっていなかったんですね。球団自体が本当に勝つためのチームづくりをしているということで、重複しているポジションをなくしてきている。言葉は悪いですけど「飼い殺し」がなくなってきましたよね。そこで今までにないような、まだまだ使える余剰戦力が働き場を求めてリーグを移る。多村があれだけ活躍するなら「出さなきゃ良かった」って思うのは一昔前の考え方。工藤はまだ活躍してないですけど、ああいう移籍も今までは考えられなかったですからね。

 移籍した選手の、古巣との対決も面白いですね。僕も移籍は経験していますけど、両者があって初めて成立することなので、やはり出してくれた球団に対して「出された」というよりも、いま活躍できているなら「感謝」「恩返し」という気持ちを持っていいと思うし、当事者たちも(そういう気持ちを)持ってるんじゃないかと思いますね。

 ことしはラロッカだったり、谷や小笠原、小久保が主力でガンガンやっているので、彼らの持っている情報っていうのがチームに回ると思うんです。ことしはセ・パで移籍した選手っていうのも注目の一つですね。

<続く>


 
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