sportsnavi.com
ジャンルタブ
  トップページ > 野球 > プロ野球 > コラム

コラム  

阪神首位奪回の立役者・藤川のすごみ
プロ野球データ分析2007 Vol.18

2007年09月12日 小野俊哉
阪神の首位奪回の立役者となった藤川
阪神の首位奪回の立役者となった藤川【 写真は共同 】

1点差勝利で3勝12セーブの成績

 阪神が8月30日から破竹の10連勝。9月8日には巨人を抜き去り、ついに首位に立った。阪神は交流戦を終えて、リーグ戦が再開された6月29日時点では首位と12ゲーム差も開いていた。これは、“メークドラマ”で話題となった1996年の長嶋巨人の11.5ゲーム差を抜いて、過去最大の逆転劇である。この10連勝の立役者は、何と言っても抑えの切り札・藤川球児だろう。10連勝中は10連投し、サヨナラ勝ちの2試合を含んで、2勝7セーブの活躍である。

 これまでの阪神、巨人、中日の上位3チームの勝利数を得点区分で見てみると、チーム体質が浮き彫りになる。7得点以上の試合は巨人が29勝を上げて3チームで最も多く、阪神の18勝は3番目。4−6得点の試合では、中日の34勝がトップであり、阪神の27勝は2番目。そして1−3得点での勝利数は、阪神の22勝がトップであり、巨人は18勝、中日はわずか13勝しかできていない。
 つまり、チーム本塁打が172本と飛び抜けて多い巨人は本塁打頼みの体質が強く、中日は昨年までの強い投手力に陰りが見えるものの、投打のバランスで勝利数を伸ばしてきたチームと分析できる。そして、阪神は打てない打線を投手力がカバーし、少ない得点を守り切って勝利数を伸ばしてきたチームと言えるだろう。阪神の1−3得点の22勝だが、うち藤川球児が21試合に登板。実に4勝15セーブの働きである。これまでの1点差勝利を見ても、阪神の19勝はリーグトップだが、ここでも藤川球児が18試合に登板して3勝12セーブと、ほとんどの勝利に直接貢献しているのだ。

上原、岩瀬、クルーンを上回る安定感

 藤川球児のすごみを数値で表してみよう。これまで61試合に登板し、5勝2敗40セーブ、72回1/3、104奪三振、防御率0.87で、被本塁打ゼロ。失点7に対して、これまで許した出塁数は59。出塁数を失点で割る「失点出塁率」を計算すると8.43となるが、これは藤川が8回以上出塁しないと1点が取れない投手ということになり、いわばどれだけ連打するのが難しいか、の指標でもある。これをほかのストッパーで計算すると、巨人の上原浩治は3.67、中日の岩瀬仁紀が3.60、横浜のクルーンが3.81と、両リーグ全投手平均の3.08を上回るが、それでも藤川の半分以下でしかないのだ。いかに藤川の成績が飛び抜けているかが分かるだろう。

 もちろん、藤川に回すまでの、阪神の中継ぎ陣も強力だ。「JFK」の一角であるウィリアムスはこれまで53試合に登板し、失点出塁率は16.00(防御率0.15)。久保田智之は78試合に登板し、失点出塁率5.45(防御率1.83)と、いずれも上原、岩瀬の成績を上回る。つまり阪神の「JFK」とは、セ・リーグのストッパー以上のスーパーストッパーが3枚並んだ投手陣である、といっても過言ではないのだ。

<了>

■小野俊哉/Toshiya Ono

岡山県出身。早大卒。スポーツデータの配信サービスを行うスポーツ・アクセス代表取締役。『プロ野球マスターズリーグ』、『茨城ゴールデン・ゴールズ』へ公式記録を配給。ホームページ『プロ野球plus』はリニューアルを実施。今年は『松坂大輔がメジャーNO.1投手になるこれだけの理由』(洋泉社)を出版。楽しいプロ野球の見方を提案し続けている。


 
関連リンク
スポーツアクセスHP
小野俊哉の野球レコードアワー(スポナビ+ブログ)
 
コラム一覧 ページトップへ
 
プロ野球最新コラム プロ野球最新ニュース
 

Copyright (c) 2012 Y's Sports Inc. All Rights Reserved.